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投稿者:らうら - この投稿者のレビュー一覧を見る
しずかに。しずかに
こころに響きます。
時と空間を超えて一緒に願いをかなえていますように
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投稿者:エムチャン - この投稿者のレビュー一覧を見る
三上と塁の関係がイイ!これ、太平洋戦争中、ラウバルの戦時下だからよけい、いいのかも知れません。時代が、令和なら、ちょっと違う感想持ちましたね、きっと。本当に切ない時代。だけど、イイ!というのが、読了感です
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1945シリーズ 復刊おめでとうございます。
旧版も手元にありますがなかなか読めずにいた本作。
"聞け。ローレライの声を"
p.299の一節が心に残っています。
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尾上与一 1945シリーズ
待望の復刻再販。書下ろし掌編付
みんみん、再販教えてくれてありがと。
4作連続刊行第一作。
時代設定は、太平洋戦争中期
舞台は、ラバウル航空隊
家族の辛い過去を背負い、戦績を上げることで、家族の名誉まで回復する為だけに飛び立つ戦闘パイロット、塁。
彼の専属整備員となり、心身共に支える三上。
二人は、徐々に認め合い、自分の死をも厭わなかった塁に戦争後の人生の夢を持たせる。
ローレライと呼ばれた果敢なパイロット塁が、初めて自分の感情に素直になれた時、彼の零戦は静かに海を漂う。
想像していた以上に文学だった。キャラ文庫なのに!
書下ろしSS「面影」は、塁が三上の写真をどうにか手に入れようとするお話で、きちんと時代設定と相まって、程よくBL心をくすぐります。
あとがきで、日時と人物が特定されやすいジャンルでの架空性を大切にしたとありました。
架空であっても 現実の厳しい戦地で何かしらの支えがあって欲しく思いました。
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「もしも叶うなら、魂だけでも連れていってほしい」
なんつう純愛!!私も言われてみたい!(のっけから錯乱状態)
お世話になっているおびのりさんの感想を拝見し、尊敬しているラバウル航空隊を描いた作品との事で、同じくお世話になっているみんみんさんからのお勧めも頂き飛び付きました。
流石はブロンズお2人のお勧め、久々に涙腺崩壊しましてバーガーキングの隅っこで1人そっとポテトに涙を落としていました(いまいち文学的にならない)
全て架空の名前にしてあるのでかの有名な岩本さんや坂井さんは出て来ませんが、彼らに迫る撃墜数を誇るのが主人公の三上が恋する塁です。
零戦乗りの搭乗員として空で戦う塁。戦闘機の整備士として、敵から空爆を受ければ一巻の終わりの三上。2人ともそれぞれ違った形でお国の為に命を賭けています。
恋愛物語なのですが、それだけでは括れないような文学です。
ラバウル基地の最後の方の苛烈さとボロボロになって行く零戦を知っているので、辛い展開になるんだろうなと覚悟はしていたのですが。
あかん、もうのっけからキツイ…。三上…!!涙
時は真珠湾攻撃後、まだ日本軍が破竹の勢いで南を制圧していた頃から始まります。当時24歳の整備士であった三上は完全に日本の占領下で比較的安全なラバウル基地に配属に。制空権も取られていないので移動中の飛行機で気を抜いていた所、なんと空中戦が行われている方角へと突っ込んでしまい敵機に狙われてしまいます。乗っているのは整備士と通信兵なので備え付けの機銃で応戦するも手が出ません。
そこへ何処からかピーィと言う鳥のような音を立てて味方の零戦が一機到着。これが壮絶な戦闘スタイルであっという間に敵機を蹴散らし、敵機のアンテナまで器用に切って行く。
船を沈める幼女に準えて「あの機体は何故か歌う。あの音が聞こえたらローレライに沈められる」と噂されている有名な零戦だと聞かされた三上ですが、旋回する時になる音が整備不良のせいではないかとどうしても気になります。
あのような無茶な飛び方をしているのにあんな音を立てていては敵機にも見つかるし、いつか撃墜するかも知れない。
三上は正義感が強く整備士としての誇りを持っているので、操縦士の名が分からない為に命の恩人を救おうと通信兵に『ローレライへ』と宛てて整備不良だから点検しろと連絡して貰います。
これが三上と凛の出会いでした。
その後、上官と揉める凛を助けに入った事をきっかけに三上は異例の専属整備士となります。訳あって人に心を開かず気も強いので、腫れ物のように扱われたり嫌がらせを受ける塁に、ただ1人真摯に怒ってくれたり誠実に接してくれたり助けてくれたりする三上…
こんなの、惚れてまうやろぉー!!!
心に深い傷を追って死に場所を求めるように飛んでいた凛なら尚更ですよ。
最初は専属なんて、と渋々引き受けた三上ですが、凛に惹かれて行くうちに他の整備士には凛の機体は触らせないとか言っちゃう三上。可愛い。
中盤までお互い好きだとも言わないんですが、自然に思いを通わせて行く描写がとても良くて、い���も一人ぼっちの凛を夕食後に見つけて連れ出したり、三上が凛の時計を直してあげている間、いつの間にかやって来る凛が後ろで静かに寝転がっていたり、しかも他の誰かが来るとそそくさと消えるのに三上だけになるとまた戻って来てゴロンとしたり、2人とも可愛すぎて普段足りていないロマンス熱が満たされてしまいました。(小説で保管してしまうから駄目なのか…?)
