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近年の心理学等の研究結果を踏まえながら、同調圧力の発生機序や、同調圧力がもたらすメリットデメリットが簡潔にまとめまれている。
組織が閉鎖的、組織に属する人が同質的、組織内での個々の役割が不明確、この3点が同調圧力をもたらす要素とのこと。経験的にも確かになと感じた。
同調圧力は、なかなか明確に定義することは難しいが、本著のようにメカニズム等を明らかにしながら、同調圧力を崩していく試みは非常に重要だと思う。
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日本の社会の特殊性=閉鎖性、同質性、個人が未分化、から同町圧力が生まれる。
共同体意識=組織は超過的な貢献を要求できる=日本的共同体主義。共同体の論理が独り歩きする。
副業は無限定な忠誠を求められなくなるので禁止が多い。
管理の対象が、成果から行動へ、態度へ、思想へ、と変わる=ブラック校則など。
昭和の時代は共助が不可欠だったため、日ごろの付き合いを深めることにメリットがあった。乏しい資源を分かち合う仕組み。
イノベーションとは相いれない。
日本企業は、同質な人材を採用したがる。空気が読める人間。突出した人間はむしろ邪魔。
共同体による承認を受けたいという承認欲求がイジメ、体罰、ハラスメント、不祥事の温床になる。共同体がアクセルになる。
テレワークの影響。
報酬は貢献の大家ではなく、負担の見返り。
日本には異論を受け入れる余地が少ない。アメリカのトランプ大統領には熱烈な支持者がいた。
正義感からくるイジメ、村八分。独善や行き過ぎに気づきにくい。
ヨコの圧力に無防備=草の根的な大衆型同調圧力には、法で守る方法がない。受けることには敏感だが、無自覚に他人にかけている。エコーチェンバー現象。
同質性を崩すために、異端者を入れること。
人は人、を徹底する。海部町の自殺率の低さ。
同調より、協力する組織づくり。PTAや町内会など。
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めちゃめちゃ目新しいということではないですが、コロナ禍にあって明確にまとめられたものを読んだ意義はあったと思います。
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日本の官僚、大企業で問題になることを羅列し、解決法を示している。
結論、変われずマイノリティになったことがないので、多様性を受け入れられないのが最大の原因。
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コロナ禍で明らかになった新たな同調圧力の正体を「タテ(秩序)からヨコ(正義)」に変わったという視点で、日本でこれまで問題となっていた同調圧力とは何なのか、日本社会の歴史的背景やコロナ禍で露呈した日本の課題を明らかにしています。
著者指摘のとおり、現状のこの変化は十分理解できるところであり、その特徴も注意しなければならないところでしょう。最後に、同調圧力に対処するための戦略を提案しています。難しい面も多いのですが、参考にしたいと思います。
▼同調圧力の背景にある3つの要因
①閉鎖性
②同質性
③未分化
・閉鎖的、同質的な組織や集団は共同体になりやすく、さらに個人が未分化だと同調圧力に無防備である。この三要因は日本社会、日本の組織・集団の特徴をあらわすキーワードともいえる。それゆえ日本の社会や組織や集団の中で、人びとが同調圧力を強く感じるのは当然だろう。
・共同体の圧力による自発的な協力要請と、公式組織の力による強制という二段構えの手段を備えた日本式の共同体組織は、最初から強制に頼る欧米式の組織に比べて一見すると弱腰なようだが、実はより強力だということができる。だからこそ組織は、なんとしてもその体制を守ろうとするのである。
▼冷静な意識に基づく合理的な計算、あるいはほかの目的や価値との比較考量を超える社会的な力を産み出すものーそれはイデオロギーである。イデオロギーでゃ命令や権力に対する服従というタテの力だけでなく、民衆のある意味で自発的な行動というヨコの力も生む。
▼感情的にも、理念としても共同体を望ましいものとしてとらえ、共同体を積極的に維持・強化しようとする価値観。それを「共同体主義」と呼ぶことができる。ただ、そこに日本社会の特性が色濃く反映されていることを考えたら、正確には「和製共同体主義」ないしは「日本的共同体主義」と呼ぶべきかもしれない。
▼本書では既存の政治思想や社会科学の概念にこだわらず、共同体主義を「感情的にも、理念としても共同体を望ましいものとしてとらえ、共同体を積極的に維持・強化しようとする価値観」と定義する。
