電子書籍
オタクくんへのアンサーソング
2023/02/02 14:32
8人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:コマ - この投稿者のレビュー一覧を見る
最高傑作です。
澤村伊智、出来の悪い小説を書くのが上手い…!
これは作者の無意識が文章に出るずうのめ人形、一人称視点なのか三人称してんなのかよくわからない予言の島でも出てきますが、今回のは「ツイッターに転がってるあるあるだけで書かれたり、突然の知識ひけらかしが出てくるオタクくんの書いたなろう小説」が読めます。
作中登場人物の、難しい話を理解しようともせずに自分に都合の悪いこと、知らない話は聞かずに論点をずらしたり揚げ足を取って攻撃し、持論展開だけは一生懸命な様はまさしくツイッターにいるキモオタそのもの。
そしてその当事者には先生のアンサーソングも届かないなだろうというところも最高です。
この構造を解った気になっている私も「ツイッターのオタクは物事を俯瞰して見ることができる」と勘違いしている1人なのも突きつけられて絶望しています。
「オタクはデマに流されない」「洋画ファンは価値観がアップデートされている」という自負をお持ちの方に是非読んでほしい作品です。
投稿元:
レビューを見る
今年一発目の小説!
いやー期待を裏切らずめちゃくちゃ面白かった。
やっぱり澤村伊智はホラーを描かせたら間違いない
しかも比嘉姉妹のシリーズだからより面白い!
今回は夢の中に現れる怪異…
夢の中、自分ではどうにもコントロールできない領域だからこそ、めちゃくちゃ怖い
エルム街の悪夢のフレディやジョジョのデス13レベルの最強最悪の怪異
最強の退魔師のお姉ちゃん琴子さんも大苦戦
このシリーズ、ぼぎわんやなどらきなど
強くて怖い怪異がたくさん出てきたけど今回がたぶん最強で最恐だと思います。
ぼぎわんみたいに映画化して欲しいけど内容的に無理かな…
前半の内容と後半の内容でガラリと変わる構成的にもとても面白かったです。
辛い現実より極楽な夢を選ぶのか
澤村伊智ファンは是非、読んだことのない方も
最高のホラーエンタメなので絶対に楽しめると思います!
投稿元:
レビューを見る
なんだかもうジェットコースター並に、夢と現実を有無を言わさず強制的に行き来させられて…疲れた(笑)
どこでどんな引っくり返しがくるかと身構えながら読んでるから余計なのかな。
あとから「あれ?だとしたらあの一文おかしくない?」ってトラップみたいなのが澤村作品には多いと思うんだけど今回も…。
現実の場面だと思ってたけど…あれも夢?
面白かった面白くなかった、よりも先に
「はー読み終わった〜!」が正直なところ。
ばくうどに対する考察、説明ターンが多いので、もう少し姉妹大活躍の戦闘シーン読みたかったかな。
投稿元:
レビューを見る
中々よく構成されていた。こういう最近よくある心霊バトル漫画みたいなのは話がしっちゃかめっちゃかになりがちだが、よくまとめた方だと思う。しかし、いかんせん話の内容はゲゲゲの鬼太郎みたいなもので、読み物としての価値自体は薄かったかもしれない。
投稿元:
レビューを見る
比嘉姉妹シリーズが好きなのですが、今回はもしかしたら一番好きかも。
ネタバレになるので多くは語れませんが、今回はミステリ作品らしいどんでん返し、伏線回収が多く見られて、単純なホラー小説ではない面白さがありました。
前半→後半への幕開けは、めちゃくちゃ鳥肌が立ちました。
悪夢をテーマにした作品だけあってこれは夢なのか?現実なのか?という疑いを持ちながら読み進める場面だったり、夢ならこういう展開でも確かにおかしくないな、と設定をとても上手く活かした話だった。
夢に関する研究、調査はとても念入りにされていて、興味が湧きました。
また、ネット、世間の反応がコロコロ変わる…というのは例の統一教会の件を思い出しました。
投稿元:
レビューを見る
夢ってなんだろうなと思う。夢っていわゆる眠っているときに見るものでもあるけれど、じゃあよく子どものころに聞かれた「将来の夢」はどういうことなんだろうと思うけど、これは希望とかなりたい姿みたいに言い換えることができるのではないか。
