電子書籍
【シリーズ】ドラゴンライズ
竜と人とが争う世界で吐かれた、致命的な嘘
ここは竜と人とが争いを繰り返す、剣と魔法の世界。
背は小さいが凄腕で毒舌の剣士であるノラ、天然ぼけだが気立てのいい天才魔術師のアイという美人姉妹。そして姉妹に命を助けられたボンクラ剣士の俺・フレイク。
たった三人のギルド・グライズは、しかし、圧倒的な力を誇る姉妹の活躍により、多少は名の知られた存在だった。
そんな俺たちのもとに、要人である無口な幼女カーネスを警護し、旅の目的地まで届けてほしいという依頼が舞い込む。男性嫌いのカーネスは、なぜか俺にだけはなついてきた。旅の幸先は悪くなさそうだ。
だがそんなグライズを襲い来る、三匹の竜。おかしい。竜たちは孤独を愛し、けっして群れをなさないはずなのに――。
ありえない竜の群れに、グライズはどんなふうに立ちむかえばいいのか。やつらの目的はやはり謎に包まれたカーネスの能力にあるのだろうか……!?
『時間商人』『イヴの時間 another act』でサプライズとハートフルな展開を描いてきた水市恵による異世界ファンタジーアクション開幕!
驚愕の展開が、読者を待ち受ける――。
※この作品は底本と同じクオリティのカラーイラスト、モノクロの挿絵イラストが収録されています。
ドラゴンライズ 双剣士と竜の嘘
ワンステップ購入とは ワンステップ購入とは
あわせて読みたい本
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
この著者・アーティストの他の商品
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
2015/09/30 11:25
嘘が真実に変わるとき
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:くまくま - この投稿者のレビュー一覧を見る
魔道師シェリー・モットレイは、竜王の封印を護っていた魔道師リサ・ガーティスと王宮警備隊隊長ハロルド・ガーティスことルゥ・ガーティスを退け、結界術師の才能あるカーネス・アルコットを利用して、竜王を復活させることに成功した。
竜王が復活して天候を操り、しかし結界術を警戒して地上に降りてこないため、王都の戦力は有効に機能せず、竜王が起こす落雷で王都は大混乱に陥っていた。その情報を知った双剣士フレイクこと氷剣竜ゴーヴェドルは、ガルズムの拳闘士マッケルガーを失って落ち込む剣士ノラ・グライドの世話を魔道師アイ・グライドに任せ、カーネスを助けるために王都へと向かった。
そして王都にたどり着いた氷剣竜ゴーヴェドルは、王宮警備隊チェルソ・ガルダーラに策略に利用され、カーネスの情報と引き替えに竜王と戦うことになる。一方、深く傷ついた劫火竜ウォーフィアは、その怪我を癒やすため、治癒専門の魔道師マリエル・ティリエを脅していた。
シリーズ最終巻。いよいよ戦場は嘘の渦巻く王都へと移っていく。そこで利用されてしまうフレイクだが、最後の戦いは王都に取り残された、嘘を捨てた少女により、ノラの手へと託される。
嘘が真実に変わる局面が二つほど描かれる訳だが、全編を通したテーマにするならば、もう少し分かりやすく描いた方が良かったようにも思う。
2015/09/17 16:24
信頼を裏切る特権者たち
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:くまくま - この投稿者のレビュー一覧を見る
生まれ故郷から戦力を奪い、竜に滅ぼされる要因を作った王都に恨みを晴らすため、魔道師シェリー・モットレイは結界術師の卵であるカーネス・アルコットの力を利用して、王都に封印されている竜王を復活させる計画を立てた。
劫火竜ウォーフィアと陰風竜シェルグーヴと手を結び、剣士ノラ・グライドと魔道師アイ・グライド、双剣士フレイクこと氷剣竜ゴーヴェドルに護られるカーネス・アルコットを拐かすために策を巡らす。結果、劫火竜ウォーフィアと陰風竜シェルグーヴに手傷を負わせることには成功したものの、カーネス・アルコットはシェリー・モットレイに連れ去られてしまった。
ガルズムの拳闘士マッケルガーの協力を得て、剣士ノラ・グライドは妹との合流を目指す。しかし劫火竜ウォーフィアは地殻竜グルヴァーダを仲間に引き入れ、時間稼ぎをするのだった。
王都を信頼するノラ・グライドだが、その高潔な精神は期待を裏切られる結果となってしまう。王都の内部では絶え間なく権力闘争が行われており、大陸最強の剣士といえども、その闘争の中では単なる人に引き戻されてしまうのだ。
そんなわけで、大陸最強の剣士の噛ませ犬感が半端じゃない。やはり地方を切り捨てた中央を、作者的には許せなかったのかな?
2015/09/14 14:53
決意の意味と他者の思惑
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:くまくま - この投稿者のレビュー一覧を見る
結界術師の卵であるカーネス・アルコットを護衛する任務を王宮警備隊から引き継いだコーグスの剣士ノラ・グライドと魔道師アイ・グライドは、双剣士フレイクや氷剣竜ゴーヴェドル、カーネスの対竜結界の助力を得て、両親の仇である劫火竜ウォーフィアの右目に手傷を負わせ、退けることに成功した。
しかし、カーネスを王宮に届けるまでは、再びウォーフィアが襲ってくることは覚悟しなければならない。馬車で王都に向かう途上で、シェリー・モットレイという凄腕の魔道師と知り合い、ウォーフィアの目を欺くため、ノラ&カーネス&ウォーフィア組とアイ&フレイク組に分かれて街道を進むことにするのだが、ウォーフィアも自分の傷を補うために、陰風竜シェルグーヴの協力を得ていたのだ。
向かう途上に先回りされ、劫火の下に焼き払われる街々。その惨状が自分のせいで引き起こされること知り衝撃を受けるカーネスは、早く結界術師として一人前になって、竜を追い払えるようになりたいと願う。だがそれは…。
展開は王道的なので、1巻と同様に驚きはないのだが、人間を障害物としか考えない大部分の竜と、人間大好きな竜という対立軸を設定し、かつ、その竜に好意を寄せる人間という構造を付与することで、単純な竜と人間の対立ではなく、様々な立場を乗せることに成功している。
2012/01/24 15:27
種族を超える変わり者
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:くまくま - この投稿者のレビュー一覧を見る
高位の竜、劫火竜ウォーフィアと氷剣竜ゴーヴェドルを含む20以上の竜に襲われた町は、剣士グレー・グライドと魔道師サラ・グライドの犠牲を払い、何とか生き残った。氷剣竜ゴーヴェドルはいつの間にか消え、劫火竜ウォーフィアは深手を負って逃げ去った。その戦乱で傷ついたフレイクは、魔道師アイ・グライドに拾われ、その姉の剣士ノラ・グライドをリーダーとするギルドに入り、町を守る事となった。
その町に、カーネス・アルコットという少女と、彼女を守る女魔道師が、三匹の中位の竜に追われて逃げ込んでくる。その竜を追い払ったグライドたちは、カーネスを王都へ連れて行く任務を引き継ぐことになるのだが…。
いわゆる剣と魔法のファンタジーで、展開は冒頭から予想されるとおり。特に驚きは無い。