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子供のころはベルサイユのばらを少女漫画としか見てなかったけど、最近歴史の視点で読み返してみた。そのタイミングでたまたま見かけたこちらの本。
ベルばら作者である著者の、フランス革命時代における女性達への並々ならぬ思いが伝わってくる。
ベルサイユのばらにおいて、王族から平民まで、すべてをつなぐ役割を果たしていたオスカル。
オスカルを含む一部の登場人物を除き、あの伝説的な漫画が驚くほど歴史に即して描かれていたことが本書を読むとよくわかる。
同時に、当時の現実が生々しく描かれた本書において、女性の地位がどんなものであったのか(人権宣言に女性の権利が含まれていないことなど)も知ることができ、当時のフランスにおける男装の麗人しかも衛兵隊長を主人公とした物語がけっこうなファンタジーだったんだという事を発見。
歴史に疎い少女向け漫画とはいえ、恋愛も織り交ぜて両立させた池田先生はすごい。
王妃マリー・アントワネットから革命家の妻、ナポレオンの婚約者まで1人1人に焦点を当て、ドラマの脚本のような構成で読みやすかった。フランス革命を中心としたオムニバス形式の小説みたいなかんじ。一つの物語の主人公が別の物語に脇役で出てたり色んな視点でフランス革命を見られて面白かった。ちなみに1番最初に出てくる人物が女性ではなく女装した男性、しかも国際スパイというのがなかなにキャッチーだった。
ゆったりしたですます調の語り口で引き込まれる。
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ベルばら好きが高じて世界史好きになりました。
この本に紹介されている11人は、有名な人もそうでない人もいますが、どの人もフランス革命の時代を生きた人という共通点があり、楽しく読めました。
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『ベルサイユのばら』には本当にお世話になりました。この本のおかげで、あのややこしいフランス革命時の歴史がスルスルと頭に入ってきました。
今回紹介する本もちょうどこのベルサイユ時代のお話。皆様、興味深い方々ばかりです。
女性の地位が低かったこの時代に活躍された方々ばかり。頭が下がりますね。
池田理代子先生も後書きで仰っていましたが、近い将来、現代を振り返って、こんなに女性の地位が低かったんだ、と懐かしむ日々が早くくるといいですね。
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書店で装丁買いした一冊。中身も興味深かったが、一番は巻末で作者が、日本は経済や政治で女性の占める割合は低くお粗末で、未だ女性蔑視発言など…これが今の日本の現状で、この本の時代の女性たちとそれほど違和感も隔絶感もなく、むしろデジャヴ感を抱く人も多いのではないか。と述べている。この言葉が一番刺さりました。
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小学校の時に『ベルサイユのばら』を愛読してましたが、この本の存在を教えてもらったのは昨年のこと。35年前に出された本の新版です。
ずっとAmazonでお気に入りにしてて、この前ようやくポイント50%還元キャンペーンの対象になってたので購入♫
フランス革命の前後に、歴史上有名になった女性たちの生涯を辿る、という内容。
その当時のフランスはどんな国であったか、どうして革命が起きたのか、と学ばせてくれます。
自由が叫ばれるようになっても女性の人権は全く認められていなかったことに、著者の池田理代子さんは怒りを込めて書いてます。
日本も今は表面上は男女平等は当たり前っていう前提ではあるけど、根深く不平等はあるよね。
そんな差別がある中、フランスの女性たちはサロンで文化の発展に貢献していたんですね。
そういえばベルばらの作品中にもサロンは出てきてましたね。
この本では11人の女性(1人男性)の生涯を掘り下げてます。中にベルばらに登場してた人物が何人かいますし、出てくる場面など思い出しながら楽しめました♪ 著者が同じですから漫画のイメージとの齟齬がない。
マリーアントワネットの章は、ベルばらの漫画のまんま脳内で再生されてました。
デュバリー夫人って、ベルばらでは敵対するのでいやらしく描かれていたけど、とても優しく社交的で才女だったのだな、とか
ルブラン夫人の画家としての生き方とか
マリー・テレーズのその後、とか
気になる内容ばかりで、楽しい読書でした。