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花嫁の指輪
「はじめてお目にかかります」。赤い自転車に乗ってきた不思議な女性。彼女と会ったのは、おかしな手紙が縁だった。同封されていたのは確かに僕の小学校時代の遠足写真。だが、彼女とは絶対同級生ではないのだ――。モノトーンの映画を観るような物静かな存在感に満ちた作品「遠い記憶」ほか「クジラの夏」「海岸の家」「家族」「橋を渡る」「夏の終わり」「白い街」「冬の時代」を収録。ノスタルジックなエッチングと文章が現実と創作を解け合わせ、胸を騒がす。沢野ファン必読の半自伝的短編集。
花嫁の指輪
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紙の本花嫁の指輪
2002/06/23 13:39
一本とられたと思った、本
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投稿者:りゅうこむつみ - この投稿者のレビュー一覧を見る
この本を読んで「やられた!」と思った。沢野氏の人柄あふれるなんとなくすーっと流れていきそうな日常。しかし会話はさらりと流れながらもひとつひとつにあふれる何かがある。
なんて何気なく書いているんだ。
なのに、どうしてこんなにも、気になってしまうんだろう?
タイトルにもなっている『花嫁の指輪』はとっても短い話で、奥さんとのことを書いたものだが、これがまたすごくいい。
素っ気ない中にも、暖かさがある。一貫してそういう話なのである。