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電子書籍

王妃の離婚

著者 佐藤賢一 (著)

1498年フランス。時の王ルイ12世が王妃ジャンヌに対して起こした離婚訴訟は、王の思惑通りに進むかと思われた。が、零落した中年弁護士フランソワは裁判のあまりの不正に憤り、ついに窮地の王妃の弁護に立ち上がる。かつてパリ大学法学部にその人ありと謳われた青春を取り戻すために。正義と誇りと、そして愛のために。手に汗握る中世版法廷サスペンス。第121回直木賞受賞の傑作西洋歴史小説。

王妃の離婚

税込 660 6pt

王妃の離婚

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評価内訳

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  • 星 1 (0件)

紙の本王妃の離婚

2008/09/23 02:39

中世フランスの、痛快法廷サスペンス

9人中、9人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:homamiya - この投稿者のレビュー一覧を見る

佐藤賢一作品で、ベスト3に入る傑作。直木賞受賞作でもある。
解説で紹介されている審査員の井上ひさしの感想「おもしろくて、痛快で、おまけに文学的な香気と情感も豊か」がまさにピッタリ。

●時は、中世。フランス王ルイ12世は、醜女と名高い王妃と別れ、広大なブルターニュ公領を持つ未亡人との再婚をねらうため、王妃に対して、離婚裁判を起こす。
この時代、カトリックで離婚は認められていない。
離婚したければ、「結婚の無効取消」をねらうしか、ない。

どうすれば、キリスト教の法にてらして、「無効」とできるのか?

主人公は、裁判を傍聴しに田舎から出てきた弁護士。
この著者の作品によくある、昔はかがやいていたダメ中年。この物語は彼の再生物語、でもある。
かつては、パリ大学で英名をとどろかせた学僧だったが、おちぶれて今や片田舎の弁護士。
これが、ひょんな事から王妃の弁護をすることになり、圧倒的な劣勢から、その冴え渡る知性と現場で磨いた凄腕で、裁判をひっくり返そうとする、法廷サスペンスだ。

「インテリは権力に屈してはならない」と、息巻いていた学生時代のように、敢然と国王とその手下たちに楯突く主人公。
「新しい弁護士は、俺だ」と、傍聴席から立ち上がり、後輩である学生達の喝采を受けて弁護席に立ってからは、まさに痛快。

どうすれば、キリスト教の法にてらした「無効」をはねのけられるのか?

専門知識を駆使し、場の空気をつかむ駆け引き。
そして、教会裁判で使われるラテン語で緻密に検事側を追い詰めつつ、記録には残らないフランス語で、「美人じゃないから、やらなかったなんて、どう考えてもインポ野郎の言い訳じゃねえか」と、傍聴席の民衆を沸かす。傍聴席は爆笑しながら、下品な野次で応えてくれる。
検事側はますますうろたえる。
ここらへん、実にエネルギッシュで面白い。

そして。
キリスト教において、夫婦とは、結婚とは、セックスとは?
若かりし青春の日に、最愛の女を失った主人公の考える、考え続けてきた、男とは?女とは?愛とは・・・?

解説にもあるが、登場する2人の女性の描写がこれまたステキ。
主人公の昔の恋人、ベリンダ。美人でおしゃべりで愛らしく、生命感にあふれている。
かたや、王妃。醜女と呼ばれるが、濃い色の地味な服に頭巾をかぶって、印象は暗いが、孤立無援の中、穏やかにしかし頑なに離婚を認めない、高貴な凛とした強さ、そしてその中にひそむ弱さが、後半には愛らしく描かれ、どちらも魅力的。

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紙の本王妃の離婚

2003/04/02 16:27

青春を取り戻したいお父さんたちへ

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:yurippe - この投稿者のレビュー一覧を見る

見渡せば世は不景気、気を吐いていた学生時代の青春はどこへやら−。
そんなお父さんたちに贈る、エールのような一冊だと思います。

1498年パリ。
カルチェ・ラタンの伝説の男が帰ってきた。
その年、国中の耳目を集めた離婚裁判が行われた。
原告は美男子の誉れ高いフランス王ルイ12世、被告は醜女で知られた王妃ジャンヌ・ドゥ・フランス。
敬虔な王妃には何の罪もなかったが、男盛りの国王が醜女の妻を離縁したいと思うのは当然の成り行きだった。
もちろん判事も陪審も皆、国王の寵臣たちで占められ、国王の勝訴は最初から決まっていた…はずだった。
白々しい茶番の中で、まるで役に立たない弁護団に剛を煮やし、王妃は新たな弁護士を雇い入れる決意をする。
落ちぶれた田舎弁護士、フランソワ・ベトゥーラスは、かつて知性の殿堂パリ大学で音に聞こえた気鋭の学僧だった。
数々の武勇伝を残し、その後も伝説として語り継がれるほどの−。
そのフランソワが立ち上がった。
あまりに理不尽な仕打ちを受けている王妃のために。
そして収束しかけていた裁判の成り行きは一転する。