▼共同体主義は、その性格からして自由主義や個人主義とは相容れ難いが、民主主義には溶け込みやすい。とりわけ参加型民主主義とは、理念的にも一致する部分がある。したがって日本では政治的に右からも、左からも支持される場合がある。
▼日本の職場では効率性の論理と共同体の論理が渾然一体となっており、それが問題を複雑にする。
▼タテ方向の同調圧力を「家父長型同調圧力」と呼ぶなら、ヨコ方向のそれは「大衆型同調圧力」と呼ぶのがふさわしいだろう。注意したいのはヨコ方向の同調圧力においても、攻撃する者、される者、傍観者という三者の関係が前述したイジメやハラスメントの場合と驚くほど似ていることである。違うのは圧力の方向がタテかヨコか、そして背後に社会的な「正義」があるかどうかだけだといってよい。とりわけ日本社会で問題なのは、そこに異論を受け入れる懐の深さがないことだ。
▼少数意見や異論を受け入れるようになることが、成熟した社会へ移行するための課題だろう。い���社会のフラット化が進む、私たちはタテの圧力から解放されようとしている。本来なら個人が主役になるチャンスである。にもかかわらず自縄自縛ともいえる状況に陥っている現実がそこにあるのだ。
▼私たちは過剰な同調圧力を苦々しく思いながら、いっぽうで他人に圧力をかけていることに無自覚な場合が多い。
▼コロナ禍で露呈された共同体組織のもう1つの弱点、それは、危機において意思決定システムが機能しなくなることだ。
▼新たな同調圧力の特徴
①圧力をかける者が匿名集団であり、姿が見えないこと。それだけに対処が難しい。
②多くの場合、被害者が同時に加害者にもなりうること。
③日常生活の隅々まで、ときには身近な対人関係の中にまで入り込むこと。
④圧倒的な伝播力・拡散力を持っていること
▼同調圧力と立ち向かう3つの戦略:構造改革戦略、適応戦略、共存戦略
<目次>
序論 「事件」は共同体の中で起きる
第1章 なぜ日本社会はこれほど窮屈なのか
1 職場も学校も共同体に変質
2 同調圧力の背景にある三つの要因
3 加圧装置としての共同体型組織
第2章 圧力をエスカレートさせるもの
1 同調圧力の正体
2 自粛、謹慎ムードを強化するもの
3 ウチの常識はソトの非常識
4 それでも幸せだった昭和時代
第3章 パンドラの箱が開いた平成時代
1 イノベーションの足を引っぱる工業社会の残像
2 グローバル化、規制緩和の「意外な結果」
3 起きるべくして起きた「平成の不祥事」
第4章 コロナで露呈した日本の弱点
1 テレワークと日本型組織は水と油
2 自粛警察、SNS炎上にみる「大衆型同調圧力」
3 コロナ対策が後手に回る必然
第5章 同調圧力にどう立ち向かうか
1 同調圧力に対処する三つの戦略
2 構造改革戦略
3 適応戦略
4 共存戦略
あとがき
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同じ背景を持った日本人ばかりの組織の中で暮らしているから同調圧力が強くなる。
一つの共同体に依存せずに、いくつも居場所を見つけることが大切で、今のインターネットを使用して世界中の人と繋がれることを活用したい。
日本だけではなく、世界にコミュニティを作ること。
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このコロナ禍であらためて注目される同調圧力の本ということで、手に取った。
昭和〜平成〜と流れる中、時代や環境が変わるとともに同調圧力が足枷になってきたということ、縦でなく横からの同調圧力が増えて来たという流れを、この本を読むと実感する。
同調圧力が無くならない理由は共同体主義にある、ということは、この先を生きる上でも意識しておかないといけないと感じた。
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【1冊フォトリーディング】【マインドマップ】
同調圧力の正体/太田肇
目的としては、タイトル通りの、同調圧力の正体が知りたくて読み始めました。
同調圧力の背景は何か? その対処はどうすればいいか? の質問に、
著者は、わかりやすく語りかけてくれました。
学者さんならではの論調で、腹落ちできました。
堀江さん著書とエピソードの類似性はありますが、その解釈の仕方が、よりロジカルでした。
実体験として、今勤めている会社で10年以上前に、急にグローバル化した時、
この3つの対策を実践しました。
当時、私や同僚は、純日本共同体から脱却、グルーバル化方針に、多いに反発した事を思い出しました。
同調圧力マインドマップ
https://note.com/prometheus1966/n/n363a990493c3
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『#同調圧力の正体』
