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紙の本
ギガスクールで悩んでいる方に
2022/05/07 11:04
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:精華町の議員 - この投稿者のレビュー一覧を見る
学校教育分野を中心に、急速なICT導入が進んでいる。ギガスクール構想ともいわれている。
デジタルという言葉から、すぐにパソコンやスマホを連想し、高齢層を中心として「とっつきにくい」「苦手だ」感がすぐに表明される。
だが、特に学校教育分野では教えることが大きく変化するわけではない。ICT教育とは、「ICTを理解する教育」ではなく「ICTを活用した教育」であることを忘れてはならない。
ただ、新たなことに取り組むとなると、「心配」が先立つ。従来の価値観や振る舞いでは対応できない場面も出てくる。それは、そろばんから電卓、電卓からコンピュータ、さらにパソコン・スマホとだんだん個人場面での活用シーンが増えることによって姿を変えて顕在化する。
子どもの世界では、「学校の裏サイト」というものが流行し、それをのぞくと「A先生とB子が付き合っている」とか「C先生の態度が悪いので、無視している」「Dくんをみんなでいじめよう」などの書き込みが発生した。次の段階では、個人持ちのスマホでSNSを通して、個別の閉鎖的なグループチャットの場面では、無視したりレスポンスの遅い子どもを除外するなどのネットいじめなるものが出現している。
もちろん、それらの言動を肯定して推奨するわけではないが、ツールをどのように人間社会にあわせて使いこなすのかがポイントとなる。
過去には、中学校の校則で髪形を決めたり、今でも靴下の色を指定したり、暑かろうか寒かろうが、制服着用の時期をルール化したりと、ほぼ意味のない規制がされていた。
子どもたちが身に着けるべきことは、「従順にルールに従う態度」ではなく、「自分の足で立ち、自分の頭で考え、実行する力」であり「他者との関係性を構築し、コミュニレーション能力を高めること」などのはずだ。
同じように、ICT活用の教育地面でも、「禁止」することではなく「人道に合った使い方を学ぶ」ことが重視されなければならない。
学校現場でも、警察やシステムエンジニアを呼んで「脅しの教育」をするのではなく、発達段階に応じたツールの活用法・考え方をしっかりと教育することが求められている。
対面授業とICT活用授業が対立するものでもない。
この本は、ICTが苦手な方、教育にとって害だと思っている方なども納得できる内容がある。
ぜひ、関係者は一読して、学校教育のあり方を論じてほしい。
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