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遺品(角川ホラー文庫)
  • みんなの評価 5つ星のうち 3.4 3件

電子書籍

遺品

著者 著者:若竹 七海

失業中の学芸員のわたしに、金沢のホテルの仕事が舞い込んだ。伝説的女優にして作家の曾根繭子が最後の時を過ごし、自殺した場所。彼女のパトロンだったホテルの創業者は、繭子にまつわる膨大なコレクションを遺していた。その整理を進めるわたしは、彼の歪んだ情熱に狂気じみたものを感じていく。やがて起こる数々の怪異。繭子の呪い? それとも……。ひたひたと忍び寄る恐怖に次第に侵食されていく日常。絡み合う謎の正体は?! ドラマチックな長編ホラー。

遺品

691 (税込)

遺品

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評価内訳

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紙の本遺品

2003/01/21 19:55

作家の品(ヒン)ていうのは、ホラーを書いても出てくるんだよね。

4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:みーちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る

書店の文庫コーナーに角川のホラー文庫が並ぶ様は、かなり迫力がある。出始めの頃は、あまり評判にならなかった気もするけれど、ホラーブームが定着したせいか、新作やアンソロジーもどんどん追加されている。じつは若竹七海がホラーを書いているとは思ってもいなくて、そのコーナーにこの本を見つけたときは驚いた。

茅ヶ崎の美術館を解雇され、新しい勤め先も見つからない「わたし」。この最後まで名前で呼ばれることも無い「わたし」が語るのは、そんな自分に差し出された金沢近郊のホテルでの、美術館の学芸員のような仕事。観光客の目を惹き付ける企画がほしい、そう願うホテルが考えたのが亡き会長が集めた女優曽根繭子の記念ミュージアム。亡くなった女優の遺品などを公開して、客を呼ぼうと言うものだった。

自分から好んで遺品の整理のために土蔵に閉じこもり、ひたすら仕事に励む「わたし」。自分の周りに起きる事故、火災。繭子の服を着て出没する謎の女性。彼女に嫉妬するホテルの支配人や同僚。そのなかで彼女を見守る勝瀬タケル、かれとのロマンス。話は予想もしなかった結末。ホラーと書いてあるけれど、ハードなものではない。どちらかというと如何にも日本的なもので、若竹らしいといえる。

あらためて「わたし」の名前を探して本を読み返したけれど、どこにも姓名は出てこない。五月末から七月末までを六つに分け、プロローグとエピローグをつけた構成もふくめ、かなり考えた構成なのだろうと思う。ともかく静かな展開がいい。トマス・ハリスの『ハンニバル』とは全く違うが、何度でも読み返すことが出来る。伏線が張ってあるとか、そういうものではないけれど、流れが自然。若竹七海は、ホラーを書いても品がある。

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紙の本遺品

2001/12/18 10:55

やっぱり、ホラー文庫だ。

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:クラリス - この投稿者のレビュー一覧を見る

 女優フェチ? の実業家? の遺品を管理して、展覧会を開く学芸員の女性にまつわる不思議な出来事の数々。読みやすく、徐々に引き込まれていくのだが………。
 あくまで角川のホラー文庫であり、推理小説ではない?? ことに注意して読まなければいけない。ついつい犯人は誰かとか、どんな謎解きがあるのかと期待してよんでいくと、だんだんと超次元の怪奇の世界に入っていき、こんな結末あり? と思ってしまう。何だか、入り口は事件であり、謎解きなのに、だんだんと怪奇ホラーの結末になっていくところが、以前ブームになったツインピークスに似ている展開???? だ(誰か覚えている?)。長編小説であり、事件、動機、謎解き、探偵役と一応に要素はそろっているし、舞台設定が学芸員という特異なだけに、怪奇ホラーではなく、推理ミステリーで展開して欲しかったと個人的には思う。ということで★は3つ。

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紙の本遺品

2001/02/05 17:40

ミステリーコーナーより

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:若竹七海 - この投稿者のレビュー一覧を見る

 デュ・モーリアのようなゴシックロマンを書きたかったんです。久しぶりに女性の1人称だったこともあり、興に乗って1か月で書けました。とはいえ、ヒロインの性格が竹を割ったようで、全然ゴシックらしくない……なぜだ。

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