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羽化 悪食2 みんなのレビュー

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一般書

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みんなのレビュー12件

みんなの評価4.8

評価内訳

  • 星 5 (7件)
  • 星 4 (5件)
  • 星 3 (0件)
  • 星 2 (0件)
  • 星 1 (0件)
12 件中 1 件~ 12 件を表示

電子書籍

水琴の成長に伴い深みが増した続編

2021/06/05 11:33

2人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:M★ - この投稿者のレビュー一覧を見る

前作は、恋人との出会いと祖父との別れ。
今作は、水琴が、社会の関わりの中で、自分が持つ能力の意味と意義に気づく巻だった。

「夢魔」
聴覚を失ったゴヤのスランプ。
「我が子を食らうサトゥルヌス」を食堂に描いて蟄居していたが、正気を取り戻し、活動を再開したゴヤの逸話をなぞる展開。

画家・桜庭は、妻子を失った「絶望と死」を描いた作品で財を成した事に虚無を感じ、筆を折り隠遁した。
桜庭が何者かに殺害され、刑部が容疑者となる。
事件を担当した刑事と共に、桜庭の魂が訪れて「刑部を助けて」と水琴に語り掛ける。
水琴は、桜庭の魂の案内を聴きとり、刑部の冤罪が解かれ事件が解決。
生前の桜庭は、息子のように孤児の刑部を慈しんでいたが、誰にも愛されなかった孤児の刑部は、桜庭にとっての自分の意味に気づけなかった。
作家活動を止めたはずの桜庭の遺品に、刑部の素描が遺されていた。
・・・桜庭が刑部に渡したかった絵を水琴が渡す場面は、泣ける、感動した。
表題作のインパクトが強くて、後編がかすんでしまった。この1作だけでも、買う値打ちは有ると思う。

「足音」
水琴の偽物・父が弁護士の女子大生が出現する。
水琴は偽物に興味を示さないが、泉里達は激怒して策を講じる。
泉里の義兄が経営するホテルで、水琴は、祖母に似た女神が月を指さす夢を見る。
義兄の後について回る、子供の死者は足跡しか見せない。
水琴が、死んだ少年が最期に見た情景を泉里の義兄に見せる。
義兄は真相を知り、自死を止め、未解決の20年前の誘拐事件が解決する。

副題の「羽化」
水琴が、画家として活動をすることで誰かの役に立ちたいと、はっきり決意。
力が増す水琴をあの世から引き戻すには、泉里が必要。
水琴は、幼体から、成虫に羽化しようとしています。
★もし蝶のように、蛹で一旦体を溶かす過程を経るのなら、水琴は一度あの世に行って戻る必要があるのかもしれない。だから泉里の存在は鍵になるのかも。

次作は、「眺月佳人」と一対の「群雲」の絵を持つ雪輪家についての物語になるみたい、楽しみ。

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電子書籍

泣いた

2022/10/25 12:46

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:なつゆき - この投稿者のレビュー一覧を見る

巫女だった高祖母の血を引く水琴が画商でパトロンで恋人の泉里の庇護の下、死者の願いを叶え生者を救うだけのありがちなパターンに陥るのかと心配したが無用だった。今回水琴は事件を経て成長を見せ自分が画家としてどうしたいのかの問いに一つの決意をするのだった。
水琴をすべてから護ろうとする泉里ではあるが、謎の登場人物の正体は?水琴にどうかかわってくるのか、どんな思惑があるのかなど不安だがお話としては益々面白くなって来た。

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紙の本

まさに「羽化」の話

2022/02/17 05:47

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:やじやじ - この投稿者のレビュー一覧を見る

ネタバレあり

悪食の続編
作者さんの作品の中では自分の嗜好的には
かなりしっくりくる。
前作もそう思いましたが、今回はそれをさらに認識させられました。

天然不思議ちゃんの水琴が画家としての自分を確立していく強さと
奥槻さんの切なく重い男ぶりがしっくりきます。
(相変わらずの軍資金たっぷりの執着ぶりではありますが
水琴のバランスを考えるといつもの犬よりは大人しめで
このくらいが私の嗜好的には丁度良い加減なのです)

