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「天皇機関説」事件
著者 山崎雅弘
「天皇機関説」事件は、この学説を主張する憲法学者の美濃部達吉への、天皇を崇拝する退役軍人や右派政治家の攻撃が発端となっている。1935年2月に始まり、約半年にわたる「機関説」排撃運動の中で、美濃部に対する政治的な弾圧が行われただけでなく、言論や学問の自由も奪われ、立憲主義が事実上停止した。その結果、「権力の暴走」を止める安全装置が失われ、日本は破局的な戦争へと突き進む。この事件は、社会がどのように「壊れて」いくのかを物語る昭和史の重要な分岐点である。現在の政治・社会状況との類似点の多さに戦慄が走る……! 【目次】はじめに/第一章 政治的攻撃の標的となった美濃部達吉/第二章 「天皇機関説」とは何か/第三章 美濃部を憎んだ軍人と右派の政治活動家/第四章 「国体明徴運動」と日本礼賛思想の隆盛/第五章 「天皇機関説」の排撃で失われたもの/あとがき/「天皇機関説事件」に関する年表/参考文献
「天皇機関説」事件
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「天皇機関説」事件
2017/06/28 18:43
近現代史
5人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:七無齋 - この投稿者のレビュー一覧を見る
日本の重大事件がわかりやすく解説されている。必ずしも時系列ではないが間違った方向に向かう手順がよくわかる。語句解説が必要以上に書かれている事柄もあるがわかりやすくするためには必要だろう。未来のためにも必読書。
「天皇機関説」事件
2017/05/25 18:35
天皇機関説事件
3人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:かかし - この投稿者のレビュー一覧を見る
天皇機関説が右翼・軍部および政府により排斥されただけでなく、個人主義・自由主義なども一掃されたこと、また国体思想解釈権がごく一部の勢力に支配されたことが本書で初めて知った。現在、安倍総理は自衛隊の存在を憲法第1および2項を残したまま挿入しようとしており憲法の存在意義が問われている。それだけに、改めてこの天皇機関説事件の持つ意味は大きいと言える。
「天皇機関説」事件
2018/10/25 09:54
歴史
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:弥生 - この投稿者のレビュー一覧を見る
学生時代に日本史で出てくるワードで、言葉だけは知っていたが、内容は全く文字通りの知識しかなかった。この本は対立意見や美濃部氏が考えを貫いた生き方など、わかりやすく書いていた。この考えが、良いあるいは置いておいて、この時代にこういう論争を起こした美濃部氏の勇気と気迫を感じられる本でした。