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秘本三国志
著者 陳舜臣 (著)
群雄並び立つ乱世を描く中国古典「三国志」を語るに、著者に優る人なし──世は前漢、後漢あわせて四百年、遂にその巨木も朽ちて、まさに倒れんとする時代。相続く天変地異、疫病の流行は悪政の報いか。ところが天子たる霊帝は遊び呆けてばかり……。道教『太平道』による造反、黄巾の乱をきっかけに、まずは、曹操、孫堅、劉備、関羽など天下制覇を夢みる梟雄、智将の登場。道教『五斗米道』からの視点を加え描く壮大な戦国ドラマ、陳三国志の幕開けである。
秘本三国志（一）
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紙の本秘本三国志 １
2003/11/30 18:51
曹操よりの三国志
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者：ピエロ - この投稿者のレビュー一覧を見る
古代中国の後漢末期、王朝の権威は薄れ、各地に群雄が割拠し、新しい世界を切り開こうと命懸けでしのぎを削りあった猛将智将の活躍を描いた三国志演義。日本でもとても人気があり、多くの作家・マンガ家が作品を発表しており、本家の三国志演義が蜀の劉備を善、魏の曹操を悪としているためか、それを倣って蜀びいき劉備びいきのものが多いようです。が、ここで断言しますが、三国志の登場人物の中で一番魅力を感じるのは、悪玉にされた魏の曹操です。その悪辣さを強調するためにあげた数々のエピソードが、皮肉なことにかえって曹操の為政者としての資質、戦略家としての才能、理論化のように見えて感情に流されることの多い人間臭さ、人間としての懐の深さなどなどの魅力を高めることになっています。
本書、陳版三国志は曹操よりに書かれています。また、作者の創造でしょうが、他の三国志ではあまり触れられたことのない道教の一種の五斗米道や仏教などの宗教的指導者と為政者との係わりも興味深く、役職の牧と太守の違いなどの説明もあり、目新しさを覚えます。
三国志は何度も何作も読んでいて、あらすじも十分に知っているという人でも新鮮に読めるのではないでしょうか。かえってそういう人に読んでもらいたいです。きっと新しい発見がありますよ。
電子書籍秘本三国志（四）
2022/03/07 11:58
曹操から諸葛亮へ
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者：mistta - この投稿者のレビュー一覧を見る
ここまで物語の主人公的立場は曹操でしたが、その座はこの巻から本格登場の
諸葛亮に移ります。
諸葛亮の天下三分構想。
自分に最も欠けているものは参謀だと認識する劉備。
天下の趨勢。大きく動き出す巻です。
電子書籍秘本三国志（一）
2020/11/12 15:09
正史が下敷きになっています。
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者：ジョージア - この投稿者のレビュー一覧を見る
吉川英治の『』三国志』が『三国志演義』を下敷きにしているのに対して，本書は正史の『三国志』を下敷きにしています。もちろん，正史が下敷きとはいえ小説なので，架空の人物が主要キャラとして登場します。
漢代の官制なども正史を参照しており，大学で三国時代を研究したい人には，手ごろな入門書になると思います。
電子書籍秘本三国志（三）
2022/03/07 12:22
曹操と劉備の密約
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者：mistta - この投稿者のレビュー一覧を見る
この発想は面白い。劉備が曹操陣営のために動いていたという視点は
それなりに成立する。
演義とは違った味わいがそこにある。
電子書籍秘本三国志（五）
2022/03/07 11:54
関羽の扱いが・・・。
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者：mistta - この投稿者のレビュー一覧を見る
陳さん流の三国志悪くはない。
正史の記事をつなぎ合わせて「実はこうだったのではないか」と
ある程度合理性を持たせて物語を作っているので読んでいて
面白い。
ただ、この巻の関羽の扱いだけは承服しかねる・・・。
電子書籍秘本三国志（六）
2019/12/06 11:50
消えていく英雄たち
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者：mistta - この投稿者のレビュー一覧を見る
劉備、張飛、曹操。
英雄たちが皆消えていく。
物語ラストは？
魏蜀の八百長、南蛮征伐のからくり。
陳さんの大胆な物語構成と、それに関連した正史資料
との対比で荒唐無稽とまでは言えないと思わされる。
読み終えた後、寂しさを感じた。
電子書籍秘本三国志（一）
2016/10/09 09:22
演義よりも正史に忠実。陳さん流三国志。
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者：mistta - この投稿者のレビュー一覧を見る
演義が三割虚構ならば、秘本三国志の虚構は二割くらいかもしれない。
演義の作り話と同じ箇所を正史の記事を考察して陳さん流に
物語を展開する。そんな手法の三国志といったところか。
大きな特色を挙げれば、五斗米道という宗教に脚光を浴びせて
いる点。
劉備陣営の活躍を期待する人には物足りないかもしれないが、
陳さんファンの読書ならば楽しめる作品。
