共感することが多数。
2022/08/22 18:33
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投稿者:けんけん - この投稿者のレビュー一覧を見る
他者を認めることとはどういうことなのか、一つの観点から言語化されていて非常に分かりやすかったです。
わかりあえない他者と生きるためには、わかりあえないことが当たり前になるようにすることが必要なのかなと感じました。
順序立てて話はされていないので、読み解くのは難しいですが、読んで得るものは多いはずです。
生きるとは他者に訂正されること
2022/07/31 16:47
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投稿者:サンバ - この投稿者のレビュー一覧を見る
GAFA支配の危険性を指摘。ただの金持ち嫌悪でなく、あくまで倫理的であれば良いと。ダックダックゴーはたまに使うようになった。
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他者をめぐるインタビュー集。
全くもって理解も共感もできない他者と、時間と場所を共有して生きなくてはならない時、どうすればいいのだろう。ロシアや北朝鮮をどう見ればいいのか、「他者」をどう考えればいいのか、そんな思いから読みました。
内容的には広く浅く、限りなく平易に語られていたけれど、わかりやすいというのはむしろわかりにくい事なのかもしれない。
あまりに一般的な言説は精緻さを欠くため、意図していることのコアな部分が見えてこないように感じてしまいました。
そんな中深く感じ入ったのは、自分のアイデンティティよりも前に他者との関係があるということ、他者がいないと自分の信念を疑うこともなく、その外側に出ることはできない、ということ。今の自分は他者によって形作られているということを理解させられた。
他者の本質はここにあるのかもしれない。
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対話形式の書き方になっていなかったので、話題のバラツキや主張・主観が多く、読みづらかった。時には、著者の既刊を読まないとわかりにくい単語もあった。
しばらく読むと、インタビューだと分かり、そのつもりで読んだことで、ある程度理解できるようになった。
改めて表紙を見たら、インタビュー◯◯と名前が書かれていた。まず、インタビューと書いた帯をつけるか、表紙にもっと大きな字でインタビューと書いて欲しかった。しかも、これこれに続く第三弾だと。前2作を読まないと読みにくい本なら、買わなかったかもしれない。
内容としては、私自身の感覚と一定のズレはあるが、まぁ参考になるという程度か。大きな感覚の変化は感じなかった。対話できない相手と話し合う方法は、参考になる。星二つはこの一点かな。
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第1章 私にとって「他者」とは何か
1.他者と生きるとはどういうことか
新実存主義における他者性
従来の哲学における他者認識は、何が問題だったか
アイデンテイティは人間の出発点ではない
他者と折り重なって生きる、ということ
2.他者と折り重なって生きる、ということ
SNSは「アイデンテイティ」を押し付けてくる
ソーシャルメディアと承認欲求
我々はソーシャルメディアといかに付き合うべきか
3.他者と分断
分断の克服において大切なこと
他者への偏見の解消のために何ができるか?
資本主義が生み出す「内なる他者」
4.近代の発展と他者の在り方
非人間化とは「他者を動物として捉えること」
「機械化」は人間に何をもたらすか
なぜ他者との関係において「尊厳」が必要なのか
5.我々は他者とどう向き合うべきかー実践論
日本的同調圧力をどう見るか
他者を、そして自分を「許す」ー今、必要なこと
自分と異なる視点に気づくたった―つの方法
「寛容な気持ち」を持っために必要なこと
第2章 我々はいかに「他者」とわかりあうべきか
1.お互いがわかりあえる社会をどう作るか
話し合いは万能の解決策である
哲学者は民主主義役務に服するべき
「対話できない相手」と話し合う方法とは?
