- みんなの評価
12件
言語の本質 ことばはどう生まれ、進化したか
日常生活の必需品であり、知性や芸術の源である言語。なぜヒトはことばを持つのか? 子どもはいかにしてことばを覚えるのか? 巨大システムの言語の起源とは?ヒトとAIや動物の違いは? 言語の本質を問うことは、人間とは何かを考えることである。鍵は、オノマトペと、アブダクション(仮説形成)推論という人間特有の学ぶ力だ。認知科学者と言語学者が力を合わせ、言語の誕生と進化の謎を紐解き、ヒトの根源に迫る。
言語の本質 ことばはどう生まれ、進化したか
ワンステップ購入とは ワンステップ購入とは
この著者・アーティストの他の商品
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
言語の本質 ことばはどう生まれ、進化したか
2023/08/18 12:03
オノマトペの言語価値を思い知る内容でした。
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:広島の中日ファン - この投稿者のレビュー一覧を見る
当書は特に、オノマトペが言語としてどのような価値を持っているかについて、お2人の識者の共著として著された1冊です。
オノマトペをテーマに、ここまで深く語られることに驚き、オノマトペの可能性の高さを思い知りました。そして、盛りだくさんの内容でした。
当書はかなり売れているそうです。2023年を代表する新書の1つになる1冊でしょう。
言語の本質 ことばはどう生まれ、進化したか
2023/07/06 21:52
オノマトペから始まる言語の獲得
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:nekodanshaku - この投稿者のレビュー一覧を見る
オノマトペは多くの言語に見られ、それが人が話す言葉の元になったのではないかという疑問から、研究が始まっている。人が見聞きし、触れ、感じたことを、声に出すことにより言語が生まれたすれば、最初はオノマトペであったかもしれない。乳幼児が言葉を習得する過程を推察しているが、拡大一般化ともいえる推論を重ねて、間違いながらも、少しづつ修正して知識を拡大していく可能性は、興味深い。人が言語を使うことができるということ、その謎を解き、言語の本質を追求する重要な研究の道筋になるかもしれない。
2024/10/19 22:05
言語の本質から 人間を探る
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:清高 - この投稿者のレビュー一覧を見る
1.内容
考察の出発点はオノマトペ(定義は、「感覚イメージを写し取る、特徴的な形式を持ち、新たに作り出せる語」(p.6)。オノマトペは、ホケット,チャールズ・Fの指標をベースとした「言語の十大原則」(p.58。今井むつみ,秋田喜美の基準である。p。59参照)によると、十分言語たり得る。子どもの言語習得はオノマトペから始まり、やがては一般語に至る。そこでは「結果の由来を導出」(p.209)する「『仮説形成推論(アブダクション(英語略))』」(p.209)を用いて習得するが、それは既存の知識から推論して知識量を増やす「ブートストラッピング・サイクル」(p.193)でもある。このようなプロセスが、人とその他の動物(人は言語を扱う)を分かつのである。
2.評価
筆者は言語心理学の専門家ではないので、1.で書いた内容を追うのに精いっぱいで、批判する能力を持ち合わせていない。従って、本書の内容を否定することができない。
本書の内容が妥当かは読者次第だが、オノマトペをきっかけにして言語を考察し、言語の習得から人間とは何かを導き出すというプロセスは、難しいながらも面白いものであった。
従って、5点。