紙の本
探偵風味小説
2024/03/16 19:25
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投稿者:ぽんぽん - この投稿者のレビュー一覧を見る
戦前モボやモガが闊歩する頃。新興成金が殺害され犯行の疑いを持たれた子息・心太郎が伯爵家の次男坊・黛望の営む探偵事務所に駆け込んだことをきっかけに助手を務めるようになる。一応はミステリーなのだろうが、それを期待するとガッカリ感が強い。事件にしても解決に至ったか否か判然とせずスッキリ感に欠ける。日本の近代化により江戸から続く旧来の社会・文化が現代都市文化に変化していく過渡期の世相の中、華族や成金といった徒花的な登場人物を楽しむ作品なのだろう。ただ心太郎は意外と真面目で事業に注力すれば成功したのでは?
紙の本
容疑者青年と青年華族
2021/12/01 19:36
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投稿者:咲耶子 - この投稿者のレビュー一覧を見る
父親の殺害容疑を掛けられた息子と、彼が真相究明を依頼した青年華族探偵。
舞い込む仕事をこなしながら世間で噂になっている連続殺人犯に近づいていきます。
伯爵といっても伯爵家の次男で跡継ぎでもないから伯爵じゃないし、成金と言っても成金の息子で父親が死んでからは事業を処分したから無一文で探偵の家に転がり込みます。
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いつもの堀川さんという感じではなかったですね。
で、ミステリではあるのですが、どこかすっきりしないところが……。
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第一話 むざんの事なり 第二話 死神令嬢
第三話 文通週間ガール 第四話 ゲシュペンシュテル
エピローグ
伯爵家の次男坊が探偵で、成金のどら息子がその助手?
そこに依頼人が来るのが不思議、なんとなく解決??したことになるのも不思議。
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昭和6年の東京で、ある殺人事件が発生した。被害者は経営者の牧野求助。ピストルで撃たれていて、さらに顔には赤ペンキが塗られていた。逃げていくのを目撃した人がいたことから、警察は息子の心太郎を逮捕したが、本人は否認している。無実であることを証明するため、心太郎は、ある探偵研究所に行きつき、依頼をする。かくして、二人の捜査が始まる。
色々モヤモヤ感の残る作品でした。堀川さんというと、幻想シリーズといったミステリアスながらも、そんなに重めではない印象でしたが、今回は殺人事件といった割とダークな部分を取り扱っていて、ちょっと意外でした。
ただ、表紙から想像するに、二人のバディ感を描いているかと思いきや、単独行動が多かった印象でした。助手が調査したはずが、いつの間にか最後、探偵が披露していて(密かに調査していたみたい)、全部持ってかれている感がすごくありました。
ミステリーとしては、ミステリーとしての醍醐味があまり感じられませんでした。その時の状況ばかり綴られていて、あまり人間ドラマは書いてはいますが、さらりと流れている感じがしました。
そのせいか、じっくりと深掘りすることなく、もう事件終わりといった流れが4回続くので、モヤモヤ感が続くばかりでした。
ミステリーというよりは、探偵と助手の冒険活劇といいましょうか、探偵奮闘記かなと思いました。
登場人物もモヤモヤが残りました。そもそも二人の年齢が不明で、表紙を見た限りでは20代でしょうか?
探偵は文章の雰囲気から、優雅で、いかにもお金持ちの雰囲気を醸し出しています。
ただ、助手の方はキャラクター性がブレブレな印象がありました。ある時は「僕」キャラ、ある時は「俺」キャラといった具合に場面場面で異なるキャラクターを演じている感覚がありました。ある意味、優柔不断な性格かもしれませんが、結局どんな性格なのか気になるところでした。
もう少し二人のバディぶりがあってもよかったではとも思いました。
二人が一緒に捜査することで、お互いのキャラクターがわかっていくかなと思いましたので、続編があるならば、そこを重視していただきたいなと思いました。
ストーリーでは、一応、一連の事件が明らかになり、その背景に黒幕が存在するのですが、結局スッキリしないまま終了するので、モヤモヤありまくりでした。
さらに最後の会話が、またスタート地点に戻ったような感覚に陥り、えー?と疑問を呈したまま、終了したので、今までのは何だったの?とか思ってしまいました。
これがシリーズならば、続編はじっくりと一つの事件を扱って、それを登場人物の過去といった要素を使いながら、話を広げていただきたいなと思いました。
単独作品ならば、色々モヤモヤ感が残って、あまり楽しめなかったなと思いました。
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バディ物とあったので図書館で借りてみました。
買わなくて良かった。
バディ物としておきながら、全然バディじゃない。
二人の息がピッタリ‼️なんて場面なし。
個々のキャラもあんまり立ってなくて
黛もクセがあるキャラならもっと
毒吐きのキャラとかにすれば良かったのに
そうでもない。
続きものみたいですが、次は読まないと思います。
ミステリー部分の話は面白かったです。
本当もったいない作品だと思います。
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銀座の名だたる劇場に東京市内にカフェーを十一軒経営する牧野求助が書斎で射殺体で発見される。
顔は赤ペンキで無造作に塗られて。
三男の放蕩息子、心太郎は葬儀の為、渋々牧野家に戻ってくるが、匿名の通報により、警察に連行される。
