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マネジメント
経営の神様、ピーター・ドラッカーの業績を後世に伝える「ドラッカー名著集」完結編。1974年、ドラッカーは本書において、独自の経営論を体系化し、ドラッカー経営学というべき大著に仕上げた。本書では、マネジメントが成し遂げるべきミッションと実際の仕事の方法、そして組織が果たすべき社会的責任の本質を述べる。
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2011/02/11 15:16
社会をドライブするもの
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:kc1027 - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書第16章-仕事と働くことと働く人たち-と題された章にこうある。
「仕事とは客観的なものである。なされるべきものである。そこにあるものである。したがって、仕事には物に対するアプローチをそのまま適用できる。そこには論理がある。それは、分析、統合、管理の対称となる。」
これに対して、こう続く。
「働くことすなわち労働は働くもの自身の活動である。それは人の活動である。人の本性である。論理ではない。」
労働の側面には、
1.生理的な側面
2.心理的な側面
3.社会的な側面
4.生計の資の側面
5.政治的な側面
があって、それらのいずれの側面においても、働く者が生産的な存在たるためには、成果をあげなければならない、とドラッカー先生は語る。
管理可能な仕事というモノを、複雑な側面を持つ労働によって、成果へと昇華させていく、そのプロセスに組織があってマネジメントがある。課題があり、責任があって、実践が必要となる。
『もしドラ』によってマネジメントがブレークしたこの社会は、好むと好まざるとに関わらず、老若男女が課題を責任を持って実践するステージに突入している。ハプスブルグ帝国の官僚支配とヒトラーの専制支配を生身で味わった20世紀の泰斗が、それに代わるものとして人類のために生み出した『マネジメント』は、現代の論語として、ケータイという人体の拡張器を手にした21世紀人類によって日々の実践段階に到達した。
女子高生までがマネジメントを語りだしたこの国は、その先端にいてポスト産業資本主義社会の行く末を左右するポジションにいるわけだが、自らを社会生態学者と位置づけたドラッカー先生にとっても、日本は興味深い社会であったようで、明治維新や渋沢栄一の事業、大戦後の高度成長をひとつの成功例として紹介している。そして今、世界史に類を見ない少子高齢化社会に突入したこの国にとって、そんな近い将来が見えてしまった我々にとって、それを知りながら害をなすことは許されなくなってしまった。
とはいえ、人は弱い。悲しいほどに弱い。とドラッカー先生も語る。
それでも、人はその強みゆえに働く。組織は人の強みを発揮させるためのもので、生理的・心理的・社会的・経済的・政治的な障害を乗り越えて実践できる人は、自分なりの居場所を見出し、創り出せた人だろう。それは学びさえすれば誰にも出来ることだと、ドラッカー先生は語り続ける。人類社会はこういう人の仕事によって、これからもドライブしていく。
2019/05/06 11:05
往年の名作・・・
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投稿者:まっしゅ - この投稿者のレビュー一覧を見る
一部には「バイブル」とも呼ばれているマネジメントは、エッセンシャル版なるものが広く書店で出回っているが、それの元となっているのがコチラの書籍である。上中下巻に分かれていて3巻合わせるとかなりの分量となる。エッセンシャル版との違いはエッセンスとして凝縮されてしまった言葉たちのそれぞれの成分がわかることにある。
エッセンシャル版が読みにくくて断念した過去を経て、現在敗者復活的に読み始めているのだが、こちらの方が幾分か読みやすいように感じる。