ほぼ日書評 Day574
昨年の6月刊にもかかわらず、20世紀の本かと思わせるような、「出羽守(でわのかみ)」、「尾張守(おわりのかみ)」なステレオタイプに終始する内容。
著者は、「承認欲求モノ」で一定の評価を受けているとのことだが、1954年生まれ、昨日紹介本に続き、ここでも老害かという印象。
わかりやすいステレオタイプな箇所を二つほど抜いておこう。
"中小企業になると会社への忠誠と献身を求めるいっぽうで、社員をしばしば自宅に呼んで食事を振る舞うなど、まるで家族のように扱う経営者も少なくなかった。"
"働く場についていえば、日本では欧米のような企業横断的に結成された労働組合や職業団体が存在せず、外部労働市場は発達していない。いっぽうで日本企業に定着してい るのが、いわゆる「三種の神器」すなわち終身雇用制、年功序列制、企業別労働組合で あり、社員はいったん就職したら、定年もしくは定年近くまで同じ会社で働き続けるこ とが暗黙の前提になっている。なお終身雇用にしても年功序列にしても、崩壊し たという見方もあるが、 平均勤続年数や年齢別平均賃金などの数値にもあらわれている ように、制度の骨格そのものは残存している。"
さらに「コロナ自粛」や「マスク警察」と話は続く。
もちろん、そうした傾向のあることを全面否定するものではないが、2021年になって、このレベルの著述はあまりにお粗末。
また、日本の中小企業では、社員を自宅に呼んで云々とあるが、たとえば懐かしのアメリカドラマ『奥様は魔女』では、そうした交流は皆無だったか?と問いかけてみたい。
また、最終章で、そうした同調圧力に立ち向かうための「戦略」が語られるのだが、主張の代表例が「クオーター制」や「アファーマティブ・アクション」。いや、それは戦力でなくて「How」だろう!、と自宅で思わず声を出して突っ込んでしまった。
https://amzn.to/3fUdtKr
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題名の通り同調圧力について書いてある本。
職場で同調圧力について感じる事が度々あったので読んでみました。同調圧力について、疑問に感じながらもついつい屈してしまう事がありました。
同調圧力について気付いたこと
・利点もある→民衆自らが規律を守りやすくなる。
・同調圧力が生まれた原因は色々ある→終身雇用制度、学校、近所、狭い人間関係等
・昭和の時代までは同調圧力が良かった→平成からIT化、女性の社会進出、終身雇用制度の崩壊等で同調圧力はそぐわなくなってきたにも関わらず、相変わらず残り続けている
・様々な対策が取られてはいるが、結局別の問題が発生したりで、同調圧力をなくすことは難しい
同調圧力は様々な要因が関わって発生し、ハード面(制度や政策)では対処しきれない問題である。
自分的に同調圧力に屈しない方法としては
自分の中にぶれない軸を持つ、常に思考し続ける2つが重要であると感じた。
さらに、同調圧力からの一種の逃げ道としては
・準拠集団を共同体の外に置く→例えば職場で同調圧力を感じているのだとしたら、家庭や友人関係に重きをおいて、例え職場で同調圧力を感じても家庭があるから問題ないといった考えを持つ。子供が学校でいじめられたとしても、この考えを教えれば解決できるのかもしれない。そのためには子供への無償の愛が必要であると感じた。
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「何もしない方が~」と同様、事象の説明には納得感があるものの、解決に向けた対応策の章はイマ一つ。フラット化によってタテの圧力が弱くない、ヨコの圧力が高まりつつある社会風潮はまさにそのとおりだと感じました。
もはや、社会が一回ダメにならないと再生できないのではなかろうか。。。と思わせます。
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【まこ記入:2023.4.5】
同調圧力の正体/太田肇
目的としては、タイトル通りの、同調圧力の正体が知りたくて読み始めました。
同調圧力の背景は何か? その対処はどうすればいいか? の質問に、
著者は、わかりやすく語りかけてくれました。
学者さんならではの論調で、腹落ちできました。
堀江さん著書とエピソードの類似性はありますが、その解釈の仕方が、よりロジカルでした。
実体験として、今勤めている会社で10年以上前に、急にグローバル化した時、
この3つの対策を実践しました。
当時、私や同僚は、純日本共同体から脱却、グルーバル化方針に、多いに反発した事を思い出しました。
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