心太郎は兄のお陰でなんとか釈放されたあと、留置所で聞いた、麻布のマユズミ探偵研究所を訪ね、冤罪を晴すよう依頼するが。矢先に起こる第二の事件。
背の高い栗毛色の髪をふわりと伸ばした優男、黛望。住む場所を失い、探偵助手となった心太郎。
彼らの元へ次々と舞い込む不思議な依頼たち。
やがてそれは巷を騒がす「黒影法師」の秘密とつながって。
昭和初期の東京。
ルックスだけは良い心太郎はどこかお坊ちゃんの気質が抜けず、人が良くて危うい。
謎めいた蛇の女神像、男に貢ぐ令嬢、鎌倉の文通ガール、好青年の裏の顔。
黛は颯爽と謎に取り組むが、彼に振り回される心太郎に家政婦のミネが気の毒になってくる。
探偵も助手も個々に事件を進展させるところは少年探偵団っぽい。助け合ってる感は無いんだけど。
全体的にスッキリとは終わらない事件がもどかしいけれど、それもこの時代の空気に合っているのかな。
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同作者さんの幻想シリーズが大好きで読んでみたけど…うーん…イマイチでした。
短編集ですが、出てくる人達が絡み合っててお話は進みます。でも主人公はじめ助手以下、どのキャラも魅力を感じられず。
時代設定のせいもあるんでしょうがちょっとグロい場面もあり、苦手。
期待してただけに残念。
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【収録作品】第一話 むざんの事なり/第二話 死神令嬢/第三話 文通ガール/第四話 ゲシュペンシュテル/エピローグ
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大正情緒を引きずる昭和6年、1人の強欲成金が顔を赤いペンキで塗られた異様な死体となって発見された。冤罪を着せられた放蕩息子の牧野心太郎は、真犯人を捕まえるために、タダで探偵をするという奇特な伯爵家の次男坊・黛望(ルビ:まゆずみのぞみ)を頼る。一方、巷では同様の死体が次々見つかり、「黒影法師」なる者の仕業と噂になっていた――。
続編ありきな感じでの書き方。心太郎の父親を殺したのは、本当は誰だったのか。心太郎の実家にあった蛇体の女のブロンズ像の謎。心太郎を襲った仮面の男や謎の組織。全ての章が伏線となっていたが、結局この1冊では解決せず。それって、続編があるからだよね…?
探偵とワトソンのバディもの。伯爵家の次男坊の黛と成金のどら息子の心太郎。好きなのは、黛研究所にいるミネさんがいい味出してた。なんか2人のお母さんみたいで好きだわー。寒いから今日はビーフシチューですよって言われた2人が「うわぁ」って喜んだの微笑ましかったし、警察に連れて行かれた黛を見送るミネを励まして、逆に励まされるの本当に良かった。2人とミネの関係が、もう母と子ではと思ったり。
続編はいつになるのか分からないけど、出たら読みたいなぁ。謎が謎だけを呼んで終わった感あるし、これだけ風呂敷を広げて回収は各自で!はないよね…
2022.10.21 読了
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読み進めるうちに成金の道楽息子がことのほかいい奴に思えてきてしまう。
終わり方をみれば、これ2巻もあるのかな?という期待も。
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2巻を本屋で見かけて気になったのでブクログで1巻の評価を確認したところ、そんなに高くなかったので一旦は退けたのですが、やっぱり気になったので読んでみました。初めての作家さんです。
犯人捜しをするミステリーではないし(すぐわかる)、ホラーというほどでもないし、バディというにはまだ黛さんは「実はこうなのだよ」系だし、全体をつかめていない印象ですが、嫌いではなかったので続きも読もうと思います。
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昭和初期の東京で、顔のいい探偵と助手がエログロナンセンス事件を解決してゆくミステリー。表紙イラストまんまの内容。期待したよりも現代風ではあったが、その分読みやすいとも言える。
一種の擬似BLとしても楽しく読めた。女っ気の乏しい男2人が出会ってすぐに同居をはじめたり、ピンチのたびに颯爽と相棒を助けたり、いつの間にか共にいるのが自然になってくつろいでいたり、といったバディドラマも静かに展開するので、この2人はどうなるんだろうかという期待でもって物語の最後まで興味が持続した。
それにしても、新潮文庫のはずなのに、なんだこのラノベのようなブックデザインは。本当にこれは新潮文庫なのか?背表紙はむしろ講談社文庫っぽくないか?と訝しみつつ読了後に調べたら、「新潮文庫NEX」という新レーベルだった。自分にとっては、小説の内容よりも衝撃的だったかもしれない。あの新潮社がラノベレーベルを⁈という衝撃である。
新潮文庫NEX。ロゴがゲシュタルト崩壊を起こして文字と認識できないあたりいかにも令和だ。キャラクターと物語の融合がコンセプトのレーベルだそうだ。
確かにこの『成金と伯爵』も、イケメンキャラクター達の存在感と関係性の力学で読ませる物語だった。物語の駒というよりも一種のアイドルのようなキャラクターと言えば伝わるだろうか。コンテンツが飽和しきった世の中で、現代人がお金を出すのはコレだと新潮社が判断したという所に時代を感じた。
大手出版社も生存競争の真っ只中にあるのだなと改めて思った。角川書店はウェブ漫画への切り替えが上手かった。青林堂は結局今どうなったんだ。内容とは無関係に、出版社の行く末にあれこれ思いを馳せる読書だった。
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おもしろかったけど、最後が唐突に終わった。解けない謎の正解が気になる。余白を残すタイプか〜。聡明じゃないから正解を示してほしい気持ち。読んでいる中でキャラクターに惹かれていった。