2作入ってましたが
まさに本書のタイトルとおり「羽化」する話
本当にぴったりのタイトルです。
そして、実は両方とも涙があふれました。

「夢魔」
ゴヤの逸話をなぞりながら、
創造する者の宿命「業」を水琴が向き合う話
妻子を失った「絶望と死」を描いた作品で名を成し
その業に絶望して筆を追った画家と
偶然助けてもらった刑部。
刑部の生育環境が悲惨です。
(「・・・それは親じゃない。人の姿をした獣だ」と泉里がいうとおりだし、
友人もまた酷すぎる)
出来たての「残り物」って言葉に涙があふれます。
桜庭と刑部の悲しくて痛くてそして優しい話の中で
水琴も自分が描くという意味を見つけていってます。

「足音」
偽物妖精画家が出現
その正体を暴くためにクリスマスのリゾートホテルにやってくる。
リゾートホテルの支配人の加佐見の周りに現れる子供の足跡
加佐見兄弟の誘拐事件と悲しい結末
捕まらなかった誘拐犯
そんな事件と偽物妖精画家事件が絡まりあって展開していく。
事件の真実がわかるシーンは圧巻
涙なしでは読めない・・・
どうして足跡だけしか見えなかったのかの理由も
ちなみに成敗されないといけない父親ばかりがでてくる話だった
(3人とも別の意味ではあるけれどだめだろう・・・
おまえ達のせいだろうって思った)
そしてその事件と共に
水琴がきちんと「画家になる」と決心するまでが描かれてました。

この悪食の話は
雪輪の話が残っているのでシリーズとして続くのですよね。
水琴の成長と進化にそしてそれを現実にとどめ置く者としての泉里の話を
また読みたいと思っています。
(2を読んで作者さんの話の中ではトップレベルに好きなシリーズになりました)

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電子書籍

「・・・それは親じゃない。人の姿をした獣だ」本文より。

2021/10/29 21:53

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:やまだち - この投稿者のレビュー一覧を見る

BLオカルトミステリー第二弾です。

ネタバレがあります。

●銀座にギャラリー『エレウシス』をオープンさせ恋人の世話を焼くことが喜びの28歳攻め・奥槻泉里
●奥槻に絵の才能を見出され地方から東京へ移り住み恋人の仕事の手伝いをしながら絵の勉強に励む18歳受け・胡桃沢水琴

攻めの家族が絡んだとある事件がきっかけで、攻めと恋人同士になった受け。上京後はパトロンでもある攻めのもとに身を寄せ、美術専門学校に通いながら腕を磨き、攻めのギャラリーを手伝いながら充実した日々を過ごしています。ところが、受けには高祖母から受け継いだ特異な能力「死者の姿、彼らの遺した思いを見ること」があったため、さまざまな事件に巻き込まれてしまい・・・

天然で純粋な画家の卵・水琴と、過保護な恋人兼パトロン・泉里のお話です。続きが読めて嬉しい!

前巻で精神的に強くなった水琴ですが、今巻ではさらに内面を掘り下げられていてその成長を読むことが出来ます。

前半の作品・雑誌に掲載された短編『悪夢』は、創造する者の宿命「業」を恐れ水琴がスランプになるお話。また後半の書き下ろし作品『足音』は偽「妖精画家」と未解決事件を絡め、なぜ画家になるのか?を水琴が問われるストーリーでした。それぞれの問いに、水琴はしなやかな強さを感じる答えを出しているのでぜひ読んでもらいたいです。

そして神話や絵画にまつわるエピソードも面白いのに、エッチにも手を抜かない『悪食』シリーズ(笑)。「お仕置き」と称してイチャつくのはもうお約束。かわいい恋人を持つと大変です。

あとがきに「まだ書きたいネタは色々あるので、引き続き応援して頂ければ嬉しいです」とあります。特異な能力で事件を解決に導き、死者と生者の橋渡し役となるなどの設定はオカルトミステリーの定番だと思うので、続きを期待したいです(絵の才能が開花しつつある一方で、特異な能力も強くなる水琴の今後や謎の新キャラ・雪輪の正体も気になる!)。

前作に引き続きイラストを担当されたのはみずかね先生です。今作もイラストが素敵なのはもちろん、表紙や口絵のカラーも美しい・・・ってことは、みずかね先生も「妖精画家」なのでは・・・?

