多世界解釈について
2024/09/08 19:37
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投稿者:福原京だるま - この投稿者のレビュー一覧を見る
量子力学の本を読むとコペンハーゲン解釈と多世界解釈の2つが良く紹介されているがいろんな解釈があるなぁ止まりだったのが多世界解釈だと世界をどう記述できるのかで1冊書き上げたのは面白い。ホイヘンスの原理の波の重ね合わせを用いた説明はわかりやすかった。
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投稿者:なつめ - この投稿者のレビュー一覧を見る
量子力学について、わかりやすく解説されていてよかったです。幅広い分野で、興味深く読むことができました。
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「爆発物処理班の遭遇したスピン」を読んで、量子力学の概念的なものがわかる本がないかと思い読んでみようかなと。たまたま「三体0【ゼロ】 球状閃電」の次に読んだので、お、これは量子力学繋がりじゃないのと、最初はふむふむと読み始めたものの、多世界解釈のお話に及ぶにつれて、頭の中には?????と、?がポコポコ浮かんでくる。しかし、多世界解釈というのが、古典SF的なロマンではなく、あくまで論理的な解釈であることはなんとなくわかったということで、自分を納得させることにします。
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ブクログのプレゼントで当選した本。
量子力学の解釈について重点が置かれている。なので、「シュレディンガー方程式」という文字列は何度も出てくるのに、式は全く出てこないというもので、あくまで解釈について終始論じられている。そのあたりは「これぞ新書」と感じた。
ある程度、物理を勉強できた大学生以上にオススメしたい。別物として学んだ力学・波動・粒子・電磁気学が絡み合ってくる本書は、吸い込まれるような学びを覚える。
また、あくまでも「解釈の一つ」として論じられているのも親切。まだまだ研究が進行中の分野と思わせ、今後のノーベル賞などのニュースにも楽しみが増す本、本の魅力になっている。
個人的にも、量子力学はいくつか方程式を学んだものの、だから何だというレベルで終わっていたので、学びがあったと感じている。まだまだ「量子力学は分かっているよ」と言うには自信がないが、この本を読んで、理解に進歩はあったかと。
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ブクログの懸賞で当たった本です。
「シュレディンガーの猫も取るに足らない問題」と豪語されている興味深い本。
難解な数式を用いず、わかりやすく理論立てて説明してくれているので、概念は理解しやすい(と思っているだけ?)解説本だと思います。
結論から言うと、解釈の問題であり、専門家の間でも統一が図れていない問題なのだが、矛盾の少ない解釈なのならそちらのほうがいいのかなと。
デコヒーレンスの解説を読んでるとき、一卵性の双子はDNAが同じなのに、完全に同じにならないのはそのせいなのかもとふと思ったのだが、その解釈はアリ?
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量子力学の解釈問題にコペンハーゲン解釈と多世界解釈があり、この本は多世界解釈を解説したものである。自分の理解力が足らないのですっきりとは分からなかった。エンタングルも量子コンピュータの話題などで出てくるが、分かったような分からないような不思議な感じではある。それで星三つです。
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量子力学は一般常識では理解困難な現象を取り扱うが、その解釈の仕方に人間の認識に伴って波の収縮が起こったという実証主義的なコペンハーゲン解釈と、観測者としての人間の存在など関係なく観測機器も含めた宇宙全体が量子力学の対象であるとする実存主義的な多世界解釈があるという。
本書の著者は後者の立場だが、理論の中核に認識したかしないかという人間の主観を位置づける前者よりも、シュレジンガー方程式という中核定理を以って全てを説明しようとする後者の方が純粋理論的に真摯で自然だとする著者に共感する。
量子コンピュータや量子通信の元となる量子もつれとの親和性も高い後者にいずれは収斂しそうにも思うが、キリスト教の人間中心主義を考えると簡単でもないかもしれない。
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コペンハーゲン解釈を真っ向から否定、確率を否定する。宇宙が再び決定論に戻る(但し選べない)のがとても面白かった。Qビズムもとても気になる。まるで人間原理だ。
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決して易しい内容ではないが、量子力学について丁寧に解説されており、量子力学自体の入門書としても分かりやすい。
量子の振る舞いは、ニュートン力学が通用するマクロの世界の住人である人間には中々理解しにくいが、その不思議な現象はコペンハーゲン解釈と言われる説明が一般的で、他の量子力学の入門書でもこの説明がメインになっている。これに対し、著者は多世界解釈と呼ばれる別の解釈を採用しており、こちらの方が無理がないのだと主張する。たしかに、場面によってはコペンハーゲン解釈より良いようにも思われるが、世界が分岐するという考え方は、あたかも無限のパラレルワールドが現れるSF小説のようで、こちらも直観的には納得しにくい。
結局、どちらを取ってもマクロの世界に生きる人間には理解しにくいのであるが、多世界解釈は、量子力学でミクロの世界だけでなくマクロの世界をも説明しようという考え方があり、多世界分岐の気持ち悪さを除けば統一感があるようにも思われる。
ただ、まだまだ量子力学について学んでいかないと、そういう境地には達しそうもないが。