『比嘉姉妹シリーズ、待望の最新長編。澤村伊智が放つノンストップホラー。「眠れば、死ぬ」東京から父の地元に引っ越してきて以来、悪夢に悩まされていた「僕」は、現実でもお腹に痣ができていることに気づく。僕だけでなく、父親の友人の子供たちもみな現実に干渉する悪夢に苦しめられていた。やがて、そのうちひとりが謎の死を遂げる。夢に殺されたのか。次に死ぬのは誰か。なぜ、悪夢を見るのか。理由を探る中でオカルトライターの野崎と真琴からお守りをもらい、僕らの苦悩はいったん静まったかのように思われた。しかし、今度は不気味な黒ずくめの女に襲われる悪夢を見るようになる。 「比嘉琴子」と名乗るその女は、夢の中で僕を殺そうとしてきて──。』
これは田舎を舞台となっていて、もちろん登場人物もそこで暮らしている人たちだ。話のなかに大きな仕掛けがあるのだが、田舎の厭なところが徹底的に描かれている。そしてその田舎の厭なところが物語の中盤にある仕掛けでぐるんとひっくり返る。田舎は文化資本に乏しく、娯楽施設もなく、閉鎖的であり人間関係も凝り固まっている。そう思っている人に読んでほしい小説である。都会と田舎を単純化して捉えている人にこそ効きそうなホラーだ。
先述したが「夢」という言葉は色んな解釈ができる。そして寝ているときに見る「夢」は楽しいものや幸せなもの、怖い夢やどういう内容を見るなんて自分で指定することはできない。見たいものを見ることはできない。でも現実でいう「夢」というか希望やなりたい姿はある程度自分で決めることもできる。逆にういと自分の都合のよいものだけを見て、信じることも。ただ現実のいう「夢」ばかり追いかけて、盲信するあまりに自分が見えていなかったものが見えたとき、どうなるのか。そういう意味でこの本を一冊読み終えたときに「悪夢」が何にかかっているのかがわかる。
澤村伊智先生の今作はいわゆる「比嘉姉妹シリーズ」の新作である。一作目の「ぼぎわんが来る」は「来る」というタイトルで映画化もされた。
このシリーズは比嘉姉妹と野崎という男が怪異を追いかけ、発生する理由を解明して怪異をどうにかするという展開としてはありふれたミステリーホラーだけれど、出てくる人物の造形や構成が個人的には巧みだと思う。ただ力任せにホラーをクラッシュするわけでもなく、謎を中途半端に残すわけでもなく、比嘉姉妹や野崎、登場人物たちと一緒にホラーの謎を追いかけるのがとても楽しいのだ。この怪異がなぜ起こるのかにカタルシスを求める人にはおすすめのシリーズだ。過去シリーズは文庫でも出ているのでぜひ。
投稿元:
レビューを見る
眠らないための自傷行為の描写に目が覚める。夢と現を行ったり来たりと翻弄されるうちに、どちらでも良いような気になってくる恐ろしさがあった。
投稿元:
レビューを見る
面白すぎて一気読み。何を言ってもネタバレになりそうだけどめまいのするようなタイトルの通りの悪夢感がすごい。続きをきっと書いてくれそうな終わり方なので大期待。本当に面白かった……。
投稿元:
レビューを見る
ホラー作家・澤村伊智による比嘉姉妹シリーズ、6冊目。『ぼぎわんが、来る』、『ずうのめ人形』、『ししりばの家』に続く長編第4作。これまでは文庫版を追いかける形で読んでいたが、ここに来てリアルタイムが追いついたので、ハードカバーを発売日に購入して読むことに。
今回のテーマは「夢」。となれば、真っ先に予想されるのが、「夢と現実の境界を曖昧にして読者を惑わす」という手法。まさに澤村伊智の叙述トリックが発揮されるテーマで、期待を裏切ることのない"悪夢"が展開される内容となっている。
ただ、物語としては中盤がピークとなっており、中盤~ラストまでは若干の戦後処理感。やはり、全編通したトリック&ホラー、物語の最高潮をラストに集中させた『ぼぎわんが、来る』、『ずうのめ人形』よりも一つ落ちる印象。
しかしながら、本作のテーマ(メッセージ)が集約されたラスト4行のテキストは、過去最高の締めかと。
投稿元:
レビューを見る
待望の新作!