でも戦時中なので凛には度々出動命令が出ます。凛の乗る零戦を冒頭のような思いを胸に秘めて見送る三上が切ない!そして美しい!
そう、本作は戦場を描いた物語なのに不思議と美しいんです。南の島が舞台なので場所自体に独特の美しさはあるんですが、尾上さんの描写が繊細で素晴らしく、戦時中でも美しい景色が有り有りと浮かび、まるで自分もラバウルに居るかのような錯覚に陥ります。そしてそこに少しの哀愁まで漂わせる筆力。
特に美しかったのは塁がちょっと過去の事でしょんぼりして桟橋に座って海水に片足を浸しているシーン。
夜行虫が凛の足元を青白く照らす様子が幻想的でなんと言うロマンティックさ!後から三上がやって来るのですが、もうこんな素敵なシチュエーションなんだからぎゅっとしてチューしたら良いよ!多一郎さんなら押し倒してるぞ!(急に蛇を出してくる)と出歯亀のような事を思いましたが、まだ2人は清い関係なのでした。
2人に幸せのお裾分けを頂いてましたが、やはり避けられない戦争の濃い影…。
三上と違って実際に戦場に出ている凛は、どんどん日本の零戦が叶わなくなって来ている事を肌で感じています。米軍は工業力の発達が目覚しい上に数で物を言わせて来ます。日本の操縦士の腕は素晴らしいのに性能的に叶わなくなって来ているのに加え、日本は物資不足で零戦の部品がどんどん粗悪になっていきます。
この辺りとてもリアルでよくお調べになっているなあと感心しつつも2人の行く末が不安に…。
凛が空中で戦っているシーンもかなりリアルで、これが来る度に冷や冷やしていました。
そんな中、漸く結ばれた2人ですが、こんな切ないラブシーンあるだろうか。戦争映画の名作『二百三高地』のラブシーンも相当きましたが、この頃になると凛は基地に居る三上を守る為だけに航空病に悩みながらも敵と対峙しています。
前述したように凛は日本がもう保たなくなるかも知れないと危惧していますが、未だ日本の勝利を信じている三上に告げる事は出来ません。自分に出来るのは一機でも多く敵機を撃墜し、三上を守る事。
「残された時間の全てを三上で埋めてほしい。時間がない。あと何回抱き合えるかわからない。」
誰か助けてー!!まだ20歳やそこらの青年がこんな切ない想いを胸に飛んでるなんて!!
キングバーガーで項垂れる私。傍から見たら相当怪しかっただろうと思いますがこっちはそれどころじゃ無いんです。
どんなに熾烈な現状でも、三上を守る為には敵を何としても撃破せねばならないと、また凛が命を賭けて1人で蒼穹へ飛んで行ってしまった!
零戦の中で三上を想いながら操縦桿を握り旋回する凛…
零戦かっこいい!とか何時もなら不謹慎にも思ってしまう所ですが、切なさゲージが振り切れて、もうね、ただただ帰っ��きてくれと願いましたよ…。
そしてやって来てしまう終戦の時。
平和なバーガーキングの片隅で1人戦場跡に取り残された気持ちに。
その後に続くラストの場面も三上の一途な想いが丁寧に書かれていて、読み終えた後盛大な溜息を吐いてしまいました。最後まで本当に美しい物語でした。
このシリーズは1945年シリーズと呼ばれているらしく、これから3巻連続で刊行されるとおびのりさんに教えて頂いたのですが、みんみんさんが仰るには発売の順番が違うそうで、一旦絶版になっていたので中古で高値が付いているとの事。
確か本作は中古で1万円もしたと思いますが、何故かこの『蒼穹のローレライ』は単行本で再販していると勘違いしており、図書館には絶対入らないし2500円位するだろうから中古であれば助かるなーと思ってましたが、文庫でした。有り難くあと3冊も買わせて頂こうと思います。
再販の文庫には書き下ろしが載っていましたが、必死に三上の写真を欲しがる凛にほっこりさせて貰いました。
あのシーンに繋がるとは思わず、また涙腺やられそうになりましたが。
おびのりさん、みんみんさん『蒼穹のローレライ』最高でした。お勧め頂きありがとうございました!BL文学の金字塔と呼ばれるだけの事はありますね。男同士ならではの切なさが溢れていて鷲掴みにされました。
また面白い作品ありましたら教え下さい♪
あ、言い忘れていましたが本作はBL本です。(もう分かってるって?)
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文庫化にて再読。
読んでるからわかってるけど!
戦後一人で塁の事をひたすら思い続ける三上の話から始まるから死んじゃうのはわかってるけど!!
悲しすぎる。゚(゚´Д`゚)゚。
天球儀のユキが健気受けなら塁はツンデレ♪
もう野良猫が自分だけに懐くって…可愛い♡
零戦と共に消息不明になる塁
塁の死を受け入れられずに生きる三上が切なくて泣ける…
ラストで号泣ですよ(꒦ິ⌑︎꒦ີ)
書き下ろしは可愛いお話でした♪
このシリーズで一番好きかもしれない…
次はなんだ?碧のかたみ?
ユキの兄ちゃんの話ですね〜o(*'▽︎'*)/☆゚︎'パチパチ