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シンセミア
著者 阿部 和重
神町。どこにでもあるようなこの片田舎の町は、戦後日本の縮図でもあった。米軍の占領政策の一端を担ったパン屋とヤクザ、田宮家と麻生家は神町で絶大な勢力となり、息子の代になっても両家の固い結びつきは続いていた--あの事件が起きた炎熱の夏までは。壮大なる構想の下に始まる「神町三部作」第一部。
シンセミア(上)
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紙の本シンセミア 上
2019/05/21 23:14
こういうの好きなんです
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ふみちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
シンセミアというのは、強力な効き目のあるマリファナのことらしい。この作品の中でも登場人物の何人かは薬にはまっている。私は小説を読むとき(とくに長い作品を読むとき)この人になら自分を投影できるとか、この人の考えは自分に近いなとか思いながら応援できる人物を決めるということが多いのだが、この作品には親近感が持てる登場人物が皆無どころか、ロリコンの警察官だとか、盗撮を目的に集まる青年団とか気持ちの悪い人しかでてこない。そういうこともあって、最初は読むのに苦労したのだが「こいつらみんな不幸になればいいのにな」と思うことによって不思議なことにすらすらと読めるようになった、一族の終焉というテーマからしてマルケスやフォークナーを読んでいた時の感覚がよみがえったが、登場人物が多くてもそれが日本人なので読みやすくもあった
紙の本シンセミア 上
2021/12/28 14:25
阿部和重最高傑作
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ichikawan - この投稿者のレビュー一覧を見る
阿部和重のなかから一作を選べといわれたら迷わずこれを推す。全く共感できない人物たちによるエスカレートしていく暴力の物語だが、その疾走感は文字通り大爆発を遂げる傑作である。
紙の本シンセミア 下
2019/05/23 00:19
最後まで読むとよさがわかる
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ふみちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
上巻の途中までぐらいまでは感情移入できる登場人物がいなくて読むのに苦労しましたが、下巻に入って俄然面白くなってきました
紙の本シンセミア 上
2016/09/28 15:47
混乱しかないのに一つの物語
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ポージー - この投稿者のレビュー一覧を見る
山形県の神町というところを舞台にした小説。そこではパン屋の主が絶大な権力を持っていて、警官はロリコンで、盗撮サークルが町中にカメラを仕掛けて、住人は幽霊に怯えている、などなど基本的に滅茶苦茶なことしか起こらない。しかしこの物語は戦後から現代までの神町を捉えていて、そこで語られる歴史が根拠ある枠組みとなって破綻することはないし、様々な事件の謎も最後には解決される。
紙の本シンセミア 下
2016/09/28 15:48
混乱しかないのに一つの物語
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ポージー - この投稿者のレビュー一覧を見る
山形県の神町というところを舞台にした小説。そこではパン屋の主が絶大な権力を持っていて、警官はロリコンで、盗撮サークルが町中にカメラを仕掛けて、住人は幽霊に怯えている、などなど基本的に滅茶苦茶なことしか起こらない。しかしこの物語は戦後から現代までの神町を捉えていて、そこで語られる歴史が根拠ある枠組みとなって破綻することはないし、様々な事件の謎も最後には解決される。