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3部作のうち、前2部作を読みました。
食肉用の豚の話と食肉用の鶏の話。
きっとここに書かれていることは紛れもない真実であり、肉食をする我々が目を背けている大きな問題であると思いました。
読み進むにつれて、人間の残酷さに胸がムカつき、ため息が出ました。
食肉となる動物の一生など、それほど考えたことがありませんでした。イメージとしては、牧場で伸び伸びと過ごす動物たち…
しかしながら、この本を読み、実際はそう穏やかではないことが分かりました。
安価で手に入れやすく、そして臭みもなく、柔らかな肉を人間が欲することにより、それに応えるべく無理な品種改良をされ、収容所のごとく自由の無い鶏舎や豚舎の中で一生を終える動物たち。
あるいは、生育が悪いと出荷まで辿り着けず、コンクリートの床に頭を打ちつけられ、それでもまだ死ぬことができず、ゆっくりゆっくりと死んでいく鶏や豚たち。
生き物の生を侮辱している。
畜産の工業化は、動物たちの健やかなる生活を奪い去ってしまった。
豚肉や鶏肉、牛肉を日頃から慣れ親しんで食べている全日本国民に一読してほしい本です。
図書館で借りた本で、期限までに読み切ることができず、3部目のみ読んでいません。3部目は卵を産む鶏の実際を記録したものだったと思います。
機会があればぜひ3部目も読みたいです。
ひとまず、感じたことを忘れないうちに、ここに感想として残します。
家畜として生きる動物たちの一生は短いかもしれません。ですが、それでもその中で動物の本来の姿らしく、自由に生活が送れる環境を用意することが、我々人間にできるせめても行いだと思います。
この本が大勢の人に読まれ、動物倫理について考える入り口になればと、心から願います。
素晴らしい本に出会いました。
ありがとうございました。