投稿元:
レビューを見る
各企業の現状、考察部分は楽しく読めたが、途中ワークショップの辺りで中だるみ。
ただ全体的にはいいインプットになった。
投稿元:
レビューを見る
『#世界最先端8社の大戦略』
ほぼ日書評 Day446
買いである。Digital, Green, Equity等という単語が表題に並ぶので、少しばかりお手並み拝見モードで読み始めたが、見事に期待を裏切られた(もちろん良い意味で)。
第1章。デジタルネイティブ企業ではない、一時期は最早時代遅れとまで言われたウォルマートが進めたDX。小売のための店舗を持つことの強みを最大限に伸ばし、かつデジタルの力で顧客中心(カスタマーセントリック)を強める。バリューチェーンの各フェーズごとにデジタルサービスが対応する。そこまで作り上げたものが、コロナ禍による非対面志向を背景に持てるポテンシャルを一気に花開かせた。
というように、先端企業8社のハイレベル戦略を、奇を衒うことなく端的に説明がなされる。
特に「現状の課題」からスタートし、「理想の世界観」に行き着くために、検討対象となるビジネスモデルを、マーケティングミックスの王道4Pから、顧客目線に立った4Cに投映し直すアプローチがわかりやすい。
・Product→Customer Value
・Price→Customer Cost
・Place→Convenience
・Promotion→Communication
https://amzn.to/3zwaiwV
投稿元:
レビューを見る
非常に勉強になった。
Digital × Green × Equity、人×地球環境中心主義で考えるべき理由が、すとんと腹落ちしたように感じる。
投稿元:
レビューを見る
思ったよりささらなかった。日常で使わないカタカナの割合が多かったり、最先端すぎるせいか、期待ほどではなかった。
各社の各論をインプットするにはいい。ただ表面的なので、やはりもう少し詳しいか、基礎から説明してくれる本の方がいい。
投稿元:
レビューを見る
私は「2025年のデジタル資本主義』(NHK出版)において、プライバシー重視の流れの中、これまでオンラインでのターゲティング広告に不可欠だった「サードパーティクッキー」が利活用できなくなりつつあること、アップルやグーグルも「脱クッキー」へと舵を切ったこと、これから各社は、広告事業者に頼らず、企業自らメディア化して顧客と直接的な関係を結び、顧客プライバシーを保護しつつ継続的で良好な関係性を築いていく必要があることなどを論じました。ウォルマート・コネクトは、その先端事例だと言えます。
■ウォルマートのDX戦略成功の秘訣
1 アマゾンを徹底的にベンチマークしてきたこと
2 デジタルネイティブ企業流のカスタマーセントリックにシフトさせてきたこと
3 企業文化の刷新にまで手をつけたこと
4 EC事業を買収し、そのトップにDXを任せ自らも直接学んだこと
5 DXとしてやるべきことを着実に実行してきたこと
6 デジタルで顧客とつながったこと
7 ウォルマートらしさや強みを活かし、さらにDXでそれを伸ばしてきたこと
確かに、アップルはマップやAIアシスタントSiriなど個人の特定につながる個人データはデバイス上で保存します。つまり、それらデータがアップルのサーバーやクラウドに保存されることはなく、またアップルIDに紐付く氏名や住所など個人情報と紐付いていないため個人が特定されることもありません。しかし、アップルIDに紐付いた氏名や電話番号などはサーバーに保存され、個人の設定として写真やヘルスケア情報をアップルIDと紐付けてクラウドにバックアップすることも可能です。「この広告は事実に反している」と疑われるのは、その点です。残念ながら、アップルのCPOからは、誰もが納得するような回答はありませんでした。
■V2MOMによる徹底的な目標管理
V2MOMとは、セールスフォースが目標管理において重要視する「5つの問い」の頭文字を意味しています。
Vision (ビジョン) 達成したいことは何か?
Values (価値) 達成するうえで大切な信念は何か?
Methods (方法) 達成するためにどうするか?
Obstacles (障害) 達成の妨げになるものは何か?
Measures (基準) 成果をどう測定するか?
ナデラCEOはマイクロソフトの原因の1つが「固定マインドセット」にあると考えていました。固定マインドセットとは、ごく簡単にいえば「そんなこと、もう知ってるよ」という態度のことです。これは学びを怠り現状維持をよしとする変化を恐れる度でもあります。
前CEOスティーブ・バルマーの時代のマイクロソフトは、部門間にバトルが生じていたといわれます。部門とのコミュニケーションをはばむ壁ができており、部門間のコラボレーションも生まれず、他部門や他者からの学びがありませんでした。
「バックエンド×フロントエンド・企業文化」の三位一体改革
(1)クラウド・ネイティブになる
(2)APIによってエコシステムのパフォーマンスを上げる
オープンAPIとは、DBSがカスタマーエクスペリエンス志向、顧客中心主義のサービスを提供するために構築するエコシステムのカギとなるものです。会計ソフト「Xero」やERPソフト「Tally」との連携など、1000以上を通じて外部の事業者とのエコシステムが構築されています。
(3)データドリブン、カスタマーサイエンス、実験に基づく顧客中心主義をする
(4)人とスキルに投資する
■ガンダルフ
G:グーグルのオープンソースソフトウェア志向
A:アマゾンのAWS上でのクラウド運用
N:ネットフリックスのデータを利用したパーソナル・レコメンデーション
D:DDBSが「ガンダルフ」の“D”になる!
