紙の本
不思議に思えるほど繰り返し読んでしまう本。彼女たちを好きになって、離れがたくなってしまったのかも。
2010/04/16 11:38
6人中、6人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:タール - この投稿者のレビュー一覧を見る
『(学校という)閉鎖空間に押しこめられて少しずつ狂っていく』。そんな空気の中で、自分の持つ「狂気」を自覚する少女たち。性格の異なる3人の少女それぞれの感性によって紡がれる物語は、「繊細な10代」というくくりを突き抜け、驚くほど濃く、粘度が高い。
カトリック系女子高校に通う、那由多、翠、淑子。まったく違う性格を持つ三人の中でも、ストイックな翠と激情型の淑子は、那由多を介してしか近寄ることすらままならない。けれど、学校を『変化を憎む牢獄』だと感じ、そこに閉じ込められることが罰であるなら罪は何だろうという思いを抱く淑子もまた、翠と那由多同様に、表出しようにもその方法すら見つからないほど鬱屈してしまった魂の存在を自分の中に見つけている。
「仲良し」にすがりつき痛みを和らげてもらうことを望まずに、あえて孤独な時間を選択する彼女たち。『どこまでが草原で、どこからが他人が足を踏み入れてはいけない牧草地帯なのか』『その境界線がよく見える』。冷酷に見えるほど淡々とした距離感には、甘美さすら感じられる。
『ノアの方舟』と『パンドラの箱』について語り合う那由多と翠。たとえそれが厄災なのかもしれなくても、残された「希望」を信じたい。そう思わせてくれるラストでした。
紙の本
女子高生
2022/05/10 10:44
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投稿者:kotep - この投稿者のレビュー一覧を見る
カトリック系のお嬢様学校に通う那由多、淑子、翠。複雑な家庭環境に育った三人の女子高生がそれぞれの社会生活を交えて心の中の「秘めごと」と対峙する。小さい頃に男性から受けた恐怖が体に染みついた那由多、高校の先生と恋に落ちた淑子、何事にも冷静に対応する翠。彼女たちはどのようにして乗り越えるのか・・・・・。
ちょっと最後が不完全燃焼って感じでした。しかし、何故か読みなおしたくなる作品でした。
紙の本
一度読めば
2019/11/22 19:45
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投稿者:earosmith - この投稿者のレビュー一覧を見る
ガサツな公立の共学高校だったので、カトリック系の女子高校という、秘密の花園にはどんな生徒が?と。ちょっとドロドロしていて、一度読めば十分という感じでした。
紙の本
んーーー。
2018/10/15 03:25
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投稿者:ゆきなの。 - この投稿者のレビュー一覧を見る
少女たちの学園物語と思って読み始めましたが(基本はそうなのですが)、グロテスクな部分があり、わたしは受け付けられませんでした。
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那由多って素敵な名前だなぁ。カルピスの事とか、その人に入り込めるのは一部の人間だけだとか小さい共感をたくさん感じた。
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モロッコ旅行中の友達。三浦しをんの女子高物。カトリック系女子高校に通う3人の女の子の話。川原泉の『笑うミカエル』を思い出した。が、もちろんそれより全然暗いです。「普通」な女子高生「孤独でいれる」女子高生。こういう登場人物たちは結構好き。なんとなく暗くて、アンニュイ〔?〕な雰囲気は、好き。がつっとくる良い本!というわけではないが、なんとなく、くらーくだらーっと良い小説。
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小中高一貫のミッション系の女子校に通う3人の少女の物語。
こういった「女子もの」は作者がどっぷり感情移入してハマり込んで書かれる事が多いため「10代の女の子は共感出来るけど、大人はちょっと無理」みたいな事を書かれがちだが、なんとなく10代の女の子もどっぷり共感しないし、大人も共感しない、ただ作者が実際に見たであろう事感じたであろう事がリアルで生々しい。
引き寄せられたり、突き放されたりする文章で3人の少女を傍観するという印象。
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三人の女子高生を、一人ずつ主人公にした 3つの短編集。
一つ一つが独立した話しでありながら、あとになるにつれて 全てがつながっていく。
自分自身は共学だったから、女子校という雰囲気だけで 特殊な感じがしちゃいますがw
爆笑の渦に惹きこんでくれるエッセイとはまた違った 淡々としながらも 狂気も含んでいる とても惹きこまれる作品です☆
一度 女子校を体験してみるのも よかったかも(^^ゞ
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少女の「永遠」性。何と甘美で、秘めやかな響き。人間は誰しも成長を止めることはでき
ず、幼さを失い、いつしか老いてしまう。けれどその中にあって、「少女」という時代は一種のパラレルのように感じられる。芽吹きの芳香を惜しみなく放ちながら、まだ成長したくはないと世の中を拒むように独自の文化を築く。
自分にも果たして、そんな時代があったのだろうかと振り返る。例えあったとしても、この小説の中に描かれている少女たちのように繊細な描写をされてはひとたまりもない存在だったろうなと思う。
学校とは閉じた世界の最たるものだが、そこに信仰と少女だけのという要素が加わって、より濃密な空間にされているような錯覚を呼び起こす。
本当は誰もが、自分の中に閉じた花園を保持し、外部の侵入を拒む反面、諦めている。だれかが踏み入って来たなら、それを歓迎することができるか。それとも誰かの花園に触れたいと願うこともいずれ…。
ややこしいこと色々書いたが、私はこの世界観が割りと好きだ。*****かつて少女だったころ、主人公の彼女たちのように特別な存在になりたかったし、自分の内側と向き合うことに必死だったから。ほんの少し、懐かしいところもあったのだ。
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女子高に流れるどこか独特で非日常的な空気。そして高校生のときの痛々しいけど捨てられない過剰なほどの自意識。
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カトリック系女子高生3人のお話。3人3様に各秘密を抱えている。その秘密に纏わる3篇による作品。共通点は女の性。
'07.04.29読書完了
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ぐるぐる巡る、永遠に続く階段のなかで逸脱した3人。
そんな印象の三人を個性的に書き分けていて凄く素敵なお話。ただ、ある少女のその後がとても気になってしょうがない(笑)
一体どこに・・・!?それが分からないからきになるっっっ。
それ以外でも、大人になる3人を見守れるだろうか。私ならばちょっと難しすぎるかもしれない。
あの教師のようにはなりたくはない。でも、 ただ見ていたい。卑怯かもしれないけれど永遠に見ていたくなる、魅力的な主人公達だった。
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一章読後、積ん読中。六月中には読み終わりたい……けれど、あまりにも内容がショッキングで読めないかも……うーん。
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清楚とされる女子校に通う3人の女性を、それぞれの視点から描いた3つの話で構成された小説。いや、正直はじめの二つはつまらないなと思ったんだけど、最後のがかなり良かった。つながっている話なので、結局面白い本だということになる。解決しない問題もあるけれど、まぁそれもいいか。
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三浦しをんっぽくないということで、
あまり好きでない人も周囲には多いのですが・・・私は好きです♪
むしろこの人、こんなちゃんとした小説も書けるんじゃん!って思いました!!