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つばめや仙次 ふしぎ瓦版
著者 高橋由太 (著)
本所深川(ほんじょふかがわ)の薬種(やくしゅ)問屋つばめやの次男坊・仙次は、店にも出ず遊び暮らす極楽とんぼ。怪しげな事件に首をつっこんでは、瓦版にして売り歩く変わり者だ。そんな仙次のもとに「死人を蘇らせる拝み屋がいる」というネタが飛びこむ。さえない小男で、そんな力があるとは思えないのだが……。真相を探る仙次と幼馴染みの剣士・梶之進(かじのしん)は、とんでもない事件に巻きこまれてゆく!
つばめや仙次 ふしぎ瓦版
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紙の本つばめや仙次 ふしぎ瓦版
2011/11/14 02:25
作者は「米櫃」と「お櫃」の区別がつかないのだろうか?
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:saihikarunogo - この投稿者のレビュー一覧を見る
拝み屋の八兵衛という、なかなかおもしろそうな人物が登場する。作者が永代橋の由来など説明した文章の後で、その永代橋で、四つん這いになって、
「あっしの鰻がッ、あっしの鰻がッ」
と騒いでいる男を、見るに見かねて、主人公の仙次が手伝って、落とした鰻を拾ってやる。それが八兵衛との出会いで、八兵衛は感謝して、仙次の親友の梶之進の道場で、鰻の料理を作って御馳走する。そのときの描写がおかしい。
仙次と梶之進の前に、八兵衛が、出来上がった鰻のかば焼きと、丼と、「米櫃」を持ってきた、と書いてあるのだ。
あれれ?なんで、米櫃?今から御飯を炊くの?変だな……と思ったら、すぐ次の行で、八兵衛が、
>「焼き立てを食いやしょう。飯は、少々、冷めちまってますが」
と言う。さらに、二行あとに(その「米櫃」は梶之進の家の「米櫃」なので)、
>ただでさえ貧しい自分の家の飯を勝手に持って来られた
と書いてある。
ここに到って、作者は、「米櫃」に「飯」を盛ってきたと書いているのだと、私は理解した。
それはおかしい。「米櫃」は、御飯を炊く前の、生米が入っているもので、炊きあがった御飯を入れておくのは、「お櫃」だ。
そんなもの、江戸時代まで戻らなくても、自動車や飛行機が使われ、電気炊飯器もある時代でも、まだ、使っていた。昔の電気炊飯器には、保温機能が付いていなかったから。
たとえ、作者が、保温機能付き電気炊飯器が普及した後に生まれ、読者もまた、そういう年齢層だけをねらっていて、私のようなババアは相手にしていないとしても、だから読者が誰も「米櫃」と「お櫃」の違いなんか気にしないとしても、もしそうだったらなおのこと、作者は、「米櫃」と「お櫃」の違いを、ちゃんと調べて、間違わないように書くべきではないだろうか?