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そもそも正解のわからない領域で、どんな主張があるのか関心をもって読んだ。ハイゼンベルクの不確定性原理では、電子の位置と運動量は同時には確定できないという、古典力学では説明できない不可思議さに踏み込んでいる。これまでの主流は、コペンハーゲン解釈で、複数の可能性ある状態は観測した時点で、波の収縮があり確定する、という説。この波の収縮という解釈を導入することなく、説明する立場が多世界解釈であり、異なる状態の共存で説明していく。数々の疑問は解消されることなく、多世界という解釈で説明していく立場は理解できるが、納得はできない。ミクロな世界の不思議さの深さは人智では及ばないのでは、と再認識させられるテーマだと感じる。
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原子構造などのミクロな世界で成り立つ量子力学の法則。本書前半では、その成立の歴史や内容について数式を使わずに比較的分かりやすく説明してくれています。この辺を一読するだけならよく書けていると思う。
本書中盤ではさらに、量子力学の理論と観測結果がよく一致することは受け入れた上で、我々の巨視的なスケールでの直感に反する量子力学の解釈問題へと読者を誘ってくれます。この30年ぐらいの量子力学研究の最先端の状況を俯瞰できるでしょう。個人的には、理論をどう解釈したって、結果が一致しているならどうでもいいよ、と思っていたのですが、近年、理論の解釈の仕方によって結果が異なってくる実験が行われ、解釈が重要となっていて、それがノーベル賞受賞にも繋がっている。最近流行している「量子コンピュータ」の背景にも通じる量子力学の解釈の最先端には、SFなどで取り上げられる「多世界解釈」が真剣に議論されているようです。
本書終盤ではこの「多世界解釈」が科学的に何を意味しているのか、それ以外の解釈と何がどう違うのか、ということを何とか説明しようとしてくれています。でも、残念ながら門外漢にはさすがに簡単にその内容を理解できるようなものではなかったし、「多世界解釈」には無理があるんじゃないか、そう考えたところで現実の世界以外の他の世界が「干渉」してこないんじゃ証明できないわけで、考えて無駄じゃないのかなぁ、と思ってしまった。
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残念ながらよくわかったとはいえないが、たとえば地動説のような誰でも実感できるような説になるときがくるのかな?
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わかったような、全然わからんような、感じ。直観に反する現象を理解するのは難しい。不思議さ、面白さは伝わった。
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量子力学の何が不思議で、観測事実は何であるかが ある程度系統立てて説明されていて、一般向け入門書としては良い本だと思う。
コペンハーゲン解釈と多世界解釈のどちらが良いかはさておき、粒子と波の両方の性質を示す実験結果から、辻褄の合う理論体系をつくるのは大変だ!
・波の収縮:コペンハーゲン解釈では、人が見たら(認識したら)波の性質はその時点で消える
・エンタングルメント:一つのミクロな粒子が二つに崩壊すると、二つの粒子は必ず反対方向に飛び出す。片方の粒子の方向を観測すれば、もう片方の粒子の方向も判明する。
・デコヒーレンス:多世界解釈では、観測後も波は収縮せず、あらゆる状態は共存する。しかし観測した人を含めた状態は他の状態から干渉を受け無くなり独立に振る舞う。観測した人を含めて、状態は分岐したと考える。
・確率則:一回限りの出来事の確信度(競馬のオッズ)と、無数の対象についてのもの(相対頻度)がある。
昔から不思議に思っていることに、競馬のオッズは相対頻度に近づく事象がある。これも量子力学で説明できないのだろうか?
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量子論については、学生のころの1970年代に教養部の物理学の授業で学んだ程度であったが、それでも、「電子の動きは確率としてしか把握できない」と説明を受けたときには、量子論というのは実在論的ではないなあとの感想を持った。
量子力学がストンと腑に落ちるという代物でないことは今でも変わらないが、今回「量子力学の多世界解釈 ~ なぜあなたは無数に存在するのか ~」を読み、従来のコペンハーゲン解釈及び現代的コペンハーゲン解釈(Qビズム)よりは、多世界的解釈のほうがまだ腑に落ちた。
(内容紹介)
あなたが本を読んでいるとき、居眠りをしているあなたも同時に存在する!
世界は無数に分岐していて、あなたはそれぞれの世界に無数に存在している!
これはSFでも疑似科学でもない。第一線の理論物理学者たちによって真剣に議論され、現在では多くの支持を集めている考え方である。人間の直観に大きく反する量子力学をどう理解すべきかを考えたとき、標準的な解釈とされているコペンハーゲン解釈ではなく、この多世界解釈こそが、じつは最も「自然」で、最も「真面目に」量子力学に向きあう考え方であるといわれている。それはいったいなぜなのか?
さらに多世界解釈では「シュレーディンガーの猫」のパラドックスも取るに足らない問題として説明され、「量子もつれ」「遅延選択」「量子消しゴム」「Qビズム」などの新時代のテーマにも明快に答えられる。
量子力学で最もエキサイティングな「解釈問題」を誰にでもわかる平易なロジックの積み重ねで説明し、衝撃的な世界像を描き出すとともに、誤解されがちな量子力学の根本原理も正しく知ることができる、量子力学に興味のあるすべての人が必ず読んでおくべき一冊!
(本書の内容)
第1章 原子の世界
第2章 量子力学の誕生
第3章 光は波か粒子か
第4章 波の収縮と確率 ―― コペンハーゲン解釈
第5章 状態の共存から多世界解釈へ
第6章 同時進行する複数の状態
第7章 ボーア=アインシュタイン論争からエンタングルメントへ
第8章 光子の干渉実験
第9章 デコヒーレンス ─ 干渉性の喪失
第10章 世界の分岐
第11章 確率則
第12章 多世界解釈の世界像