紙の本
頭の中が整理できました
2021/03/10 09:55
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投稿者:広島の中日ファン - この投稿者のレビュー一覧を見る
以前から米政治と宗教の関係はどんなものか知りたかったので、店頭で当書を見つけ、即買いしました。
文章がしっかりしていて、著者の頭の良さを窺い知れました。
気になっていたことが理解でき、頭の中が整理できました。
ちくま新書ですが、当書は文面の文字が大きく、文章量も少ないので読みやすい1冊です。
紙の本
アメリカの原動力
2021/02/07 11:22
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投稿者:ニッキー - この投稿者のレビュー一覧を見る
アメリカは民主主義の中進国であり、科学発展のリーダーであると思われています。実際そうでしょう。しかし、無知蒙昧の国であることも本書は教えてくれます。宗教は人生の糧になりますが、ときには宗教が人を支配します。非科学的な宗教教義が人間を支配している、アメリカはそういう国でもあります。それが、政治や社会に影響を及ぼしています。それを知らしめる一冊です。
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アメリカ政治、特に大統領選において大きな存在感を発揮している福音派やカトリック保守の関連団体・人脈がいかにトランプ陣営の大物たちと深く関わっているかを解き明かす。2020年の大統領選でトランプは敗北を喫したとはいえ、彼の政策に賛同した宗教ナショナリストの勢力がなくなったわけでもなく、今後もアメリカ政治において存在感を増し続けるであろうことを思うと、現代アメリカ政治を動かす要因である宗教ナショナリズムのネットワークにいちはやく解剖のメスを入れた本書の内容は、今後のアメリカ政治の動向を観測する上での基礎となるのではないだろうか。
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同著者の前著『熱狂する「神の国」アメリカ 大統領とキリスト教』がとても良く、ぜひ同著者による「その後」(トランプ後)の解説も読みたいと思っていましたので即買い。私が既に色々と知っているからかもしれませんが前著ほどのインパクトはありませんでしたが、まさに「その後」の解説を興味深く読みました。
宗教的背景が分からないとアメリカの政治や外交の半分も分からないとつくづく思う次第。
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アメリカを動かす宗教の力について綴った本。大統領選出にあたって各団体がどのような役割を果たしてきたのかは納得だが、中国など対外政策においては軍事的・経済的要因ありきで宗教は後付けなのではと思ってしまう。それだけ日本人である私が宗教の持つ影響力の大きさを理解できていないということかもしれないが。軍事や経済について勉強してからこの本に戻ってくるとまた発見があるかもしれない。
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アメリカの社会、政治、外交を考える上で、宗教すなわちキリスト教の役割は大きい。アメリカ人口の85%がキリスト教徒、カトリックが23%、プロテスタントが55%。人口の過半数を占めるプロテスタントの中で、非主流派だが大きな影響力を持つのが福音派。2016年大統領選挙で、トランプを支持した人々の多くが、敬虔なプロテスタント信者であり、この福音派だった。
(「多くが」は曖昧な表現で、そのまま信じるのは好きではない)
アメリカでは宗教が人々の生活に密接していて、政治に大きく影響している、中には科学的、論理的に?がつくような流れもあったり、ということに驚く。南部バイブル・ベルトの地域では、ダーウィンの進化論を否定し、中絶を非合法化する州もある。一部の都市部では違うのかもしれないが、アメリカは広い、そして人口は3億人。
南部のバイブル・ベルトでは、国境を超えて南からアメリカに来る移民が40%になる地域もあり、地域が生活が、国が変わってしまうという危機感から、宗教の力が強まることにもつながっている。
黒人は全米人口の13%、南部ではまだひどい黒人差別があり、北部は工業地帯で雇用がある。ヒスパニックは北部に少なく、南部に多い。州によっては人口の40%近くがヒスパニックの地域も存在する。
教会や牧師の存在は大きく、宗教リーダーとして、カリスマ牧師が存在し、週に数万人をミサに動員するメガチャーチが存在する。
p75 初めてキリスト教の組織を大統領選挙に利用したのは1980年のレーガン。同時に、各団体やシンクタンクのロビー活動による、ワシントン政治への影響力の行使が開始された。
福音派の支持を得て大統領となったトランプは、福音派が望む選挙公約を実現していく。「宗教三巨頭」のペンス副大統領、ポンペイオ国務長官、ブラウン宗教大使。
個人的に整理できていないのは、キリスト教とユダヤ教の関係。
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アメリカ人、けっこう真面目に宗教信じてるんだな。
自分にない信仰という感覚が猛威を奮ってるなんて全然知らんかった。
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アメリカのキリスト教徒は、大統領選をも左右する?トランプ前大統領の誕生、他国への“人道的介入”、反中国政策。アメリカの社会、政治、外交を動かす宗教ロビーについて説く書籍。
アメリカでは、宗教が政治に大きな影響を与えている。同国の人口の約85%がキリスト教徒で、カトリックが23%、プロテスタントが55%。つまり、人口の半数がプロテスタント。
プロテスタントは、主流派と「福音派」に大別できる。
福音派の定義は曖昧だが、新約聖書の「福音書」を絶対視する原理主義的なキリスト教徒を指すことが多い。中絶に反対し、進化論を否定し、神による創造論を信じる人たちである。
プロテスタント教会は、国単位で発展してきた。
その影響もあり、プロテスタント(特に福音派)は愛国心と結びつく傾向が強い。例えば、アメリカプロテスタント系最大教派の南部バプティスト連盟は、神学的・政治的に保守・右派的である。
アメリカでは、地域によって信仰態度が異なる。
中部および南部のキリスト教信仰が篤い地域は、福音派の比率が高く「バイブル(聖書)・ベルト」と呼ばれている。
福音派が共和党、保守政治にとって重要な要因となったのは、1980年のレーガン政権以降である。
→積極的に政治参加を行わないと、キリスト教的な価値観によるアイデンティティと社会や生活が脅かされると感じたため。
妊娠中絶合法化の判決を支持するなど、キリスト教的な価値観を脅かすカーター大統領に対抗すべく、真逆の政策を掲げるレーガンを大統領選で支持し、当選させた。これが「政治化」するきっかけとなった。
→福音派の支持を獲得するためには、大統領本人の信仰心より、いかに福音派が求めている政策を公約として掲げ、それを実行することが重要であるかを示した。
アメリカが行う「人道的介入」にはキリスト教的な発想がある。トランプ前政権は「宗教の自由」を外交の1つの軸とし、イスラム国を倒した。そして今、最大の敵は宗教を弾圧する中国となり、宗教をめぐる外交は大きく転換しつつある。
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アメリカ人の約85%がキリスト教徒で、そのうち55%がプロテスタントであり、キリスト教の政治に及ぼす影響力は小さくないようだ。本書では福音派の政治活動を中心に政治への影響力が分析されていた。レーガンやトランプの大統領選の時の宗教団体の取り入り方がすごいと思った。また、中絶、同性婚、LGBTに関する福音派の影響力の大きさを再認識した。
今後も、福音派などの宗教保守が一定の影響を持つのだろう。
宗教団体側の分析が主だったように思うが、政治家の宗教団体についての認識をもっと知りたいと思った。