2.対話と民主主義、政治
ガプリエルが語る「民主主義」の意味
フェイクニュース、教育、倫理学
「違いにこだわらない政治」の実現に向けて
他者の身になって「迎い」を具体的に捉えよ
違いにこだわらない政治へと、どう移行するか
3.科学、テクノロジーの発展と他者性
自然主義は「私と他者」の関係に何をもたらしたか
テクノロジーは人間から何を奪うか
科学とテクノロジーを「倫理で動かす」社会をどう作るか
第3章 家族とは何か、愛とは何か
1.家族と他者、その関係性について
家族とは「親密さ」を基盤とした結ぴつきである
毒親とどう接するべきか
人生は有限だと自覚することのメリット
問題のある家族とどう付き合うか
「私なんて、生まれない方がよかった」は真実か
2.自由、愛、死とは何か
自由と束縛のはざまで
「正しい束縛」を社会の中でいかに形成するか
愛し方を学ぶー現代における恋愛の意味
恋と愛と嫉妬の本質とは何か
家族を健全に保つのは「正しい喧嘩」である
無目的、非効率にこそ意味がある
第4章 自己の感情とどう向き合うか
1.他者が生み出す「幸せ」の形
「今、ここ」にある幸せの感じ方
テクノロジーの発展は幸せを生み出しているのか
社会的孤立と身体性、パンデミック
孤立と幸せは両立するのか?
2.負の感情から抜け出す処方箋
他者に対する怒りは、自分に対するもの
「抱くべき怒り」とはどんなものか
怒り、悲しみとどう付き合うか
第5章 宗教や倫理と他者の関係
1.宗教は「救いと対立」のいずれをもたらすか
宗教と道徳、倫理学の���係性
私が「現在主義」に注目する理由
倫理学を次枇代に伝えていくために必要なこと
道徳が「普遥的価値」を生む契機となる
普遍的価値は存在するーその哲学的証明
2.利他主義、格率ーなぜこれらは間違いなのか
なぜ利他主義は道徳と言えないのか
カントの犯した過ちとは何だったのか
2.人間が人間たりえる条件とはー他者論の文脈から
集団であることの意味
タリバンとの話し合い
「無知の知」を乗り越えるために必要なこと
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「新しい実在論」、「新しい実存主義」を提唱するマルクス・ガブリエルのインタビューをもとにした本。
哲学者としては、若いし、かっこいいし、現実的な提言もおこなうしということで、最近、人気の様子。
あれもこれも実は存在するが、「世界」つまり、唯一の意味をもつ総体のようなものは存在しない、という主張は、彼に期待されているように思える「相対主義の乗り越え」というより、「相対主義の徹底」のように私には思える。
この哲学的なポジションは興味あるところで、彼の本はわりと読んでいます。
で、最近は日本でも人気で、インタビューをベースとした日本企画ものの本も多くなっている。
なるほどと思うところも多いのだが、政策提言的なところについては、よく言えば現実的、悪く言えば、わりと常識的かな?
彼の哲学的な主張と政策提言がどうつながっているのかはよくわからないでいるのだが、そんなに単純に良い悪いを言うことができるのかな?と思ってしまう。
この本の「他者論」もそんなに新しいものに思えないし、コピーにあるように「差異と分断を乗り越える」ような思想ではない気がする。
う〜ん、なんでもかんでも「哲学者」に聞いてみるというのも、そろそろやめた方がいいのかも。
わたしも、ガブリエルのこの手のインタビュー本を読むのは、この辺までとして、「なぜ世界は存在しないのか」3部作の最終作が翻訳されるのを待とう。
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世の中の問題、世間をにぎわせるニュース、それらについての意見について。
倫理観崩壊している目を疑うような信じられない意見や、反対意見をねじ伏せようとする不健全な態度を何度も、そして長く見てきて。わかりえないこと、分かり合えない人間は存在するし、自分が正しいと思う意見を他人に押し付けることはできないのだと悟った。
自分の心の中でそう思ってきただけで、口に出さなかったけど、そのものズバリのタイトルの本に店頭で出逢い手に取ってみました。
今まで読んできた現代の問題提起の本何冊かの内容に通じるような、またさらに理解が深まるようなものもあり、関連性を感じましたし、それまで読んできた本で自分の理解が及ばなかった部分がクリアになったり一歩進む手助けになったりしました。
例えば、『スマホ脳』の内容に近いことも著者は考えておりますし『人新生の資本論』のように現在の資本主義を著者も批判している姿勢が見られます。
