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磁極反転の日(新潮文庫)
著者 伊与原新
地球のN極とS極が反転し始めた。大規模地磁気嵐が発生し、東京上空にオーロラが出現。異様な寒冷化と降り注ぐ宇宙線に不安が広がる中、女性記者浅田柊の耳に奇妙な話が聞こえてくる。都内の病院から妊婦たちが次々と失踪しているというのだ……。謎の団体、脳科学の闇、不可解な妊婦の死。取材の果て、柊が突き止めた恐るべき真相とは。パニックSFの新たなる傑作。『磁極反転』改題。
磁極反転の日(新潮文庫)
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磁極反転の日
2020/08/26 09:09
博士(地球惑星科学)の知識に裏付けられた地磁気反転時に生じると想定される現象の記述が迫力ある。
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投稿者:ナミ - この投稿者のレビュー一覧を見る
博士(地球惑星科学)の知識に裏付けられた地磁気反転時に生じると想定される現象の記述が迫力ある。また、人知の域を逸脱した事態に必ず起こる民衆の困惑を重層的な視点から事件として描いた展開はミステリー作品としても一流の出来栄え。宇宙環境という一般には馴染みのない世界を、理系知識の無い女性ジャーナリスト:浅田柊の視点から記述することで、難解な事象を判りやすく解説することでも成功している。ただ、広い理系知識を有し磁極反転が過去に何度も起きてることを知っていた私ですら、その時に地球にどんな影響が出るのかといった発想を持ち合わせていなかったことを勘案すると、一般読者には超SFの架空の設定としか受け取られず読者層は限定されてしまうのではと思うと少々残念。文庫本化された作品の少ないのが惜しい作家。