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飛ばし~日本企業と外資系金融の共謀~
著者 田中周紀 (著)
「飛ばし」とは含み損が発生した有価証券を決算期の異なる企業に簿価(購入時の価格)で一時的に引き取ってもらい、決算期を越えたら買い戻す取引のこと。時価会計基準の導入以降、「飛ばし」は過去のものになったはずだが、オリンパス粉飾決算事件によって再び世の注目を浴びる。「飛ばし」で問題の隠蔽を図る日本企業の経営者の体質と、金融工学を駆使し、そうした日本企業を食い物にしてきた外資系金融機関の実態を暴く。
飛ばし~日本企業と外資系金融の共謀~
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飛ばし 日本企業と外資系金融の共謀
2013/03/20 12:59
飛ばしの歴史
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:sskkさかた - この投稿者のレビュー一覧を見る
日本企業の飛ばしの経緯
2015/10/18 11:19
とても詳細な内容で、引き込まれた
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:keiko - この投稿者のレビュー一覧を見る
粉飾発見のための財務分析に関する本とは異なり、当事者の心理やそれを利用する外資系金融機関の動きも事細かにかかれており、引き込まれていった。
飛ばし 日本企業と外資系金融の共謀
2013/03/31 17:46
タイトルが刺激的なので、読んでみました。
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:龍. - この投稿者のレビュー一覧を見る
タイトルが刺激的なので、読んでみました。
証券スキャンダルに山一、ヤクルト事件にクレディスイス、最後はオリンパス事件といった証券などを巡る経済犯罪の実態を描いた本です。著者はフリージャーナリストの田中周紀氏。実際に取材をしていた事件も多く、真実味があります。
「飛ばし」とは、株式など証券の取引で発生した損失を、自社の決算書上に載せないようにするため、帳簿外に飛ばしてしまうことをいいます。
基本的な仕組みは、含み損がある証券の塊であるファンドを帳簿価額でだれかに売却。含み損を持っているファンドを帳簿価額で買い取るわけですから、売り手はその時点では損得ゼロ。買い手はむざむざ損をするわけがないので、手数料やM&A、海外ファンドやタックスヘイブンなど売り手と一見関係のないところに飛ばすわけです。
そもそもが無理な取引をするので、かなり高度な金融工学を駆使してごまかす様子が描かれています。
バブル崩壊後に抱えた巨額損失を表に出ないようにするために、この国のエリートが知恵を絞って行う隠蔽工作はかなり手が込んでいます。しかし、全く経済的に富を生まないごまかしに頭のよいエリートたちが血道をあげているのはかなり滑稽な状況です。
どのケースも結局最後は、そのごまかしがばれ破たんすることになるのですが、そういう悲劇の原因は人間の弱い心。どのケースでも早いうちに損失を公表していれば、ごまかしによる二次三次の損失は避けられたはず。本書で出てくる飛ばしに関わった人達は、どこかで「覚悟」が足りなかった人ばかりです。
エリートであっても、正しい心をもって経営にあたらなければ失敗する。
よい教訓ですが、これからもこういう不祥事は出てくるのかもしれません。
龍.