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日露戦争の勝利によって、太平洋の制海権を手に入れた日本。西海岸が太平洋に面するアメリカが、新たな脅威となった日本に対してとった行動は、主力海軍の世界周航。
時の大統領、セオドア・ルーズヴェルトが強引に進めた大計画。その開始から終幕までを描いた「白い艦隊」。アジアの端っこの小国日本がロシアに勝利したということが、どれだけの衝撃を世界に与えたのかがうかがえます。
世界周航で各国との外交ルートを強化し、同時に海軍の実地訓練もこなす、という目的を達成してしまったのは、壮挙でしかないのでしょう。これ以上ない示威という結果になりましたが、紙一重で自慰で終わった可能性もあったのではないか、と思います。艦隊出発までは、そんな批判もあったのではないか、と邪推してしまいます。
日本語の言葉遊びですが。
強権発動、結果よければ全てよし、の一面もあるので諸手を挙げての賞賛はできないけども、それを封じ込めるほどの実績を上げてしまった、という「白い艦隊」。