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2件
土下座奉行
著者 伊藤尋也
土下座は屈辱にあらず、悪を斬る正義の剣だ!
廻り方同心・小野寺重吾は、ただならぬものを見てしまった。
昼下がりの北町奉行所で土下座をする、牧野駿河守成綱の姿だった。
土下座相手は三十代半ばの侍で、身なりからしてどこぞの用人あたりであろう。
歳といい、武士としての格といい、奉行よりうんと下のはず。
しかし、重吾は、
(……なんと、きれいな土下座であろうか)
風で桜の舞い散る中、奉行の姿に見惚れていた。
まるで茶道の名人か、あるいは剣の達人のする謝罪ではないか、と――。
小悪を剣で斬る同心、大悪を土下座で斬る奉行の二人組が、江戸城内の派閥争いがからむ難事件「かんのん盗事件」「竹五郎河童事件」に挑む!
そして、いま土下座の奥義が明かされる!!
小野寺重吾……北町奉行所の廻り方同心。あだ名は「しゅうとめ重吾」。
牧野駿河守成綱……北町奉行。江戸城内で「どげざ駿河」と呼ばれる。
八重……重吾の妹。「黙っていれば小町」と囁かれるほどの美形。
遠山左衛門尉景元……南町奉行。人呼んで「いれずみ金四郎」。
財前孝三郎……南町奉行所の廻り方同心。周りは「花がら孝三郎」と呼ぶ。
夜目鴉の菊……関八州を股にかけた大盗賊。
土下座奉行 どげざ忠臣蔵
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土下座奉行 書き下ろし長編時代小説
2023/11/15 22:33
サラリーマン向きラノベ
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:すてら - この投稿者のレビュー一覧を見る
男女が一緒に食事をしたり、妹が兄をたしなめるなど昔の武家ならありえなさげな場面が見られる今風の江戸時代もの。
生真面目すぎて損をするタイプの主人公は奉行所勤め。
そして、やたらと頭を下げるという噂のお奉行とのコンビで物語が進む。
時代を感じさせる描写や風情は足りないが、その分読みやすい。
忖度が苦手で損をしてばかりのサラリーマンなど仕事に疲れた時にサクッと読むと少しばかりの癒しになるかも知れない。
各キャラクターの性格をあだ名付けでサラッと済ませていたり、よくも悪くも雑に感じる面や、作者の別名義の過去作と比べると物足りないので評価は低めだが、映画やドラマなど実写化されるとヒットすると思われる内容。
どげざ忠臣蔵 書き下ろし長編時代小説
2024/05/29 23:08
ご存じ 「忠臣蔵」 ではないです
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ーグッチ - この投稿者のレビュー一覧を見る
元禄赤穂事件から140年後、1840年代・弘化年間の江戸の話し。
高家吉良さんや小野寺さんが出てくるは、江戸城松の廊下や芝高輪泉岳寺が舞台となるは で、時代をシフトしての 「忠臣蔵」 ものか、と一瞬勘違い。
そもそも、「忠臣蔵」 の基本となる、恨みを飲んでの憤死、その憤死者の家臣なり部下の怒りと、恨みの元となった者への仕返し・仇討ち が無い。
登場人物の多少の諍いはあっても、最後に皆さん仲良くなって、なにコレ、無念じゃ。