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なにが面白いのかわからない。
わからないまま読んでいく。読み進めていく。
やめどきがわからない。
ページをめくる手が止まらない。
え? もうこんな時間?
主人公は、マーカス・ゴールドマン。
作家である。
しかし、ただの作家ではない。
『若くて金持ちで美男子で人気作家』(上巻 177頁)
ベストセラー作家である彼が、自分の幼い頃、10代、そして大人になってからのことを振り返る。
ニュージャージー州モントクレアに住まう少年時代の彼が夢中になっていたのは、ボルチモアの伯父の家だ。
界隈一の弁護士である伯父、
優秀な医師であるその妻、
そして、その子供である同い年のいとこ、ヒレル、
兄弟同然の友人であるウッディ・・・・・・
裕福の上にも裕福な伯父の家で、子供らは楽しく遊んでいた。
祖母が、"ボルチモアのゴールドマン"ばかりを褒め、厚遇し、"モントクレアのゴールドマン"たる自分の家族をぞんざいに扱うので――家の規模から、生活スタイルからが違っていて、その理由もわかるので――時に引け目を感じながら、親を疎ましく思いながら、マーカスはいるのだけれども。
ベストセラー作家になったマーカスのそばに、しかし、ヒレルとウッディの姿がない。
彼らの親たる伯父には覇気がないし、その妻たる伯母が見当たらない。
"ゴールドマン家の悲劇"が起こった、どうやらそれが理由のようだ。
マーカスが憧れ、あがめてやまない、"ボルチモアのゴールドマン"一家にも、問題というものはあったらしい。
そもそも、祖父母の時代から"ゴールドマン一家"にそれがはじまり、ことり、かたりと、歯車が狂っていくのである。
連想したのは、映画『スタンド・バイ・ミー』と、ミュージカルの『レント』である。
子供の頃、あの若き日々はよかったね、輝いていたね、夢があったね、恋をしたね、でも、もう戻ってこない日々だね・・・・・・というテーマを扱う作品だが、この『ゴールドマン家の悲劇』もそうだ。
実は私はこの手の作品を好まない。
だから、碌に見てもいない。
『スタンド・バイ・ミー』は話に聞いただけ、『レント』は歌を聴いただけ、そんな状況だ。
だから解釈が違っていたら申し訳ない。
苦手なはずの話なのに、なぜにこの『ゴールドマン家の悲劇』は読めたのか?
それは私にもわからない。
どこが面白かったのか?
作者の筆に、つい釣り込まれまして・・・・・・
そうとしか答えられない。
あちらこちらのレビューを見れば、好みのわかれる作品のようだ。
ダメな人はまったくダメのようだし、好む人にはたまらなく好いらしい。
私はもちろん後者だが、さて、あなたはどうだろうか?
聞くところによると、この『ゴールドマン家の悲劇』は、
同じマーカス・ゴールドマンを主人公とするシリーズ2作目だという。
1作目の名は『ハリー・クバート事件』、これも好みのわかれる作品のようだ。
さて、私はどうだろう?
きっと好��だと思うが、まずは、Amazonで試し読みをしようか。
あなたもぜひどうぞ。