紙の本
アクションと政治のエンタテイメントの最高傑作
2021/08/20 18:02
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投稿者:GORI - この投稿者のレビュー一覧を見る
タイトルの通り、アクションの描写が素晴らしい。
恩田陸さんの蜜蜂と遠雷の音楽の描写も素晴らしかったが、本作のアクションの描写は今まで読んだことが無いと断言できるほど素晴らしかった。
作者は格闘技の動きや格闘家の心理などを相当研究して文字で表現したと思われる。
またテロ、中国の核弾頭が配備されたステルス機、亡命などを複雑に絡み合わせ、日本の警視庁と各省庁の利権争い、そしてアメリカ、中国、ロシアの思惑がこれでもかと襲ってくる。
中国のステルス機に乗って亡命したのが女性パイロットとした設定も物語を一層面白くしている。
アクションと政治を絡めたエンタテイメント小説としては最高傑作。
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これは映画化される気がする。
参考文献を全部読めばこの本を書けるわけじゃないけど全部読む者はすくないだろうな。
後半になると残りのページ数で物語が終わるのか気になるようになった。物語のスピードが上がり急展開していった。
相手を追い詰めていく描写はどこかシュピーゲルシリーズを彷彿とさせた。
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思わず本を持つ手をわきわきしちゃう
考えてること2人分の重量感、時間軸がダラダラしないので意外とスムーズなんだけど、言葉だけでこれだけ語れるのかという臨場感あるアクションシーンのわりに、起きてることに緊迫感がなくて全然手に汗握らない、、むむむ面白いのだけどね
二人を結ぶエピソードも、あれ?前作あったっけ?みたいに薄かった
関係性が徐々にわかる感じで続編あったり?なんて淡い期待
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◾︎舞台はリアル、その実ファンタジー小説
無料公開で読ませていただきました。
日本の防衛や日米関係、日中関係などがかなりリアルに描かれていますので、その辺がよく分からない人にも勉強になります。
アクションシーンはあまり好きではないので、そういうシーンはざっと読みになってしまいましたが、多分アクション好きな人はすごく楽しめると思います。
結末というか解決方法ですが…。プログラミングは魔法ではないので、あの方法はちょっとないな、というのが正直な感想です。ごめんなさい。
逆に、プログラミングとかITとかがあまり分からない人は楽しめるのではと思います。
つまり、舞台や状況はリアルですが、ファンタジー小説と思って読んだ方が良いです。
あと、終盤でペラペラ喋ってしまう一味は、やはりちょっとご都合主義ではと思ってしまいます。「土曜ワ◯ドかよ!」と心の中で突っ込んでしまいました(笑)
中身とは関係ないことかもしれませんが、気になったことは、多言語の扱いですね。
英語の会話は日本語で書かれてるのに、なぜ中国語は中国語?「麻烦」など、漢字に間違いがあったり言い回しが不自然だったりするので、却って気になってしまった。R化はそれでいいのかとか。発音のフリガナはいるのかなー、とか…。地方出身だと微妙に北京語とは発音も違うしなー、とか。
初めは、敢えて中国語にすることで、何か事件解決などの伏線があるのかなと思って中国語の方も読んでいたのですが、特に何も無かったので、全部日本語の方が良いのではと思いました。
色々書いてしまいましたが、普段読まないジャンルなので、余計に気になってしまうのかもしれません。
普段こういったジャンルが好きな方には普通に面白い本なのでは?と思います。
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冲方丁さんの作品は「天地明察」「マルドゥック・スクランブル」に次いで3作品目。今回も十分に楽しませていただいた。
読んだ作品の方向性がそれぞれ違う中、独特のテンポを感じられた。シーンの展開、さまざまな描写。。どれもが、小気味良くページをめくらせてくれる。
本作は現代を描いたものだが、現実と想像の狭間を自由に行き来させてくれるため、まるで目が覚める寸前の夢のようにフワフワした感覚に包まれ、それが非常に心地よい。
政治や世界情勢に最先端の技術。果たしてどこまでが現実であり、どこからが想像なのか。。
読み終えた時の浮遊感は、そんな瑣末なことをすっかり忘れさせてくれる。そのくらい楽しかった。
続編やスピンオフを覗き見たくなるのは、それだけ作者の思い描いた世界に取り込まれていると言うことなのかもしれない。
