トロイア戦争:歴史・文学・考古学 みんなのレビュー
- エリック・H・クライン(著), 西村賀子(訳)
- 税込価格:2,475円(22pt)
- 出版社:白水社
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紙の本
トロイア戦争についての最新の研究
2022/05/10 20:44
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投稿者:見張りを見張るのが私の仕事 - この投稿者のレビュー一覧を見る
ホメロスが伝える伝説的なトロイア戦争について、その存在については確たる証拠があるわけではなく、そもそもトロイア戦争は神話文学上の虚構であり、現実に起きた出来事ではなかったのだとする説もあるのだという。本書では、戦争は現実にあった出来事なのか、あったとすればどのような実態であったのかという疑問について、現在の研究でどの程度まで妥当なことが言えるのか、について述べられている。
ホメロスのテクストは青銅器時代と鉄器時代の混淆が見られるという指摘や、ヒッタイト文書の調査によって、北西アナトリアで数回にわたる戦争状態が存在したという指摘が興味深い。もっとも、文書史料と発掘資料を突き合わせて、これがかのトロイア戦争である、と断定するところまではいっていないようである。
未だ論争が続いている領域なのであり、ヒッタイト文書も全てが翻訳しつくされているわけではないので、言い換えれば新しく史料が見つかる可能性もあって、これからの研究の進展が期待できる分野でもあると言うことであろう。
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