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〇外国ルーツの子どもや保護者だけでなく、日本人児童や保護者に対しても有用であり考えるべき内容があった。
◎異質なものを受け入れることから生まれる希望
外国につながる児童生徒が明日、クラス・学校にやってきたら
2019「日本語教育推進基本法」の施行
1:外国につながる児童生徒とその保護者、その多様性を豊かさに…松永典子
・日本語指導が必要だが、指導が受けられない児童生徒が増えている
・国際化の進展に伴い、日本語指導の需要が高まっている
・日本語指導が必要な児童生徒の多様化
…日常生活では問題ないのに日本語指導が必要?
・日本語指導が十分受けられない児童生徒の学力形成と進路
・入り口→日本語指導が必要かどうかの一定基準をもとにした判断
・出口→学力形成
〇日常会話は問題ないのだけど、読み書きが難しいらひい。“てにをは”とか、同音異義語とかかな。
文章の言い回しとか、それぞれの国や文化で違ってきますものね
2:グローバル化と日本の学校文化ー説明の必要性…施光恒
・外国人保護者の持つ疑問
児童生徒の掃除、朝の会や終わりの会、部活動など
・説明の大切さ
1言葉を用いて教育の仕方やその意義について語れるようになる
2外国人の児童生徒や保護者の不安や不満を軽減する
3外国人の児童生徒の個々のニーズに細やかに対応するため
…納得いく選択が出来るように
・徒弟制度について説明出来るか
・同調主義的・集団主義的ではないかという疑問に対して
・真のグローバル化とは
…異文化が出合い、互いに対話し、それぞれの良いところを取捨選択のうえ摂取していくこと
・日本の家庭や学校におけるしつけや教育の狙い・意義について体系的かつ理知的に捉え、言語的に説明していく必要がある。
〇日本の文化で、徒弟制度とか同調主義とかはマイナス面が強調されることが多いけど、なぜかを考えたときプラス面にも気付ける。
外国ルーツの児童生徒だけでなく、日本ルーツの児童生徒にも説明していくとよいのかも
3:多用な先生、多様な児童ー文学に「学び」、文学で「遊ぶ」ヒント…波潟剛
・「あなた何人?」「日本人?外国人?」の質問は、「パパとママ、どっちが好き?」と同じ意地悪な質問だ
・日本語や日本文化の中の多様性を考えることで、外国人児童生徒の文化多様性を理解する
・「えっ、わたしが外国人?」
・絵本や小説を通して、自分のこととして体験してみる
〇紹介の本は読んでみようと思う。物語での疑似体験。
4:外国人保護者が捉える日本の学校文化ー相互理解と母語・母文化保持の観点から…S ・ M ・ D ・ T ランブクピティヤ
・日本の学校と外国人保護者の孤立感
※バザー…何をしていいか分からなかった←説明が無かった
※授業参観…困っている外国人保護者に日本人保護者からの声かけが無かった
・言葉の壁
言っていることが分かるが話せない
話せるが読み書きが出来ない
読めないが、漢���を見て意味が分かる
話すのも書くのも出来ない
…ばらつきがある
・学校側とコミュニケーションがとれない
先生、児童、管理職、日本人保護者、事務職員、PTA 役員
※進路相談…学校側の努力も保護者の想いも、言葉の壁でお互いにきちんと伝わっていない
※クラス懇談会…日本語に自信をもっていないとシキイガ高い
・わが子とコミュニケーションがとりにくい
子どもは日本語が堪能になるのが、親よりも早い
※わが子の言葉の意味がわからない…反抗期・思春期という要因もあるが、子どもは親に単語の説明をすることをしばしば面倒がる
・お便り、プリントが読めない
子どもの教育に関わる上で重要なので、睡眠時間を削って辞書を片手に読んでいる
※夏休みのプールの健康カード…膨大なお便りの量で見逃しがあった
・連絡帳が書けない
※長男と夫の文字学習及び母国と日本における文字学習…非漢字圏からの日本語学習者は漢字学習が鬼門。東南アジア・南アジアの留学生は苦労している
←日本語で書けないことと、学校に対してどこまで書いてよいのか分からない
・理解できない学校の文化
日本の学校や園で揃えなければいけない道具・教材
※入学説明会と上靴…上靴文化がない
※小学校制服…制服はどこで買うの?