豪快な法廷ドラマにして、歴史小説としても非常に楽しい読み物です。
閉塞した日常に疲れた心も、この作品の読後は充電満タン間違いナシ。
第121回直木賞受賞の、エンターテインメント傑作です。

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紙の本王妃の離婚

2023/04/24 19:51

中世フランスの空気を感じました

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:トマト - この投稿者のレビュー一覧を見る

私には、あまりなじみのない中世ヨーロッパ(フランス)の歴史小説でした。
けれども、佐藤賢一氏の描かれる中世フランスの世界があたかも目の前に展開しているかのような錯覚を覚えました。空気や風景、人々の息遣いを感じます。
どこの国にも、女性に対する差別、例え、王妃であってもあることに愕然とします。それに戦いを挑む主人公や王妃の姿が勇者に見えました。

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紙の本王妃の離婚

2022/10/07 10:26

面白すぎる王家の離婚裁判

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:タラ子 - この投稿者のレビュー一覧を見る

時のフランス王ルイ12世は妻であるジャンヌ王妃と離婚したいとし、離婚裁判をすることに。王からの報復を恐れ、ジャンヌ王妃の弁護士ですら味方をしない裁判は一方的な王の勝訴で早々に離婚が認められるかと思いきや‥‥。

離婚をするのに、様々な観点からそもそも結婚の完結はなかったと結婚そのものが無効だとする主張に、夫婦であった20年もの年月すべてが否定されているようでなんだかすごく悲しい気持ちになった。
結婚は男女に社会的にも精神的にも特別な結びつきを与えるものだが、それが幸せのすべてではない。たとえ悲しい結果になろうとも自分らしく生き、幸せになることを諦めなければ道は開けると感じた。

この物語では当時のキリスト教の離婚裁判の様子や、キリスト教の結婚や離婚に関する考え方などもわかり、とても面白かった。

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紙の本王妃の離婚

2022/02/15 12:12

破綻のない「佳作」

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:Koukun - この投稿者のレビュー一覧を見る

数多い佐藤賢一の作品の中でこの作品が直木賞受賞作というのがちょっと意外な気がした。しかしよく考えると、勢いと熱でかきあげたような歴史戦記より落ち着いて、しかも大向こうを唸らせるような法定モノもなかなかのものである。しかもこの作品は終章まできれいに収まっていて、他の作品にありがちな終盤の失速がないところがこれまた良い。

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紙の本王妃の離婚

2021/09/19 00:21

正義はどちらに

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:第一楽章 - この投稿者のレビュー一覧を見る

フランス王ルイ12世と王妃ジャンヌ・ドゥ・フランスの離婚訴訟に題をとった法廷小説です。第121回直木賞受賞作。
主人公は若さ故の奔放さのために高い代償を時の王ルイ11世に払わされた過去があり、その娘であるジャンヌの離婚裁判を、復讐に似た情念で見届けるために、間接的な復習を果たすために裁判を傍聴します。が、その不公正さに憤り(と一言では簡単には書けない葛藤があるのですが)、ジャンヌの裁判の弁護を引き受けることに。
そこから先は胸のすく啖呵あり、アクションありのエンターテインメントでもあるのですが、そこは佐藤賢一、単なる娯楽には止まりません。過去には自分を傷つけ深い恨みを抱いた相手を、目の前の裁判を進めるためには信頼しなければならない、そんな相反する感情、葛藤を見事に描いています。緊張感とドキドキが止まりませんでした。
ラストは、わたしは救いがあったように思いましたが、どうでしょうか・・・

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紙の本王妃の離婚

2019/03/10 09:33

離婚した王妃

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:おどおどさん - この投稿者のレビュー一覧を見る

といえば私の世代ではダイアナ妃を思い出すけれど、その昔にも離婚するような人もいたのですね。
自分の意志などなさそうな時代に、離婚した経緯がどんなだったか知りたい。

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電子書籍王妃の離婚

2016/01/20 17:15

面白い〜

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:ショコラ - この投稿者のレビュー一覧を見る

英仏百年戦争を読んで佐藤さんのファンになり、色々読みあさっている。
これは本当に面白くて、寝ずに読んだ。
最後にびっくりー。
お勧め。

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紙の本王妃の離婚

2002/05/17 06:39

22年も夫婦でいたのに、その結婚が無効であったと強弁する現王。弁護士は、王妃を救うことができるのか?