この本を読んで自分の中で腑に落ちたのは、黒か白かではなく、二択でもなく、段階を追っていく必要があるという考え方。
言われてみれば当然なのですが、なぜか視野が狭くなっていて気づきませんでした。SNS、ニュースで世間をにぎわせる問題についてみんなが意見を交わすとき、なぜか二択に大きく分かれてしまう。発言の正当性、情報の正確性を遥か彼方に追いやりただフォロワーが多くRTされるというだけで重宝される薄っぺらい意見が独り歩きし続け、裏付けが取れていない情報がのさばっていく。
メディアやSNSに二択にされて騙されて振り回されてはいけないなと思いました。
早速、先日のMr.サンデーの番組の内容は信じられないもので大変恐怖を感じました。ウクライナ侵攻の話題から何故か日本が軍事力を持つか否かの二択でスタジオの有識者(なのか?単なる爺ではなく?)が話していたのですが、一体全体どうして今その話をしているのか、影響力のあるテレビで、と甚だ理解に苦しみました。
この本の中で、「非人間化」というワードが出てきますが、自身の安全を保障され命令するだけの立場の人間は戦争だけでなく日々の暮らしからも何から何まで国民を非人間化して見ているのだなと思いました。
私は、たとえ日本が他国から軍事侵略されようが、核攻撃を脅されようが、核保有したくない、日本国に核保有をしてほしくないです。
広島・長崎と被爆を受けた過去があり、一瞬でたくさんの人の尊厳も命も無残に奪い取り苦しめ続けるあの惨状。壕で負傷兵の救護に当っていたひめゆりの女生徒たちは地上戦が始まって絶望的になり自害のための手榴弾が持たされ、隣で学友が吹き飛ばされるのを目の当たりに…。
負の遺産として残された記念館・資料館、語り部の方の話。それらを実際に目に、耳にしてきて、二度と繰り返してはいけないと強く心に思い続けてきた。
防御のためにというのも詭弁だと私は思いますし、人間同士が地上でやり合うことでかけがえのない地球の自然にさらにダメージを与えて取り返しがつかないことを加速させてどうするつもりなのだと思います。
武器製��販売の人が儲けて、国のトップが権威を振りかざし、多くの罪もなく戦争を望まない人々の命が軽んじられ、自然が破壊される。馬鹿げています。
いざ、自分にその恐怖が迫った時、武器をもって抵抗したいとならないのか、大事な人を守るために武器をとらないのかと問われれば否定できませんが、そうなる前に「対話」を試みるべき、そこに至れるまでに倫理観の教育と倫理を重んじる意識を世界的に高めていくことが大事だと思います。
小さな意見の対立で二極化してどちらかにこだわり、そしてねじ伏せて満足するようなことを大人が繰り返して満たされていてはいけません。
SNSの使い方を誤ってはいけません。
誹謗中傷、転売、詐欺、著作権侵害など、倫理観の教育をもっと厚くすることで長い目で解決できないものか、とお花畑の頭で考えます。
小さい頃から子供を一人の独立した人間として接して倫理観についても日々教えることが大事と著者は言っていますが、ここで気になるのは軽犯罪、世間を困らせる問題の大元にあるのは境界知能の人たちが多いのではということ。
倫理観の教育が大事と言っても、それを理解できるかはまた別の話で、既に学習機会に恵まれている人達の理解がさらに進んだとしても差が広まり分断化が進むだけだと思うので掬い上げるのは大事なんだなと思います。
段階を踏んでいく理想の政治の在り方(P88)を読んで、人種・男女・LGBTQ差別の問題について、今は世界で段階を踏んでいるところなんだなと思わされました。
ハリウッドも作品もポリコレなんて揶揄することがありましたが、今は“あえて”それらを表舞台でフューチャーする段階なのだなと腑に落ちました。その時代を超えて、ようやく「違いにこだわらない」段階にいくべきなのだと。
この段階の考えが人々に浸透していないから反発もあるけれど浸透を待っていては遅いからエンターテインメントの世界からも急いで推し進めて人々に考えるきっかけを与えているのかな。今かなり神経質に業界人の過去の罪も暴かれていることは、いくら作品に罪はないという考えがあるとはいえ、必死に意識改革を推し進めている段階では糾弾するしかないのかなと納得できます。
前述で日本の武力行使について自分のスタンスを書きましたが、それと反対にいる人に対してSNSやYahoo!コメントで噛みついてねじ伏せようなんてことはしていません。
多くの人から構成されて社会、国となるからこそ様々な意見が存在するのですから、否定して消すことはできません。
