紙の本
「この岩波ジュニア新書」とセットにすると大変重宝します
2021/04/26 16:49
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投稿者:広島の中日ファン - この投稿者のレビュー一覧を見る
来年度から高校の教育で本格化する「探究」の授業。当書は探究のイロハを説いた、探究のトリセツの1冊です。
探究の意義から説明し、その後は文献収集、プレゼンテーション、レポートの方法、そしてルールを基礎の基礎から著者が丁寧に説明しています。
今年3月に発売された岩波ジュニア新書『コミュニケーション力を高めるプレゼン・発表術』とセットに当書を本棚に置いておけば、大変重宝するでしょう。
文中、1頁全面を覆う挿絵が多く取り入れられており、読みやすくつくられています。さながら、ちくまプリマ―新書のベストセラー『友だち幻想』を彷彿させるつくりです。
大変役立つ1冊、『コミュニケーション力を~』とセットに読むとさらに相乗効果が期待できる1冊です。大人でも大変勉強になります。
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VUCAの時代を生きていく私たちは、生涯、知的に探究を続けていくことが大事になってきている。だからこそ、何をどのような価値や方向性に基づいて学び、それを何に活かそうとしていくかという「学びの履歴」が「学歴」として問われていく時代になるのだ。そんな中、学校教育で大事にすべきことは何なのか、どうしたら著者の考えを実践におとしこめるのかをぐるぐる考えながら読んだ。
少なくとも、「学校」という狭い世界に閉じないこと、そして、「対話」によって、集団(共同体)を作ることを通して、さまざまな他者とつながっていけるようにすること、その中で、どうよい関係を築いていけるか、その価値や意義を学べる場所としてあることが求められていることがわかる。
そのためにも「探究」は「探究の共同体」をつくり、グループでおこなうことの重要さが説かれていた。たしかに、社会生活は、ほとんどが共同作業。個人でのパフォーマンスだけでうまくいくこと、発展することは少ない。それよりも、自分の持ち味や役割を見つけること、自分にない他者の良さを活かせるようになることのほうが、より良いものに辿り着く可能性が増える。でも、そのためには、「学ぶ意欲と動機をずっと持ち続けられる」人を育てることが必要不可欠だ。そして、それがいちばん難しい。
問いや仮説を何度も立て直し、実証を繰り返すことが、探究型の学習のメリット、たしかにそのとおり。でも、それは、その失敗の連続でも、それがプラスになることを経験的に知っているから耐えられる?続けられる?ことだ。それをまだ知らない人たちにどうそのモチベーションを保たせ続けられるかは考えどころ。こう考えてしまうところが探究型の学習の意味をわかりきれないからなのかもしれないと思いつつ…。
探究と教科教育をどう結び付けられるか、現実の社会・世界と教科教育をどうつなげられるか。教科教育に探究の要素をどう有機的に取り入れられるか…まだまだわからない。けれど、まずは、「質問する力」をつけることがとっかかりになりそうな気がした。
そして、よい議論をするために必要な3つの思考の仕方の中で出てきた「ケアする思考」という視点がとても重要になってくるなぁと心に留めておきたい。「これから考えていこうとする対象やテーマや問いを大切に想い、それをめぐる考えや発送を育てていこうとする態度」「探究に対して責任を持ち、それを発展させていこうとする慈しむ態度」のこと。
ここ数年、手元に置いておきたい1冊となりそう。
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抜粋
自分の探究がだれのためのものか、何のためのものかをはっきりと意識して探究を始めます。
ケアする思考、これから考えていこうとする対象やテーマや問いを大切に思い、それをめぐる考えや発想をそだてていこうとする態度のことです。
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[読書]4 問う方法・考える方法 河野哲也(2021)
第一章 「探究」とは何か
第二章 探究的な学びとは何か
第三章 探究方の授業と哲学対話
第四章 文献収集と読み解き方
第五章 プレゼンテーションの仕方
第六章 レポートの書き方
今週末の読書会の課題図書。来年度から高校で始まる「総合的な探究の時間」を見据えて学習者のために探究について概要と方法が書かれています。大学生の時に読んでたらレポートの取り組み方が違っただろうなぁ笑
学習者である自分としては、「よい教育とはどんなものであるか」「今の子どもたちとどうか変わっていくべきか」探究していきたいなぁと思ったときに、どのようなプロセス、まとめ方をしたらいいかがわかりました。
小学校教員としては、高校や大学で探究的な学習をしていく上で土台となる「考えるのか楽しいということ」「考えを伝え合う素地」をどう学んでいけるかを考えるきっかけになりました。
ら
週末の読書会が楽しみでやんす
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高校教育では、総合的な学習の時間が総合的な探究の時間に変わる。探究的な学習を進めるに当たって、哲学対話のやり方、文献の探し方、プレゼンテーションの仕方、レポートの書き方を詳しく説明している。小学校の総合的な学習の時間にも役立つ。
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高校の総合的な探究の時間向けの教科書となる本であるが、大学生でも通用し、かえって大学1年生向けの教科書として優れているのかもしれない。
議論の仕方だけでなく、論文の書き方まで懇切丁寧に書かれているので、卒論執筆にも役立つのかもしれない。
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探索学習の教室を想定した本であると思うが、「探索的に学ぶとはどういうことか」、探索的かつ論理的思考のプロセスをとことん丁寧にかみ砕いて書かれており、実務家としても学ぶことが多かった。数多く出ている研究や論文の入門書より優れて分かりやすく、たとえば社会人でこれから大学院入学を検討している人にも「研究とは」の初歩を知るに十分な内容であると思う。
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「私たちは自分の人生の中で出会うさまざまな課題を、見つけ、調べて、解決することが求められる時代に生きている。日常の関心を一歩前に進め、「対話」を通じて学びを広げよう。生徒と教師に向けた「探究型の学習」のためのテキスト。」
目次
第1章 「探究」とは何か
第2章 探究的な学びとは何か
第3章 探究型の授業と哲学対話
第4章 文献収集と読み解き方
第5章 プレゼンテーションの仕方
第6章 レポートの書き方
著者等紹介
河野哲也[コウノテツヤ]
1963年生まれ。立教大学文学部教育学科教授。慶應義塾大学大学院文学研究科後期博士課程修了。博士(哲学)。専門は哲学、倫理学、教育哲学。NPO法人「こども哲学・おとな哲学アーダコーダ」副代表理事。総合的な学習/探究の時間や道徳科教育の指導も行っている