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突如現れた正体不明の戦闘機。その要求は、「亡命を希望する」とのこと。さらに核兵器も積んでいて、着陸した羽田空港は大混乱。しかも戦闘機のパイロットは女性。護送しようと思ったら、拉致されてしまうなど、背景には大きな影が潜んでいる。2人の兄弟を中心にその影に挑んでいきます。
とにかく長かったです。単行本で約510ページというボリューミーのある量でしたが、精神的にはもっとあるように感じました。説明口調が多くあった印象だからかもしれません。
題名の「アクティベーター」は、「活性剤」や「活動的にする人」という意味だそうです。
活動的ということで、本作品ではアクションシーンが多くあり、映画を見るような躍動感がありました。プロ対プロのアクションだけでなく、プロ対プロの言葉のバトルなども楽しめました。
帯では、「核兵器」や「標的は日本国民1000万人」と紹介していますが、あまりそこを重視せず、女性パイロットや影に潜む組織を中心に描いています。最後の方で、一般市民にも影響するという緊迫感が伝わってくるので、それまではどっちかというと、その範囲だけで出来事が動いているので、範囲外に与える影響の緊張感があまりなかったように感じました。どこか遠くでいざこざが行われているという感覚でした。
難しい用語が多く登場し、現実的よりも近未来SFを読んでいるような感覚がありました。
物語の構成としては大きく二つの物語が同時進行で描いています。一人は、真丈太一。綜合警備保障の警備員で、クライアントの家から緊急出動の命令が来たことから物語が始まります。今は警備員ですが、昔は・・・という経歴を持っていて、羽田の戦闘機とどう絡んでいくのか、アクション満載で面白かったです。
もう一人は、鶴来誉士郎。警察庁の警視正で、主に羽田に留まりながら、太一の物語とどう絡んでいくのか、アクションシーンよりは、こちらは言葉のバトルを楽しむことができました。
2人は義兄弟で、段々とそれまでの経緯がわかっていきます。なかなか全てを描くことはなかったのですが、二人の掛け合いが、緊張感を緩和させることもあり、良いアクセントでした。
登場人物が多かったですが、誰が敵で、誰が味方か、背景で動く大きな組織の動き、アクションなど読み応えが多くありました。
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突然の爆撃機の飛来。しかも中国最新鋭ステルス爆撃機。またそこに突然のの亡命の表明。パイロットは女性。早速空港に連れられたが、政府各所からいろいろな人間が、そこに集まる。一方、警備会社にいた兄貴は契約していたお客が殺され、それを追ってあるところへ。そこに途中で連れ去られたパイロットと出会う。さてその後はその逃走劇。暗殺者は出るは、役所からの横槍はあるは、そこに格闘! 最後は爆撃機に核爆弾が仕掛けてあり、しかもロボットが自動操縦で、どこかに落とそうと言うところを阻止しようとする。ハラハラドキドキの1冊。 なかなか良いね。
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2021年になって1か月しか経っていないのに、早くも本年度ベスト級の作品に出会ってしまった。稀代のストーリーテラー・冲方さんのデビュー25周年記念作品でもある本書は、まさに記念碑的な傑作だった。時代小説からSFまで自在に書きこなす著者の最新作は血湧き肉躍る活劇小説だ。領空侵犯した中国のステルス爆撃機の謎に始まり、息つく間もなくエピローグまで突っ走る。主人公は肉体のみを武器に強大な敵と戦い、彼の義弟は頭脳で援護する。繰り返し語られる過去の詳細は不明だが、いずれ前日譚として書かれるのを期待して待ちたい。もちろん続編も。……で、アクティベイターってなんなの(笑)?
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隣国からの亡命。
その来訪者の機体には核が秘密裏に搭載されていた...
目的のために秘密を守る者
亡き妻の姿を重ね守ろうとする者
この事件の陰謀を解き明かすべく奔走する者
東京を丸ごと人質に取られる中、救いはあるのか...。
それぞれの思惑や困難に立ち向かう人々。
その強さと機転に引き込まれていく。
爽快感もありながら読み応えも抜群の作品でした。
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知的かつアクションにも秀でた小説。必ず最後はハッピーエンドだと思いながらも520ページ止まらず読み続けた。映画でも見たいがバトルシーンは一つ一つ解説が必要そうで鬼滅的描写が必要かとも感じた。
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いやもう読んでる間、ずっと身体中の筋肉がパーンと張ってる感じ。
読んでて一番思ったのは、武術とか格闘技とか習っておけばよかったってこと。両手をわきわきさせて臨戦態勢に。さてと、と準備して、戦いたくなるぞ(誰と!
