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投稿者:じゅんべぇ - この投稿者のレビュー一覧を見る
前田利常の生母、寿福院をめぐる短編集のようなもの。
ホントにこうだったかもしれないという創造力が、小説家の人は凄いと思います。
軽い感じで読めます。
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初出 2020年「小説新潮」
朝倉家の旧臣の家に生まれ、前田家の奥に仕えて利家の側室となり、3代藩主利常の生母として、慈愛と強い精神力で初期の加賀藩を支えた寿福院の物語。
私としては加賀藩に伝わる刀に関しての古文書を読んでいたので、本阿弥家とのつながりを興味深く読んだ。
少女時代朝倉の遺児を庇って隠れ、利家と出会うのはエピソードとしては面白い。
なかなか猿千代(のちの利常)と対面しない利家に強引に会いに行ったり、江戸での人質を代わる正室のまつとの対立があったり、金沢城や大阪城、聚楽第の城を作った匠に日蓮宗の寺を建てさせたりというのはかなり史実を踏まえているのだろうが、もっとのびのびとしたフィクションがあってもよかった。
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こういう女性がおられたんですね。「まつ」は知ってましたが、「ちよぼ」は存じ上げませんでした。大河ドラマではどういう風に描かれてたのでしょうか?女優さんはどなただったんでしょう?なんてこと考えながら読了です。
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連作短編6編
前田利家の側室ちよぼの姿を本人を含めて息子や孫や大工などの視点から浮かび上がらせていく.子供時代の生き生きとした生命力溢れる強さと周囲の人たちへの優しさを終生変わることなく持ち続け,多くの人たちから慕われた寿福院.自分のできること,約束したことを叶えようとする姿は美しかった.まつとの確執はあって当然だと思うしそんな意地をはるところが人間らしくてまた魅力的だ.
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加賀の前田利家の側室で三代利常の生母、正妻のまつと反目しあいながら豊臣、徳川の中で前田家を守ってきた ちょぼの人生さ
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前田利家には正室のまつ以外に千代保と存に二人の側室がいた.物語は幼名 幾世の時代から始まるが、それぞれが男の子を産んでおり、利家の後になることを目指して活動している.その中で千代保の息子が三代利常となった経緯も面白かった.まつの息子は二代目利長なので順当だが、存の息子 知好は異色の生涯を送る.利家の死後、千代保は寿福院として活躍するのも凄いと感じた.女の闘いが物語全体の背景だが、想像しただけで悩ましいものだろうと思う.淡々と進む中で多くの人との絡み合いが物事を動かす大きな要因になっているようだ.
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利家とまつのことは大河ドラマでもみたのでしっていましたが、ちよぼがドラマに出ていたことも覚えていませんでした。
この人のことがもっと知りたくなりました。
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文庫が発売されており、読んでみたいと思って図書館利用。読み始めてすぐに「読んでる、これ」となりましたが、全然覚えていなかったので、最後まで読破。
短編集のような構成で、ちよぼの晩年から幼少期、没後までをそれぞれの時代と周囲の人々を交えて描かれている。これはこれで悪く無いが、女の一生の物語と思って読むと拍子抜けする。短編集なので、読みやすいが、誰の話なのか?と思ってしまったことも数回。(ちよぼの話は1作目だけかと心配になった)
いわゆる一代記を想像していたので、若干不完全燃焼気味。もっと色々知りたかった。
利家とまつに、ちよぼは出ていたのかしら?
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ちよぼ
前田利家の正室・まつの侍女として前田家に入り、その後側室となり、三代藩主・利常を産む。
本名は「千代」
前田家に仕えるにあたり、千世姫と音が同じと言う事で「千代保」と改名。
能登の妙成寺を菩提寺に定め、本堂、五重塔、三十番神堂、祖師堂等を建立した。
戦国末期から、豊臣、徳川へと天下の舵取りが変わる時期に、我が腹を痛めた子のみならず、前田家の血を引く子や孫、一人一人に目を配り、羽の下で雛を温める母鳥の様に、常に気にかけて、
加賀前田家を見守る、月光菩薩のように慕われた。
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あるサイトで紹介されていたので図書館で借りて読了。
「女子とて闘わねばならなかった」
「前田家の礎は利家とまつ、そして、この側室『ちよぼ』によって築かれた」
と帯にありました。6つの短編でエピソードが書かれていて、関ヶ原の戦あたりの時代の事情などが角度を変えて描かれていたり、こんな女性がいたんだなあとか、そんな訳ありだったのか、とか面白く読み終えました。
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加賀の前田利家の側室にして、三代藩主となった利常の生母、寿福院ちよぼに関する6作の短編集。
前田利家と言えば、正室のまつがあまりにも有名であるが、このちよぼもまた、前田家のため、その生涯をかけて奮闘した女傑であった。
利家、まつに隠れてはいるが、まさに加賀百万石を照らす月のような存在であった。