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喪失記(角川文庫)
  • みんなの評価 5つ星のうち 3.8 2件

電子書籍

喪失記

著者 姫野カオルコ

五年間、一度も友人と食事をしたことがない。他人と話をするのは、月二度程度という静寂だけの日々。――理津子は男に飢えていた。カトリック神父のもとで育った彼女は、恐ろしいほど規律正しい厳格な生活が、骨の髄まで染みついている。他人に、自分に嘘がつけない。誤ちには厳しい戒めもいとわない。そんな理津子の前に、本能の赴くままに生きる男・大西が現れて……。子供から大人へ――。精神と肉体の変化、個人と社会との関わりを残酷なまでに孤独な女性を通して描ききる。

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みんなのレビュー2件

みんなの評価3.8

評価内訳

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紙の本喪失記

2001/10/31 17:38

理津子の気持ちが痛いです

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:すいか - この投稿者のレビュー一覧を見る

 主人公の理津子は女としての自分にとても、自信がない人なんだなと思いました。潔癖性で神経質で相手の気持ちを考えすぎる理津子はとても生きづらい息苦しさを、毎日何年も感じていたんじゃないかな。大西という辛い事を語り合える相手と出会えて本当に良かったと思う。例え、恋人という形じゃなくても。ずっと自分を律してきた理津子はさみしさ、弱さ、女であるということへの抑制などに気付く。読んでてとても切なく痛い話だった。この後理津子が今より生きやすく、幸せになれるといいなと思った。

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紙の本喪失記

2001/03/13 22:35

美味しそうな小説No.1

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:マル - この投稿者のレビュー一覧を見る

 とにかく食事の描写がすごい。誰とも会わない静かな生活を送っている主人公の理津子が偶然出会った男・大西とただごはんを食べるシーン。焼肉、天ぷら、寿司、パスタ。なんてことのないありふれたメニューだがとてつもなく食欲をそそる。食べることがこんなにも官能的だとは。ひとと関わること、ひとりでいることはどういうことか。孤独な理津子の甘えたところのない潔さが美しくも痛ましい。大西と出会えてほんとうによかったと自分のことのように嬉しく感じた。「ひとりでいることが好き」と言うのが好きなひとにこそ読んで欲しい小説。

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