先が気になって気になって、仕事と育児の合間をぬいにぬいまくって2日で読み終えました。
読み応え抜群。満足です。
澤村先生の作品は人間の醜悪さが描かれるホラーだから、だから、面白い!
誰の心にもあるような気持ちにスポットを当てて、お話を作るのがお上手で、いつもドキッとさせられます。
投稿元:
レビューを見る
きました!比嘉姉妹シリーズ!!✨
いや〜、めちゃくちゃ面白かった!!
かなり翻弄されたし、こんがらがっちゃって、分かりきれてない部分もあるけど、面白さが際立ってだる!!
最強キャラっぽいお姉ちゃんにも、フツーの人並みの感情があったんだなぁ…。
ええっ!?と焦ると夢だったり、ホッとしたのに夢だったりだけど、比嘉姉妹ファンは一気に疾走しちゃって!な一冊でしたね〜♪
投稿元:
レビューを見る
絶対にパラ読みしない方がいい本。パラパラして、あのページを見てしまったら、面白さ半減です。袋綴じにしても良かったのでは?
比嘉姉妹シリーズだけど、色々と今までとは雰囲気が違います。姉妹、特に姉の内面に触れることができた気がしました。また次作も楽しみ。
1つ苦手なのは、冒頭の事件のシーン。あそこまで書かなくても良いのでは?結構辛い。ホラーは残虐性があるものでしょうが、なくても面白いものは成り立つので。自分はこの作者の方にそれは求めてないので、そう感じました。あと、マニアックな人達像が少し型にはまっているような気もしました。
短編でも思ったけど、イヤ〜な大人の馴れ合いとかグループ書くのホントに上手ですよね。実際あそこまでなくても、見かけます。
読み終わって、少し無限列車編を思い出しました。
投稿元:
レビューを見る
読み終わってしまうのが
勿体なくて
時間をかけて
読もうと思っていたけど
無理だった…
止まらんわ
そして
衝撃な展開…
絶句…
早く!早く続編を
お願いします
投稿元:
レビューを見る
冒頭の胸の悪くなるような虐殺…
人間未満のクソ野郎の蛮行から第三部開始まで、
それこそ息を継ぐのももどかしく一気に読み終えた。
夢を司る怪異の物語は数多あるけれど、個人的にこの構成は目新しく、とても興奮した!
そこからの考察と妖との直接対決、解決へとこれも怒涛の展開だった!
※
現実の厳しい世界より幸福な虚構の中で生きたい…
これは人々が映画や小説、ゲームに興じ、没頭する感覚に近似値…というより同じだと思う。
でも、
それでも主人公の少年は凍てついた現実の世界を選択し、そして戻って来る!(竈門少年ばりに)
単純なホラーではなく、ジュブナイル的な内容も含まれ、老生しつつある私の様な者までグッと来た。
キングのような世界観。
この姉妹のシリーズは最高です。
で、真琴さんの生還を切に願っております!
私の厳しい世界にはまだあなたがた姉妹の力が必要です(笑)。
(追)
読み終えて、Netflixの『来る』を再度観た。
映画でもこの姉妹は最高だわ!って、この映画の完成度やっぱり半端ない。
投稿元:
レビューを見る
一言で言い表すならば、アクのきつい無限列車編といったところか。
前半の片桐にとっての極楽の夢パートは、初読の時に困惑した。琴子がそんなことするのか、野崎がそんなことするのか、と終始今まで築いてきたキャラクター像が崩壊してしまったが、後半の現実パートを読むことで納得できた。
後半は途中からどこからが現実でどこからが夢なのかを考えながら読んでいたので、頭がバグりそうになった。
『ぜんしゅの〜』の鏡の話で、真琴が死んでいるような描写があったけど、そこに繋がるのかなあとか想像する余地がある。ただのハッピーエンドで終わらせないあたりが澤村先生らしいと思いつつ、真琴がこの後目を覚ますのかどうか次回の比嘉姉妹シリーズがすごく気になる終わり方だった。