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習近平の死角 独裁皇帝は間違いなく中国を自滅させる
著者 宮崎正弘
北朝鮮の核ミサイルを巡って東アジアが激変するなか、習近平はいつまで独裁を維持できるのか? 中国分析の第1人者が、現前する中国危機に警鐘を鳴らす!
憲法改正によって党の「核心」となった習近平。絶大な権力を手にした習近平だが、経済格差、権力闘争、軍の掌握、米国との貿易戦争など、内外に大きな難題が存在する。独裁者・習近平の権力基盤は盤石なのか、そんな中国に対して日本はどう対処すべきかなど、混乱する中国の実情を国際政治の観点も交えて徹底分析する。
習近平の死角 独裁皇帝は間違いなく中国を自滅させる
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2018/10/31 21:16
「足」で稼いできた情報
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投稿者:hima - この投稿者のレビュー一覧を見る
まず全体の感想としては、東海地震と同じく「来る来る詐欺」と揶揄されがちなチャイナクラッシュであるが、どうやらいよいよ覚悟が必要で、自分たちにも降りかかる具体的な影響とその対策を真剣に考えなければならない時期が迫っている、その事を一読して改めて痛感させられる。
これまで築いてきた中共帝国の覇権を台無しにするであろう習の独裁化は、過去に幾度となくくり返されてきた歴代王朝の末路をなぞっていることを、本書で著者は浮き彫りにしてゆく。いわゆる米帝すなわちグローバル主義者どもの金稼ぎに担ぎ上げられて増長してきたこの国もついにお終い、ということなのだろう。もはやこの危機は人間の対処能力を超えてしまっていて、たぶんもはや人類で最も優秀な人材をもってしても避けることは出来ないであろう。その次は欧州、その後はいよいよ米帝自身(及び属国である我が国)であろうが、それはまだしばらく先のまた別の話である。
本書の全体の構成としては、習と中共のダメっぷりを散々にこき下ろして所謂「ネトウヨ」層の読者を煽っておいた上で返す刀で我が国のダメっぷりをも斬って読者に冷や水を浴びせて落とす、という「お約束」のパターンであるが、中国の現状と内実については、実際に現地入りして足で稼いできた情報を元にしていることが文中各所から垣間見え、その説得力が凡百の反中本とは一線を画していると言えるだろう(一方で本書でも多数引用されている石平氏あたりは、母国に戻って生の情報を仕入れる機会を当分得られそうもないので論客としては今後色々と苦しいのではないだろうか)。
当然著者の正体は現地でバレていないわけがないので、かなりの危険行為と思われ、その職務に対する忠実さと勇気に心から敬意を表したい。