宇宙の「終わりまで」
2024/09/10 07:11
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:福原京だるま - この投稿者のレビュー一覧を見る
宇宙の始まりから終わりまで、生命の誕生から人類の思考、芸術、宗教まで物理学の視点で統一的に語られており面白い。
投稿元:
レビューを見る
エントロピーと進化を主要な動力源として考える粒子のパターンの遍歴を扱っている。
個人的には、星の核融合がエントロピーと重力で説明できることに感動した。
全く違う内容の小話なのだが、途切れることなく語る著者の力量にはただただ感服する。
ちょうど母親が入院中で、心細いときに、この壮大なまでの時間スケールを見て、不安感や焦燥感も感じた。
時間の始まりの方がよく話題になる中で、終わりをテーマとするのが面白いと思った。ただ疑問なのは時計の問題だ。何を根拠に時間を測っているのかわからない。太陽系がなくなれば年単位の時間もなくなるはずだ。
にしても、自分の有限性を知るとともに、自分のいない世界まで思考できるのはなんだろう?それこそ、進化に適応的だったのだろうか?
投稿元:
レビューを見る
ブライアン・グリーンさんの本はどれも好きで、今回もとても楽しく知的好奇心を満足させてくれました。理系の本格的な本と違って、文章も文系の私でも入り込みやすく読みやすく、読んでいてとても心地よいのに知識の恩恵が受けられます。思い返したときに何度も読み返したい本です。
投稿元:
レビューを見る
理論物理学者のグリーンが描く宇宙の誕生から死への旅路。生命は必ず死滅する。生命だけでなく原子も電子も素粒子も死滅する。そんな膨大な時間の未来を描いてくれる。宇宙の誕生や生命の誕生は読んでいてワクワクするけど、死に向かっていく宇宙や心の話は、ちょっと重かったな。本も560ページもの厚さだった。疲れた。
投稿元:
レビューを見る
熱力学第二法則の説明にも軽い興奮を覚えたけど、それが宇宙の成り立ちのストーリーにまで発展することに本当にワクワクさせられた。頭の良い人にありがちな、話の論理展開が飛び過ぎてて追えないということがなく、同じことを様々な角度から適切な比喩を持って解き明かしてくれるので、素人にもリーダブル。
他方、専門外と思われる分野への言及は少し説得力に欠けていたかも。
投稿元:
レビューを見る
この著者のこれまでのものに比べると、対象がより一般的・普遍的になっている。これまで得た、量子物理学の知識をもって、空間や時間など、より、ある意味で身近なものを取り上げて考察した一冊。
著者のこれまでの専門的な著作のような緊張感はあまりなく、言い方は正しくない気がするが、哲学的な話題について著者なりの科学的なアプローチで迫った、世界とは何かについての書、といった印象。
投稿元:
レビューを見る
エントロピーやビッグバンを見つめる物理学者の視線そのままで人間や言語、宗教までを視野に入れ、宇宙の誕生から週末までを一貫した視点で描く。この本が成立するという事実それ自体が特筆すべきだと思う。科学書と言うよりは科学者の思う哲学書という雰囲気で、私の哲学・考え方はこの著者に近いものがあると言っていい。ただ、もう少し踏み込んで一歩先を描いて欲しかったというのも正直な感想。神を信じる人にはとても受け入れがたいと思われる終末をあなたはどう思うだろうか。