何をもって良い/正しいとなるのか、自分から見てそうでも、違うスタンスの人からすれば私が信じられない意見の持ち主にうつるかもしれません。
正しいの綱引き奪い合いではなく、対話をして双方の落としどころを見つけるのが良いのかなと思います。とても難しいですが諦めてはどうしようもないですからね。。
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「生きるとは他者に訂正されること」という言葉が印象的ではあるが、そもそも「他者」とは何なのか?本書を読む限りでは、著者はコロナ対策には色々と不満があるようで、リアルな対面コミュニケーションを重視しており、「今・ここ」で生きている人間を対象としているように思える。が、書物でプラトンを通じてソクラテスと対話をすることによって「訂正」されることはどう考えたらよいのか?という疑問も湧きおこる。
また哲学者がもっと政治に関わることを提唱し「フォーラム」を重視している点などは熟議民主主義を提唱しているようで同意できるのだが、だからといって著者がプラグマティックというわけでもなく、政治的な意思決定や合意の「普遍性」という点において少々わかりにくい部分もあった。
インタビュー形式のせいか、深い哲学的な議論がなされるわけでもなく全体的には読みやすいとも言えるのだが、他方で少々まとまりがなく相手を悟すように説教しているような印象も受ける。これも「他者」との出会いのひとつと考えれば、何らかの「訂正」がされたとも言えるのかもしれないが。
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面白いし興味深いけど、量が足りない。
一単元で1冊くらいじゃないと、情報量が少な過ぎて著者の意図している状況や考え方が分からない。
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現代の個人を尊重する考えに基づいていて、個人的には好感を持てた。
まずは一人一人違うことを前提にされ、その違いにこだわり、その結果として、違いを超越し、違いにこだわらない、これこそが真の他者を受け入れるということか。同様に最小単位である家族についても言及されていた。
後半、やや内容が理解できない部分もあったが、それはこちらの読解力不足ということでしょう。
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新実存主義による他者論。ちょっと難しい感じ。
家族とは「親密さ」を基盤とした結びつきである。
家族を健全に保つのは「正しい喧嘩」である。
高い生産性の秘訣は短時間睡眠ではありません。
非効率であっていいタイミングがわかっているから効率を上げられるのです。
人生のこの部分(恋愛)に偶然はないと思うのです。物語が必要なのです。そして物語は予想もしていないときに生じます。思いがけずぴったりくる相手と出会うのです。だから自由と切り離せないのです。そして恋に落ちるわけですが,愛するためには相手が自分の思っていた人とは違うと気付かなければなりません。
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ダーウィンは人種差別主義者だとか、Facebook は2030年までに終わるとか、こども授かる前に絶対合格できる親テストとか、優しい顔して過激な話しで面白いです。
他者を愛することすなわち、恋愛関係は永久に恋は続いてほしいということは、別の人と恋愛関係になることもできるという話しや他人のためにワクチン接種受けるのは間違いだという話しは納得しました。
哲学の対義語はもしかしたら科学かもしれないですね。
あとSNSとロックダウンは倫理的に毛嫌いしているのがよく分かりました。特に宗教に対して無知な日本人に倫理を勉強しないと他者と生きることが難しい時代なんだなぁと思いました。資本主義がよくわかっている人からたくさんの日本人が搾取されていることも気づかずに生きづらさを感じていると、ガブリエルさんはいいます。
もっと宗教を知り、倫理も学びたいと思います。
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みずからの人間性を否定したいという願望以上に人間らしいものはない ースタンリー・カヴェル
人間は一生懸命、動物にならないようにしている。たえず他者に訂正される事で、私たちは心を持つ。だから、孤立すると頭がおかしくなるのだという。また、非人間化とは、人間を動物化したり、機械化したりする事。こうした定義、哲学的な人間とは、という語り口が一つ一つ胸に刺さる。