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:くろねこ - この投稿者のレビュー一覧を見る

弁護士フランソワが引き受けたのは、とうてい勝ち目のなさそうな裁判。
王ルイ12世が起こした妻ジャンヌ・ドゥ・フランスとの結婚無効訴訟。
カトリックでは、離婚は認められていません。だからと言って、いったん
結婚したら、どうあっても添い遂げなくてはならないかというとそうでは
ありません。「離婚」は、不可能でも、結婚そのものを「なかったこと」
にしてしまうことはできるのです。
王が王妃に対して起こしたのもそういう訴訟。
でも、結婚が無効であるためには、夫婦が1度でも肉体関係を結んでいては
なりません。それは、すなわち、結婚の有効性を認めたことになるのですから。
でも、果たして、22年間も夫婦でいて、そんな強引な理論が通るものか…。
これが、現王のやることですから、証人は、その意を汲もうとして、彼に
不利になるようなことは言いません。被告、王妃の側の証人ですら、王に
有利な証言ばかり。
フランソワが引き受けたのは、そんな訴訟。

それは、王妃のためではなく、むしろ自分のため。
でも、引き受けた以上は、自分の全てをかけて全力で戦う。
登場時の彼の弁論の鮮やかさ!
圧倒的に不利な状況の中で、その途端、立場が逆転したかのような展開。
いいえ、まだまだ、「本当に」逆転したのではないのですが、周囲に、そう
思わせるだけの勢いがあるのです。

王妃の味方である大衆の歓喜。
そして、裁判記録がラテン語で取られ、フランス語は記録されないことを
利用したフランソワの独り言作戦に見事に反応して彼をバックアップして
くれる大衆。世論を味方につけると強いですね。

かつての後輩であるジョルジュをうまいことまき込むそのやり方。
まったくもって、見事なものです。
さぞかし、弁の立つ学生だったことでしょう。

王側からの恫喝や甘言。
でも、フランソワは屈しません。
王妃が自分を苦しめた暴君の娘であること、かつての恋人ベリンダとの
いきさつ。いろんなことを胸に去住させながら。

全てが終わったとき、失ったものと、手に入れたもの。
傷ついたこともないではないけれど、爽やかに、登場人物たちは去っていきます。
その姿の鮮やかさが、素晴らしい読後感を残してくれます。

それにしても、この佐藤賢一という作者、ただものではないという感じです。
先日『傭兵ピエール』を読んだ勢いで、この作品を読みましたが、どちらも
同じぐらい面白かった。
それにしても、どこか翻訳調の文章に思えるのは、扱っているのが西洋の
歴史ものだからなのか…。
もちろん、それもまた彼の魅力の1つでありますが。

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紙の本王妃の離婚

2004/12/21 03:32

失われた青春を求めた法廷サスペンス

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:RinMusic - この投稿者のレビュー一覧を見る

15世紀末のトゥール、前代未聞の裁判が開かれた。原告はフランス王ルイ12世、事実上の離婚を意味する「結婚の無効取消」を求められた被告は王妃ジャンヌ・ドゥ・フランス。裁判の成り行きを傍聴していたナントの弁護士フランソワ・ベトゥーラスは、若き日にカルチェ・ラタンで天才と謳われ、将来を嘱望されたパリ大学の学僧だったが、ルイ11世にパリ追放を命じられて、同棲していた少女ベリンダを捨てて逃げ出した男だ。この離婚裁判へのフランソワの執着は、ルイ11世の娘・ジャンヌの苦境を見ることで、王家への復讐をまさに実感することにあった。
佐藤文学の魅力はここから存分に発揮される。形式が重んじられ粛々と裁判が進められる中で、「醜女」と嘲笑されるジャンヌに凛とした美しさを与え、その光をフランソワの廃れた心に投影させる。フランソワはすでにベリンダを失って久しい。その美しさを追えば追うほど、歳月を経た現実に哀れを感じている。伝説の男と言われたフランソワは、<かっと火が宿って>ジャンヌの弁護を担当することになった。フランソワを弁護席へと導く佐藤の巧みな筆づかいが心憎い。フランソワが争う法廷劇は、研ぎ澄まされた緊張感とユーモア、そして刀のように切れる英知が巧みに絡み合って、ドラマティックに展開される。そこには亡きベリンダの兄・オーエンの殉死も用意され、裁判のクライマックスではまったく予想しないことが起こる…。
根拠のない自信、輝かしい未来を信じることは若い情熱の特権であろう。しかし、失われた青春を求める姿もより一層の情熱を帯びている。佐藤は登場人物それぞれに、戯画化されたしかし量感ある人間臭さを植え付けて、本格的なサスペンスを作り上げるのに成功している。最終章で至る<再生>が芝居がかった臭いものに感じないのは、そのような操作があるからなのだろう。

