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韓国とキリスト教 いかにして“国家的宗教”になりえたか
宗教人口の過半数を、キリスト教信者が占める韓国。教派間の拡大競争は、大統領選挙の動向や、北朝鮮支援事業に強い影響を及ぼす一方、しばしばカルトや他宗教との衝突といった社会問題を引き起こしている。本書は、一八世紀以降の朝鮮半島における受難の布教開始から、世界最大の教会を首都ソウルに置くにいたった現在までを追い、日本では報じられなかった韓国社会の実情と問題を解き明かす一冊である。
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韓国とキリスト教 いかにして“国家的宗教”になりえたか
2012/07/30 11:39
邪教から国家の宗教まで。
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投稿者:オタク。 - この投稿者のレビュー一覧を見る
朝鮮王朝時代にカトリックが朝鮮に渡来した頃は体制を仇する邪教として迫害された。韓末の独立協会になると新しい宗教としてキリスト教が受容されたが、李承晩をはじめとする独立運動に投じた人々と尹致昊のような「親日派」になった人々に別れてしまった。昭和に入ってからの神社参拝とキリスト教との複雑な関係が書かれているが、朝鮮総督府には関屋貞三郎のようなクリスチャンの高官がいたし、朝鮮総督府の対キリスト教対策は江戸時代や朝鮮王朝時代のようなキリシタン抹殺ではないはずだ。日本のキリスト者の中には朝鮮に布教する事によって国策に便乗しようとした人々もいた。
本の内容上、北朝鮮のキリスト教についても書かれている。かつての平壌は「東洋のエルサレム」といわれたほど、クリスチャンが多かったが、今では北朝鮮の対南、対外宣伝用の教会を残して、表向き信者はいるという事になっている。平安両道にクリスチャンが多かったのは朝鮮と清との通路になっていたからだろう。アルバニアのような「無神論国家」を標榜していないから、形だけでも教会や寺院は必要なのだろう。北朝鮮で使われている朝鮮語について「北朝鮮語」と「平壌語」の二種類の表記がされているが、北朝鮮では「文化語」という表現をしているから、それを使った方がいい、と思う。
何故韓国でキリスト教が盛んなのか、説明が足りない点がある。