核を積んだステルス爆撃機の女性パイロットが亡命を希望して羽田に着陸、って、えらいこっちゃ。どうする、どうする。
かつてソ連から亡命希望して函館に着陸したミグ25の事件ってのがあったな。あのときずいぶん大騒ぎになってが気がするけど、その後どうなったのか全く思い出せない。
しかし、これを読むと私たち一般ぴーぽーはいろんなことを知らないまま生きているんだなってことがわかる。
国と国の間にある、いろんなこと。あるいは、国の中で起こっているいろんなこと。当たり前じゃない当たり前がこの国を、いや、この世界を動かしている。ぞっとするね。
警視庁の鶴来。現在民間警備会社で警備員として働く真丈。義兄弟コンビが見えない敵と戦う姿にぞくぞくする。
真丈が戦うときの、予測、動き、そのあれこれが具体的に書かれているので思わず自分でもやってみたくなる。
でもできれば映像で観たい。誰か実演してくれないか。あるいは映像化してくれないか。
鶴来はハセヒロで、真丈は西島さんでよろしく。あ、影武者は綾野剛でぜひ。
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核弾頭爆弾が積まれている中国の戦闘機が羽田空港に来た。
核爆弾。
ドキドキしながら読んだ。
アクション映画を解説付きでスローで見ているような感じだった。 とてもとても強い人、戦術が素晴らしい真丈太一の戦いは安定していて、かっこよかった。強すぎて怖いものがないような、すごい人だった。義理の弟の鶴来誉士郎さんも判断力があり、信頼できて心強かった。
妹の事はやんわりで、もっと知りたかった。
核爆弾って聞くと、びっくりするけど、海に落としたままでは心配なので、
ちゃんと処理して欲しい。
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中国から羽田空港に着陸したのは核兵器を搭載したステルス爆撃機。日本に亡命したいと機内から出てきたのは、中国人美女パイロット…その真意は?
天地明察の作者だから時代劇モノのイメージが強かったけど、ど迫力のアクション満載の渾身の一作なので、映画化して欲しい。
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やや尻すぼみ・・お店の広め過ぎ~真丈太一は異色の経歴を持つ警備員。今の仕事は銃弾に倒れた妹の夫で警察庁警備課の警視正・鶴来誉士郎の紹介だが、今夜は中国人クライアントの非常呼び出しに応えた。楊宅には侵入の形跡があり、コンバットナイフで侵入者を一人倒した楊氏は瀕死で「J20.H20.三日月計画に介入」という謎の言葉と「捕まえろ」と指令を残して死んだ。その頃、航空自衛隊スクランブル機のエスコートで羽田空港に着陸した中国のステルス爆撃機から降りてきた女性パイロットの楊は、鶴来に核兵器を積んでいることを密かに伝え、国交省の入国管理局で保護すべく、移送の手続きを慎重に展開したが、身柄が攫われた。亡命者Xを発見したのは殺害現場に現れた中国大使館員の周氏、車と携帯を在日米軍の分析官に追跡を頼むと、日の出桟橋に出向いた真丈だった。抜群の格闘術でパイロットを救出した真丈は追われる身となり、通称センは巧みに姿を消した。義理の兄弟は互いに情報を交換し、羽田に現れた経産省の産業調査員・鳩守淳と兵器流通研究員の馬庭利通、外務省の在外高官警備対策官の辰巳喜一が工作員だと判定し、防衛装備庁長官官房装備官・香住甲太郎と協力し、反撃を開始する~アクティベーターとは日米合同体制に疑念を唱え、尊い同盟を決裂させんと目論む連中の脅威に備えるエージェント・・らしい:なんじゃら? 一晩のお話、格闘シーンはこちらの想像力が追いついていかなくて、苦しい。抜群の記憶力と身体能力、超人ですなぁ。SFの世界や、私には
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骨太なポリティカルサスペンス。500ページ超の大作だが、スピード感のある展開かつ適度にフィクションラインを緩くしてくれているのでどんどん読める。心理戦や格闘シーンの細かい文章表現も(脳内で映像再現するには自分の理解力・想像力では及ばない面もあったが)面白い。サラリーマンの自分もあれぐらい他者の思考を読めたら組織の中で立ち振る舞いやすいだろうなぁとくだらないことを考えてしまったw