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漂泊者
著者 著者:風間 一輝
殺人罪の時効は十五年。もうまもなく時効が成立する男が、いまお前たちの目の前にいる。俺だよ――私立探偵の室井。横浜の養護施設新設を計画したら、周辺の住民から反対運動が起こった。しかも牧師や信者にまで嫌がらせが始まったという。調査を依頼された室井はその背景を洗い出していくが……。池袋のさびれた裏通りにある古アパートの住人たちの人生を中心に据えた“風間ワールド”シリーズ。不器用だけれど、どこかいとおしい男たちを描いた傑作長編ハードボイルド。
漂泊者
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紙の本漂泊者
2002/05/07 11:07
ハードボイルド。
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投稿者:亀豆 - この投稿者のレビュー一覧を見る
殺人罪の時効まで後もう少しの逃亡中の男、室井。
私立探偵をしている彼の元に依頼が舞いこむ。横浜の教会が養護施設新設を計画したところ、周囲の住民から反対運動が起こったという。そして、協会側の人間に悪質な嫌がらせが始まったので、背後関係を調べて欲しい、と。すると、そこには暴力団の介在が明らかになるのだが…。
調査に絡み、室井は、12年前サハラで助けた男、国分と再会する。国分は暴力団の組長になっていた。
そんな二人が、コンビを組みつつ事の全容を明らかにしていくお話。
向こうから襲いかかってくる厄介事をも上手く利用してしまう強かさ。
ミステリー的要素もアクション要素もあり、面白い。
お互いの気持ちが再び出会わせたのか、肉体的にも精神的にも強いが孤独な男二人の再会の物語は、最後までどこか温かさがあって、味わい深い。