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8件
北朝の天皇 「室町幕府に翻弄された皇統」の実像
著者 石原比伊呂 著
建武三年(一三三六)、京都を制圧した足利尊氏は新天皇を擁して幕府を開いた。後醍醐天皇は吉野に逃れ、二帝が並び立つ時代が始まる。北朝の天皇や院は幕府の傀儡だったと思われがちだが、歴代将軍は概して手厚く遇した。三代義満による南北朝の合一以降、皇統は北朝系が占めた。一見無力な北朝は、いかに将軍の庇護を受け、生き残りに成功したか。両者の交わりをエピソード豊かに描き、室町時代の政治力学を解き明かす。
北朝の天皇 「室町幕府に翻弄された皇統」の実像
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北朝の天皇 「室町幕府に翻弄された皇統」の実像
2021/10/07 14:18
天皇家と足利将軍家の関わりは、いかなるものだったのか
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ぴんさん - この投稿者のレビュー一覧を見る
亀田俊和著『観応の擾乱』の描く南北朝時代、その後の幕府安定期と動揺期、そして呉座勇一著『応仁の乱』が活写した時期まで、北朝天皇家と足利将軍家の複雑な人間関係を読み解く意欲作。本書は、天皇家と足利将軍家の交わりを豊富なエピソードを交えて描き、室町時代の政治力学を解き明かします。
北朝の天皇 「室町幕府に翻弄された皇統」の実像
2022/02/11 21:39
皇統が安定するまで
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:いて座O型 - この投稿者のレビュー一覧を見る
南朝に比べて北朝は、結果的に正統になったので、残されている記録も多く、判明していることも多い。それなのに、実際にとりまとまった北朝史のようなものが少ないのは、やっぱり波乱万丈の南朝に比べると、地味だから?
でも、地味だからこその、内輪の事件もいろいろあって、北朝もそこそこ面白いのがよくわかる一冊。
北朝の天皇 「室町幕府に翻弄された皇統」の実像
2021/03/04 10:24
南北朝時代の南北両者の交わりをエピソードを交えて、その政治力学を解き明かした興味深い一冊です!
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ちこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は、日本中世史を専門に研究され、『室町時代の将軍家と天皇家』や『足利将軍と室町幕府』など日本史についての面白い著作を発表されている石原比伊呂氏の作品です。 建武3(1336)年、京都を制圧した足利尊氏は新天皇を擁して幕府を開きました。後醍醐天皇は吉野に逃れ、二帝が並び立つ時代が始まります。北朝の天皇や院は幕府の傀儡だったと思われがちですが、歴代将軍は概して手厚く遇したようです。三代目足利義満による南北朝の合一以降、皇統は北朝系が占めめます。一見無力な北朝は、いかに将軍の庇護を受け、生き残りに成功したのでしょうか。南北朝両者の交わりをエピソード豊かに描きながら、室町時代の政治力学を解き明かした読み応えのある一冊です。