紙の本
加害者と被害者が入れ替わり続ける
2022/08/01 21:48
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投稿者:咲耶子 - この投稿者のレビュー一覧を見る
受け持ちクラスにいじめ疑惑がある中学教師の娘がいじめを苦に自殺未遂。
事なかれ姿勢でいじめに向き合ってこなかった男性が、娘の自殺未遂で父親と教師のどっちつかずの立場に苦悩します。
そうこうしているうちに、娘のいじめていた女児が殺されてしまい、疑惑が家族に向かいます。
被害者の立場から加害者の立場へ。
学校のいじめに対する問題意識の低さ、報道の在り方、ネットの暴走など現代の問題を織り交ぜ話は進んでいきます。
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投稿者:なま - この投稿者のレビュー一覧を見る
自分の娘がいじめにあってしまい、自殺をしてしまう。それを教師としての父親がどう対応すればいいのか、とても複雑な問題である。被害者の父親になってしまった教師がどういう態度を取るのか、考えさせられる。
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投稿者:6EQUJ5 - この投稿者のレビュー一覧を見る
「イジメ」と「ネット」が組み合わさって展開する長編小説。テーマは重めですが「書き込みは濃くない」という感じです。また、次回作に期待。
電子書籍
ありそう
2022/11/24 02:04
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投稿者:エムチャン - この投稿者のレビュー一覧を見る
学校におけるイジメの問題と、自殺などなど……今やどの地域の学校にも起こっています。この中学教師は、娘がこうなって、ようやく、自分たち夫婦つまり父母の問題として身近に……。読んでいて、気分は良くなかったです
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-家族全員が、容疑者だ。- 『あんたは親父なのか、教師なのか、どっちだ』 なんだかなぁ。なんだかなぁ。大好きな七里先生の新刊だったんだけど、イマイチ物語が心に届いて来なかった、残念。被害者と加害者の家族〈父親同士〉の会話が、そんなに気持ち通じ会えるもの?って思っちゃったり、小学生の子供たちが話す言葉が考えがあまりに大人びてないか?と思っちゃったりとっても些細なところでひっかかっちゃってなかなか読了に時間がかかったぞ。また自分が今と別の心持ちの時に読めたら新たに思うことも有るかもね。
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穂苅はクラスのいじめを見て見ぬふりをする事勿れ主義の中学教師。だが、自分の小学生の娘がイジメの被害者となり、学校の窓から飛び降り自殺を図った事で事態は急転する。同じ元教師だった妻は怒り狂い、加害者児童へ復讐を誓う。教師の立場と父親の立場を平等に扱おうとする穂苅に冷ややかな視線を送る息子。娘は一命を取り留めたが、穂苅家は崩壊寸前だった。
そんな中、加害者児童が殺害され、息子が容疑者となり…
教育現場で働く穂苅が父親として動かない歯痒さもありましたが、マスコミへ情報を流しネットで加害者家族を槍玉に上げる行為が何とも言えない気がしました。ネット民はすぐに調べ上げるのがリアルでゾッとしました。
そして、全てが解決した様に見えて実は薄氷の上に立っている様な怖さが、タイトルの通り「棘の家」その物な気がしました。
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学校の隠蔽体質や事なかれ主義、匿名ネット探偵の意気揚々さがとてもリアル。
自殺未遂をした少女のしたたかさも私は好みでした。
犯行の動機が理解できず星は3つですがすらすら読めて面白かったです。
加害者と被害者を出したあの家、悲惨ですね。
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事なかれ主義の中学校教諭の穂刈。ある日突然小6の娘が学校の3階から飛び降り自殺をはかってしまう。
被害者から加害者に変わる?!
家族皆怪しい。
これなー
疑心暗鬼になって読んでてちょっと辛かった。 https://t.co/BcwAelunM8
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まさかの展開でしたね。さすが中山七里先生の作品だと思いました。ミステリーファンの方々、お薦めの一冊ですよ。ぜひ。
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❇︎
当たり前のように常にそこにあって
平穏と安寧に包まれた家庭。
その中で平々凡々と年を重ねることを
疑いもしなかった主人公(教師の穂刈)が
娘の自殺未遂をきっかけに自分自身と
家族の姿を見つめ直してゆく物語。
主人公を通して、自分の目に見えている
家族一人ひとりの姿はほんの一面にすぎない。
いかに自分という偏ったフィルターから
家族という存在を見ているかを思い知らされた
気がします。
1.穏やかな翠
2.棘のある葉
3.毒を持つ嚢
4.不穏の茎
5.そして根は残る
家を棘のある植物に見立てているところに
妙に納得ができました。
触れなければわからないけれど、一人ひとりに
別々の棘や毒がある。
その毒で大怪我をすることもあれば、毒が薬に
なることもある。
棘や毒の悪い面ばかりが気になるけれど、
それらが深い意味を持っているんだと
そんな風にも感じました。
ある意味、やや悲しい部分もありますが、
多少バットエンドを含んでいても再生への
淡い芽も感じ取りました。
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断片的な報道や情報におどらされない人間にならなければ!とあらためて戒められます。
さっくり読み進められる一冊でした。
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読みやすかったけど、
登場人物の考えとか行動が、
「えー、普通そう考えないでしょう」
と自分とギャップがあって、
イマイチ感情移入できなかった…
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中山七里さんのミステリーは面白い。
クラスで起こるイジメから目を逸らしていた教師が父親として娘のイジメ、そして被害者加害者として向き合う。
意外な結末に驚く。
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「いじめ」が起こったときの
被害者と加害者
当事者と学校
当事者とマスコミ、ネット
どちら側なのか、それで状況は変わる。
主人公の穂苅は中学校の教師。いじめに対応する学校側のやり方を熟知している。
いじめは不名誉なこと。外部には出さず干渉させない。
でも、自分の子がいじめにあったら? 親の立場ならそれで許せるのか?
「教師」なのか「父親」なのか?
穂苅はジレンマを抱えながら、家族を思い、家族からも世間からも侮蔑の視線を浴びる。
その心境が植物の「蕁麻(イラクサ)」になぞらえて書かれているのが秀逸。
イラクサは触れると棘(とげ)や葉の毒素でかぶれたり腫れたりする。命を取られるまでの毒性はないが、痛みや痒みが後を引く。
しかし、母親の描き方が雑だ。
子どもが自宅療養で引きこもっているときの行動はありえない。
子どものケガも書かれた症状と治癒が早すぎるのも気になった。
父親同士の会話もご都合主義っぽい。被害者と加害者がそんなに立場を分かりあえる流れになるはずがない。
これらの点は渦巻く感情が感じられず、男性目線だなと思わされた。
とはいえ、『いじめ問題はスッキリ解決などなく、すべての者に禍根を残す』のは心肝に染めた。
ラストはきれいに締められたが、これはイヤミス作品だった。
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教育現場の暗部を見せつけられるだけでも堪えるのに、被害者・加害者それぞれの立場で追い詰められていくのでかなりしんどい。
円満に見えた自分の家庭が少しずつ崩壊していく恐ろしさ。
その過程で知る家族の意外な一面。
それでも受け入れる覚悟はあるか。
ミステリーであり家族小説でもある。