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紙の本王妃の離婚

2019/11/08 20:32

王妃の離婚

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:earosmith - この投稿者のレビュー一覧を見る

ルイ12世の離婚裁判。キリスト教は離婚を認めないと言いつつ抜け穴があったりして信仰できないと思ってしまう。意外に、読後が爽やかで良かった。

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紙の本王妃の離婚

2003/08/08 17:46

痛快無比な法廷劇

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:死せる詩人 - この投稿者のレビュー一覧を見る

 西洋歴史小説家佐藤賢一の名を一躍有名にしたこの作品。他の作品に見られる、血湧き肉躍る冒険活劇から一転して、今度はフランスを舞台にした法廷劇です。しかも、原告はフランスの至高を頂くルイ十二世、一方被告はその二十年来の妻であるジャンヌ・ドゥ・フランスと来れば、一筋縄でいくわけがありません。そして、この法廷劇の主人公といえばパリの学級都市カルチェ・ラタンに伝説を残した男。二十二年も夫婦として生活を営んでおきながら、三行半を突きつけ「結婚を無かったことに」と言う王を相手取り、弁護士フランソワは民衆を味方に正々堂々と闘います。ルイ十二世は業を煮やして暗殺を試みるも、弁護士を慕う近衛兵によってそれを阻まれてしまいます。勝利は不可能だと思われていた裁判を、手練手管を用い徐々に徐々に形勢を逆転させていく様は嫌がおうにも読者を盛り上げてくれます。当時の裁判の様子を知る上でも良い資料になるでしょう。

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紙の本王妃の離婚

2002/05/17 10:44

本格「法定もの」ミステリー

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:よっちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る

「法廷もの」の定石はしかも醍醐味はあらゆる状況が被告を有罪に落とし込むギリギリの瞬間これを逆転無罪とするハラハラドキドキの駆け引きにあります。

昔々「情婦」という映画を見た。著名な美男、美女の役者の名前は忘れましたがあのどんでん返しの巧妙さに舌を巻いたことを忘れられません。数年前にもまた映画化されていました。「情婦」の原作がアガサの「検察側の証人」と知って私はそれからいわゆる「洋もの」を読み出すきっかけになりました。
「十二人の怒れる男」。扇風機も壊れた真夏の部屋に閉じこめられた陪審人たち。当然有罪だと思っている。いい加減にして早く家に帰りたい。そこから始まる物語。ヒューマニズム溢れる名作でした。
最近ではこれも映画ですが「告発の行方」。レイプをテーマにした凄絶な女の戦いがありました。
「法廷もの」は「洋もの」に分がありそうです。陪審員制度というのはいいにつけ悪いにつけショウ的要素が多いからでしょう。
日本物でも大岡昇平の「事件」は地道なテーマでしたが傑作の部類でしょう。当時大岡昇平は純文学者としてミステリーを書いてみたかったらしくこれが評価されたのがたいそうご自慢のようでした。

法廷ものの本格ミステリーとあえて申し上げ、佐藤賢一の「王妃の離婚」をお薦めします。
これは一読に値する傑作です。久々に手応えを感じる作品に出会いました。
絶大な権力を背景にした検察陣の前に被告は風前の灯火。複雑な過去を背負った負け犬の弁護士が登場し定石通りの展開。勝つためには手段を選ばない弁護側の手練手管が披露されます。決定打を有する証人の発掘、これを阻止しようとする原告側の暗殺部隊からの逃避行などなど。
でもそればかりではありません。この作品の真価は人間の普遍的な愛憎の葛藤をテーマにしているところです。神権対王権、支配者対大衆、男と女、形式主義に対する抵抗。
魔女裁判、宗教裁判、セクハラ裁判。フランスの当時を私達にわかりやすく説明されていますので現代に通じるテーマを感動を持って味わうことができました。

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紙の本王妃の離婚

2018/06/05 08:51

作品全体をダメにしてしまっている

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:papanpa - この投稿者のレビュー一覧を見る

非常に面白い作品なのに、ある設定が残念で仕方がない

昔、オーエンがフランソワに行った非道が作品全体をダメにしてしまっている
そうだろうな・・・と前半で感づいていたが、違ってくれと祈るような気持だった
そして心底ガッカリした
これでは「なぜ帰ってこなかった?」とフランソワを殴りつけたオーエンの行動も納得できなくなるし、のちのオーエンとフランソワの関係もあり得ない

あまりに幼稚な設定で作品が台無しになるなんてもったいない
改訂版で書き直したほうがいいと思うよ?

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