紙の本
西太后は悪女か?
2023/02/09 12:26
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ニッキー - この投稿者のレビュー一覧を見る
中国史における三大悪女の一角に西太后が鎮座しています。東太合を人豚にしたというような話は、構成の作り話です。本当の、素顔の西太后はどんな人物だったか。本書は、西太后に二年使えた女官の回想記です。西太后のホントを良き材料となるでしょう。
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やっぱり西太后って、面白い人だ
2023/06/01 13:12
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投稿者:ふみちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
義和団事件にどう西太后が関わっていたのか、という点だけでも面白い手記。その他にも戊戌政変のこと、陰険な宦官のこと、光緒帝のこと、豪華な食事のこと、贅沢な日常生活のこと、いろいろなことがわかる
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たまたま並行して読んだ「地図と拳」で中国三昧の読書になりました。
この本を読むまで、西太后という人がどんなに歴史に影響を及ぼした人が忘れていた。
大国である清の宮廷がどんなだったか興味を持ったのですが、筆者の徳齢と西太后そして清の皇帝やその人事を大変興味深く読みました。
日清戦争で日本がなぜ勝利できたか、その賠償金で次に向かったこと、諸外国が中国との貿易で得たもの。史実とは異なった平和と共同で進む道はなかったのかと残念に思う。
それにしても戦争の予算よりも西太后の予算が多く優先順位も高いとは、どうかしているとしか思えない。ホントか嘘か妃殺しや、朝鮮の閔妃事件など、この大陸は賄賂と寝返りが染み付いているとしか思えない。
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上半期一番のノンフィクションにして読み物だった。
パリ帰りで西太后に仕えた令嬢の回顧録だが、当時の清朝廷の文化や風習が克明で、着るもの食べるものという私の好物も満ち満ち。150品の食事、一日何度もの着替えとその都度のアクセサリー選び、謎のしきたりに女同士、また宦官から受ける嫉妬…。大奥だぜー。
かなりワガママで難しい西太后というばあさまに、忍耐と機知でもって接し、お気に入りの女官になった主人公・徳齢だが、2年ほどの職務の後はまた海外に出、この手記をものして自らプリンセスと名乗り豪奢な生涯を送ったそうで、心からのもののように描かれる西太后への慕情は果たして心からのものだったのか、などなど、後々まで考えて楽しめる。
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著者の目を通して見た当時の清の宮廷や西太后の日常が描かれており、非常に興味深い反面読み物としては起伏に乏しく退屈。
終盤、書かれている言葉とは裏腹に西太后から心が離れていく著者の様子が何となく感じられる。