※用途に合わせた様々な袋…指定されている袋が多種多様すぎる
・外国人保護者にとって分かりにくい学校文化
母文化の違いによる暗黙知のルールは外国人保護者にとっては分かりにくい
・先生の不親切さといじめ
※英語が得意な帰国子女…突出したものがいじめにつながる
※配り終わっていたので、僕には給食が無かった…先生から児童生徒へのいじめ
・母語・母文化維持は難しい
子どもに母語も母文化も維持して欲しいが…
・外国人保護者が日本の学校・園で直面する問題の解決方法
←コミュニケーションを取りたいという気持ちを持つこと
←勇気を出して声をかけること
←全てのことに日本語・日本人らしさを求めないこと
・プリントやお便りに関する工夫(学校側)
←重要なお便りにしるしをつける
←重要な箇所に線を引いておく
←児童生徒にお家の人に見せてねと伝えておく
←訳す場合は、重要な箇所のみを翻訳する
・連絡帳の活用に関する工夫
←お互いに箇条書きやポイント、キーワード、短いフレーズで書く
←イラストや絵を使用する
←お手本を見せる
・外国人保護者の孤立感をなくすには
←声をかける(まわりの人)
※玄関で声をかけ、迎えてくれる園の先生…保護法だけでなく子どもの孤立感も薄めていた
←挨拶(お互いに)
※楽しかった園のバザー…適切な指示と作業の分担
・相手のことに興味を持つ
←見た目や思い込みからの決めつけをせず、異国・他国・異文化・多文化に興味を持つ。
※ほぼ日本語の話せない夫を認めてくれ、褒めてくれた保育園…保護者も先生方も夫への声がけと適切な指示をくれたり、夫の作業を褒めてくれたりした。また母語のことに興味を持ってくれた。���本の生活に自信がついた。
・共感すること
←共感する気持ちが互いの信頼関係をきづくきっかけになる。
※海外に住んだ経験のある日本人保護者の言葉…海外に住んだ経験のある保護者からの理解と手助け
・暗黙的な学校・園の文化を伝えるには
←言葉の説明だけでなく、実物を提示する
←説明は複数回行う
←お手本・写真・イラスト
←重要なことは、通訳を通して説明する
←休み時間を使用して児童とも交流を行う
←何かを依頼する時には、必要性と理由も含めて保護者に説明する
※スリランカでは教育は無料…なぜ教科書にお金を払わないといけないのか←説明を聞き理解して納得
・母語を維持させるには
←調べ学習をさせる。母語・母の日文化を学ぶきっかけになる。
←社会の授業、総合の授業を活用する
ゲスト講師として参加
←ワールドスタディルームを活躍させる
外国人児童の取り出し授業の場となっているが、母国と母文化を発信する場に!
←中休み・昼休みに、外国人児童に声をかけ、母国と母語について聞く
※日本のお正月について調べ学習…母国と日本の正月を比較できたらよかったのにな
※園の30周年記念式典とゲストティーチャー活動…わが子にとっては母文化を学べる機会、日本人児童にとっては異文化・多文化を知る機会
〇外国人保護者からの実体験に基づく、現状と提案。外国人保護者・学校・日本人保護者、どの立場からも実用性の高い内容だった。
〇教師から児童へのイジメなんて有り得ない!どんどんクレームを申し出てよいと思った。たぶんクラスメートの子たちも傷ついていたのではないか。お子さんの傷が、癒されていることを願っている。
〈資料編〉
1:クラス・学校に外国につながる児童生徒がやってきたら
2:役に立つリンク集・活用例
〇すごく充実してる!