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だれがコマドリを殺したのか?
著者 イーデン・フィルポッツ,武藤崇恵
医師のノートン・ペラムは、海岸の遊歩道で美貌の女性に出会い、一瞬にして心を奪われた。彼女の名はダイアナ、あだ名は“コマドリ”――。ノートンは、踏みだしかけていた成功への道から外れることを決意し、燃えあがる恋の炎に身を投じる。それが予測不可能な数奇な物語の始まりと知るよしもなく……。さながら美麗な万華鏡を覗くかのように、目まぐるしくその姿を変える事件。『赤毛のレドメイン家』の巨匠フィルポッツの魅力が凝縮された、ミステリ史に残る名編が、読みやすい新訳でここによみがえる。この結末に、あなたは驚かずにはいられない!
だれがコマドリを殺したのか?
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2016/01/28 15:39
非現実的な犯罪
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:コーチャン - この投稿者のレビュー一覧を見る
予想外の結末ではなかったものの、まさかほんとうにあのような結末とは...率直な感想として、この手のトリックは犯罪小説によくあるパターンとはいえ、本作においてはいささか無理があるように感じた。作者もトリックの要となる犯人の性格や技能について伏線をはり、いろいろと工夫してはいるが、やはり非現実的な犯罪手法といわざるをえない。
おもしろいと思ったのは、この物語のナレーションでは、始めから個々の人物の内面が詳細に叙述されている点である。ミステリーでは、ここまであらゆる登場人物の内面に焦点を当てることは普通しないだろう。なぜならこれを貫徹すれば、これらの人びとの中にいるであろう犯人の心理も暴露せざるをえないからだ。この小説でもその点を心配したが、そこは上手い具合にぼかしていたと思う。だから、何を考えてるかが叙述されなくなった人物が怪しいという観点で読み進めば犯人当ても比較的容易か...だが、本書の面白味は誰が犯人かというよりも、犯人がどうやってその犯行を行ったかにある。そしてその方法は、上にも書いたようにちょっとありえないものであった。
犯人とその犯行の陰湿さには暗澹たる気持ちにさせられるものの、善人・悪人それぞれが受けるべき報いを受ける勧善懲悪・ハッピーエンドの物語には、ほっとした気分を味わえる。本書について、それだけは請け合おう。
2015/08/31 09:53
祝・復刊!
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:yomiko - この投稿者のレビュー一覧を見る
小学校の図書室で借りたエラリー・クイーン(だと思う)の推理小説の章タイトルに「だれがロビンを殺したか」「ぼくだ、とスズメが言いました」とあったのが印象的で、ずっと心の底に覚えていた。幼い私はマザーグースが何たるかも知らなかったが、歌の通りに事件が起こる所謂童謡殺人に魅せられた原点だ。今回は完全にタイトル買い。間抜けな私はニコル・ハートが捜査を始めるまでトリックに気付かなかった。原語ならロビン、レンと渾名で呼び合うのは自然なんだろうけど、日本語訳のコマドリはともかくミソサザイは変てこに感じた。恋は盲目だとつくづく。
2015/12/02 02:12
タイトル買いしたけど
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投稿者:tlkn05 - この投稿者のレビュー一覧を見る
前半の主人公の医者とコマドリの出会いなどは魅力的で期待して読んだのだけど、後半は拍子抜け。ミステリとしてはどう??という感じ。どうしても無理がある。演技力という問題じゃないような。。