A:アップルのデザイン思考
L:リンクトインの「学ぶコミュニティーであり続ける」こと
F:フェイスブックの「世界中の人々への広がりを持つ」こと
金融にかかわるオープンAPIの例としては、外部である第三者・事業者が内部たる銀行の口座情報などを照会する「照会型API」と、第三者・事業者が銀行の顧客に対してサービスを直接提供する「実行型API」があります。DBS銀行でいえば、先に挙げた会計ソフト「Xero」やERPソフト「Tally」、またモバイル決済システム「PayLah!」などが実行型APIにあたります。
この実行型APIこそ、DBS銀行が第三者事業者とのエコシステムを構築し、「目に見えない銀行」としてカスタマージャーニーに入り込むカギです。
銀行がAPIをオープンにすることで、第三者・事業者は銀行の顧客口座データを利活用し、銀行では提供できない多様なサービスを銀行の顧客に対し直接提供できるようになります。第三者・事業者はビジネスチャンスの拡大、銀行の顧客は利便性の高い金融サービスというメリットを享受するわけですが、むろんDBS銀行にとってもメリットがあります。第三者・事業者と連携して、サービスの高度化、カスタマーエクスペリエンスの高度化が図れるほか、銀行だけでは取得できない顧客に関する行動データや位置データなども入手でき、より顧客のニーズに合った銀行サービスを提供する手がかりが得られるからです。
DBS銀行は、2015年のアニュアルレポートの表紙に「銀行を意識することなく、生活を楽しもう」というコピーを掲げました。まさにそれが実行型APIにより実現されたのです。
このうち、特に注目すべきは、製造業における予知保全や品質管理に機械学習を活用する5つのサービスを発表したことです。
すなわち、外付けのIoTセンサーからデータを吸い上げ、AIによって産業機械の異常を検出するという一連の予知保全システムを提供する「Amazon Monitron」、すでにセンサーを設備している顧客向けに予知保全システムを実現する「Amazon Lookout for Equipment」、一般的なネットワークカメラを監視デバイスに変える「AWS Panorama Appliance」と「AWS Panorama Device SDK」、そして画像から欠陥品を検出する「Amazon Lookout for Vision」です。
これら5つのサービスを紹介したアンディ・ジェシー氏は「製造業などの産業分野の企業は、機械学習の活用で顧客体験や工場に変革をもたらせることは分かっているが、そのための技術や人材が不足している。この課題を解決するために開発したのがこれらのソリューションだ」(「MONOist」2020年12月3日)と語りました。
意思決定には後戻りできるものと、後戻りできないものがあります。ベゾスは、後戻りできるものに関しては失敗する可能性も織り込み���つどんどん決定し、反対に、後戻りできないものは深く議論するという方針を取ります。ベゾスにしてみれば、これは「小さな意思決定はメンバーに任せて、大事な意思決定には自分もコミットする」という態度の表明でもありました。つまり、重要な問題以外の決定権はどんどん委譲していくということです。
もっとも、「顧客中心主義をとらない」選択肢が民間企業にあるとは思えません。顧客中心主義をとらない企業は、顧客から支持を集められず、市場競争の中で早晩淘汰される運命にあるからです。
しかしながら、アマゾンのジェフ・ベゾスが指摘するように、人間の欲望はエンドレスで先鋭化していくものであり、そのため人間の欲望を満たそうとする顧客中心主義には果てがありません。多くの犠牲を払いながら、それでも顧客中心主義の追求がやめられない。その弊害が、現在の気候変動問題であり、格差拡大といった社会問題と考えるならば、顧客中心主義こそが、顧客をはじめ、従業員、地域社会など、ステイクホルダーすべての利益を損ねている、とも言えます。
こうした反省から議論されるようになったのが、「人間中心主義」なのかもしれません。人間中心主義とは、顧客のみならず、従業員、取引先、地域社会といったすべてのステイクホルダーを大切にする考え方のことです。
8回のワークショップでは、受講企業がそれぞれの顧客とデジタルでつながること(コネクト)、それをデジタルと人で深めていくこと(エンゲージ)、さらにはデジタルを活かして顧客に提供す経験価値を高め、その結果としてパフォーマンスを向上させていくこと(グロース)を包含するような戦略を構築していきます。
投稿元:
レビューを見る
世界最先端8社(Microsoft、Salesforce、テスラ、DBS、Apple、ペロトン、ウォルマート、Amazon)の戦略を基に、各企業がどのような戦略を取るべきか示唆に富む本であった。
個人的には、なぜDBSというシンガポールの銀行が、デジタルとして成功したのか、その解の一つを知ることができたのが大きかった。他の金融機関の動向や戦略を探るのではなく、マクロな視点で競合となりうるグーグルやAppleであればどういう戦略をとるのか、という観点で考え、デジタルバンクの一つの地位を築いたところに、今後のヒントを得ることができた。
投稿元:
レビューを見る
2023年5月13日読了。著者が「世界最先端」として注目する8社の戦略・強みの「4P→4C」観点の分析と、「デジタル・グリーン・エクイティ」のキーワードを解説した本。ウォルマート、テスラ、アップル、セールスフォース、マイクロソフト、ペロトン、DBS銀行(唯一の英企業)、アマゾンの8社が取り上げられており、デジタル企業も「GAFAだからすごい」という観点ではなく今後の世界で彼らがどうなろうとしていて、今の利益・業態にとらわれず今後の進化に向けた準備・戦略をどう構築しているのか、という点が非常に刺激的。なかでもテスラの話は、今だから「すげー」と言えるが数年前は「調子に乗った狂人の戯言」にしか見えなかったわけで…。専門家であっても見誤る未来を見通すためには、知識を集めるだけではだめでこちらも狂人になる必要があるのかもしれない。日本企業が箸にも棒にもかからないのはさびしい…。