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電子書籍

分厚い二本立て

2021/06/30 12:05

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:M - この投稿者のレビュー一覧を見る

読み応えタップリ。
二作とも泣いちゃった。
一話の夢魔は結末がやるせなくて辛い。
二話の足音は雪山のホテルの話。
これはクローズドサークルフラグ??って感じの始まりにワクワクハラハラ。
子供の足音が付いてまわる支配人に、成り済ましの画家、
それに怪しい新キャラ、レギュラー枠の怜一さんとてんこ盛りで楽しかったです。
新キャラで続編のフラグビンビンですが!期待していいですか!待ってます!

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紙の本

まさに水琴の「羽化」

2021/06/06 18:06

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:桜橘 - この投稿者のレビュー一覧を見る

悪喰2
前作より格段に水琴の恋人兼パトロンの泉里が過保護度増してた。
「夢魔」「足音」の2編収録。
どちらも中々のボリュームがあってそれぞれで一冊になってしまいそうだったけど、2作を通して水琴がぐんと「羽化」してく。
「夢魔」で悩んでしまったりしてたけど、水琴は今作の中でぐんと成長していってしなやかに強くなってってる感じだった。
水琴が死んでしまった人の想いをよみとって事件を解いて行くごとに能力が強くなってって、彼岸との距離が近づいてしまうのを此岸こちらに引き留めるのは泉里にしか出来ないことなんだろうな。
「足音」で怜一が言ってた泉里評価が分かる。
何だか不穏な新キャラが出てきたから、これで次作かな…。楽しみ。

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電子書籍

読み応えあり

2022/06/29 04:48

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:まかゆら - この投稿者のレビュー一覧を見る

中編レベルの話が二本入ってて、なかなか読みごたえがあります

今回も未琴ちゃんが可愛い
攻めの画商さんの溺愛度もアップしてて読んでいて面白かったです。

後半には偽妖精画家が登場
以下ネタバレ

めちゃくちゃ嫌な女です!

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電子書籍

泣けました

2021/09/23 15:31

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投稿者:おはな - この投稿者のレビュー一覧を見る

2話構成です。どちらも泣けるいい話です。
後半の「足音」、足音を立てているのは子供なのですが、この子供の兄を助けようとする健気さに泣けました。
兄弟の遭う悲劇から、つくづく浅はかな犯人に腹が立ちます。
犯人に起きることは完全に自業自得なので全く同情できません。
まだ謎があるので続きがあるはず。楽しみ!

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電子書籍

成長と重石

2021/09/11 19:48

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:apple2 - この投稿者のレビュー一覧を見る

分厚い!的なコメントが見受けられたので覚悟しつつよみましたが、そのせいか。
書かれている作家さんの力量故か。
あまりそうは感じさせられず読了しました。

中編が2作。
どちらも悲しく、ただ、救いはあるお話でした。

雪輪という少年は何者だったのか。
ストーリーは各々完結していますが、謎を残した終わり方でしたので、続編に続くようです。

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紙の本

まだまだ続くようです

2021/06/23 18:02

1人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:せつこ - この投稿者のレビュー一覧を見る

主人公の偽物が登場して、その裏を暴くというストーリー。前作の人物も出てきますよ。個人的な所感ですが、前作に引き続き、比較的キレイな宮緒さん作品だなー、と。もっと宮緒節前回のも読みたい…。

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2021/05/29 18:08

投稿元:ブクログ

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2021/07/05 17:28

投稿元:ブクログ

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