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全く触れたことのない世界の音楽についての本だったのでついていけるか心配だったけど、19世紀から現代に至るまでカウンターカルチャーの盛り上がりにはオカルトが常に影響を与えていた、という繋がりがわかりやすくて自分の中でストン、と腑に落ちた。
圧倒的なキリスト教的世界に対するカウンターとしてミュージシャンやアーティスト、知識人が魔術や異教を求めるのはどの時代にもあって、そこにそれまで積み重なった歴史と新しい技術が加わることでまた新しい流れが生まれる…というの。こことここが繋がるとこんなものが生まれるの?!という面白さ。ここで概説、紹介されたものを入り口にまだまだ深い世界がありそう…というワクワク感がある。個人的には日本の60年代新宿〜ヒッピー時代の話も興味ある。ナチスと魔術師の辺りの話もコミックで読みたいのあるからも少し勉強したい。
この流れを踏まえると『怒れる女たち』で書かれていた男性の文化が圧倒的に強い世界で魔術やオカルトの影響、ドラッグ、エイズ、フェミニズムの影響の下、90年代初頭の女の人達が何を感じ、何を表現しようとしていたか、というのがより興味深くなったというか。そういう表現をするのはこういう流れがあるからなのか、みたいなのがよりわかってきてあ〜本当に色々繋がってるんだなって。女の人側がどういうことをしていたのか、というのはやっぱり興味がある世界。
あと、ここでも「ヒューマニズムとは共有虚構である」(ユヴァル・ノア・ハラリ)という「物語性」と「虚構を信じる力」についての言葉を拾ってて。
これからどんな「神話」が紡がれ求められていくのか、誰がそれを作るのか。というのは注視しながら生きていきたい。面白いのを作るは手伝いたい。