コロナ禍で分断が露見したのか。元より人間には統一した思想がない事は、民主主義の必要性から自明。思想が異なるから、手続きが必要なのだ。ならば、コロナ禍で表面化したのは、その不寛容という事ではないのか。異なる意見に対して、許容できずに原状変更に臨む姿勢。それはまるで宗教論争のように、異教徒を包括できない。
避妊を伴うセックスは非効率の象徴であり、従い人間は効率のみを追求し得ない。仕事をする時は合理性や効率を重視しても、それは、非合理や非効率のための手段なのだ。思う存分、動物的にくだらない事をするために、人生の大半を機械的に生きる。その狭間の理性にしか、人間が人間たる領域は存在しないなかも知れない。僅かな人間領域の互いの非同質性に対して、いかに寛容性を発揮し、前後いずれの非人間化を共にするか。動物か機械か。エロスかマシーンか。
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新聞の寄稿やインタビューで時々読んで気になっていた、今の"哲学界の旗手"。
サブタイトルに「差異と分断を乗り越える哲学」とある。差別やSNS上での攻撃や戦争に至るまで、"分断"によって起こっている問題は多い。生きているからには他人との関わりを避けられない以上、どのように考えれば他人とむやみに傷つけ合うことなく過ごしていけるのか?他者とはどういった存在なのか?ということを語った一冊。
インタビュアーの大野和基さんと話している、その感じをですます調でもってきているので、読みやすい。(質問部分は書かれていない)
興味深い言葉はたくさんあった。
・他者によって訂正され、変わっていけるからこそ私たちは1人ひとり心を持ち、個人として存在できる。
・日本的な、みんなが戦いを仕掛けてくるような同調圧力は極端すぎる。"和平条約"が成立する余地、相手の違いをゆるして忘れることが必要。
・人生は有限であると理解すれば、ロックダウンは非倫理的。人生に一時停止はないのだから。
・倫理や哲学の古典を子どもたちに教え、ともに考える時間をもつべき。さまざまな社会問題について、ブッダなら、プラトンなら、何と言うだろうか?と。
「違いにこだわらない政治」のところは、なるほど・・・、と思う。理想の政治へのステップとして3段階を示している。
1.たとえば「女性の扱いに関して問題がある」、と大きな括りでとらえて問題を認識する。
2.しかし、女性の中にもいろいろな状況があり、究極的にはひとりひとり違う。細部に目を向け、違いにこだわって、それぞれの問題に対処する。
3.最終的には、女か男か意識する必要のない状況に達する。
民族についても同じことが言える。大切なのは段階を踏むこと。ステップ3が理想であることにはきっと多くの人が気づいているけれども、ステップ2をおざなりにするとマジョリティにもマイノリティにも不満が残ったままになってしまうんだな、と思う。
女と男、日本人とそうでない人、そういった違いへのこだわりからいずれ抜け出すんだ、という考え方が必要なのだ。
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わかりあえない他者と生きることを主義、考え方について突き詰めたわかりづかくはない哲学の本だったなぁと思います。マルクスガブリエルは好きで何冊か読んでおり、倫理資本主義という考え方もすごくいいなと思っています。一方で、マザーテレサはもっと人生を楽しむべきだった。彼女はそうではなかったと思うという話が出てきましたが、それは本人に聞いてみないとわからないのではないかなぁと思いました。作中断言されることが間々出てきますが、私はこれが解です。というよりもものごとはコインのように裏表があり、シーソーのように絶えず揺れ動いていて時代や環境や感情によってあらゆるものは常に変化しているのかなと思います。そうであるのであれば、今現在自分が納得できる選択を積み重ねていくのが1番メインになるのかなと思います。たまに納得できなくても進まないといけなかったり将来のこと考えてあえてそうでない方をとることもあるだろうからやっぱり100%これがってないのかなと。
作品のタイトルに対する唯一の解である”対話する”については、しないよりはしたほうが良いと思うけれど、結論を待ったなしに出さないといけない選択の場合は対話はその答えではないのかなと思ってしまいます。そこまで切迫してなくてもみんな日々の暮らしに必死だからなかなか難しいのかな。でも対話したほうがよいと常に思っておきたいです。