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貧困世代 社会の監獄に閉じ込められた若者たち(講談社現代新書)
  • みんなの評価 5つ星のうち 4 5件

電子書籍

貧困世代 社会の監獄に閉じ込められた若者たち

著者 藤田孝典

昨年『下流老人』が20万部超えのベストセラーとなった著者の新書第2弾!今回は若者の貧困に着目し、「一億総貧困社会」をさらに深く読み解く。これまで、若者は弱者だとは認められず、社会福祉の対象者として扱われなかった。本書では、所持金13円で野宿していた栄養失調状態の20代男性、生活保護を受けて生きる30代女性、脱法ハウスで暮らさざるを得なくなった20代男性などの事例から、若者の貧困を分析する。

貧困世代 社会の監獄に閉じ込められた若者たち

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みんなのレビュー5件

みんなの評価4.0

評価内訳

  • 星 5 (2件)
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  • 星 1 (0件)

結婚・出産なんて「ぜいたく」だ。

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:朝に道を聞かば夕に死すとも。かなり。 - この投稿者のレビュー一覧を見る

題名は私が言ったんじゃなくて、本書の帯にそう書いてあったんです。社会福祉士である筆者による貧困世代の定義とは「一生涯貧困に至るリスクを宿命づけられた状況に置かれた若者たち」とのことです。筆者の想定では今の10代後半から40歳までを貧困世代と考えています。ちなみに筆者の前著『下流老人』は20万部突破のベストセラーになっています。

本書「貧困世代」とか「下流老人」というワードを用いながらその相互関係をわかりやすく示そうという姿勢は反貧困運動の失敗の総括から来ているというのは知りませんでした。

私たちは努力至上主義や精神論を若者に求めます。しかし今は、働いても貧困が温存される時代です。労働万能説を唱えるおじさんはもともと自らの雇用を安定させるために若者を非正規にすることで自分のポジションを安定させる事になっています。

そんな若者は下流老人予備軍でその層は「相当に分厚い」と筆者は考えます。若いうちから資産形成のための賃金が貯まらないのに出産や子育てどころじゃありません。親もゆとりがないのである程度の年代まで育てたら「あとは自分でなんとかしなさい」となります。

筆者は「若者たちに対する社会一般的な眼差しが、高度成長期のまま、まるで変わっていないのではないだろうか?」と問います。

少子化対策として保育の義務化とかがありますが、そうした支援の効果は限定的と考えており、若者への社会福祉は就労支援のワンパターンであり、社会保障が高齢者、身障者、児童という対象を重視していたので、給付やメニューの不足があります。

「そんな事言ったって俺たちだって苦しいんだ!」という「貧困世代」じゃない私たちおじさんの叫びが聞こえてきそうですが、筆者は単に問題点の指摘でなく、貧困世代問題解決のための一定の解を示し、なおかつアクションを実際に行っているという点が語られています。

若者は公営住宅からはじかれやすく、公的な低家賃住宅によって世帯形成率は高まり、少子化の原因は住宅にあるのかもしれないという仮説を立てます。

そして新しい労働組合の取り組みなど、言葉だけでない、極めて実地に足のついたアクティブな印象を読み手に与えてくれます。社会福祉士という仕事柄か、社会のセーフティネットの網から零れ落ちる人たちの問題を解決したいというパッションが伝わってきます。

今の国債は民間貯蓄で補っているから大丈夫という言説がありますが、国債発行額以上に民間貯蓄がないといけないのですが、内閣府の国民純貯蓄データからも将来世代に富を残せておらず、富が集っているのは企業貯蓄で、家計の貯蓄はマイナスだけど企業貯蓄があるから民間貯蓄がプラスに見えるという日本の現状があります。

じゃ、企業からお金とればいいじゃん、ってなるのですが、そもそもそんな企業が少数で、会社務めの人の7割が中小企業務めという状態です。今の団塊ジュニアの2050年問題は「2人で1人のお年寄りを支える肩車時代なわけです。

しかし、公教育費の専門書とかの書評も書きましたが出産や教育は、個人や家族の問題と考える人は圧倒的多数派です。世代間倫理の話題がそうなんですが、私たちはまだ生まれてこない若い人よりも今の問題の方に意識が集中するというのは太古から持っている感情です。

私たちはこうした問題を頭で納得しても、つまるところ「他の人と同じようにふるまっていけば安心安全」という生存選択をセレクトしてきたのであり、「アクションにする」というフェーズにおいては「いばらの道」があることを知るのです。

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若者に対する無知

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:Freiheit - この投稿者のレビュー一覧を見る

若者は社会的弱者になっているが、社会一般は高度成長期と同じ目で見ており、このままでは貧困世代が日本の大きなボリュームゾーンになる。その無知を改めることが大切。

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子育てはぜいたく!?

2人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:キック - この投稿者のレビュー一覧を見る

貧困世代とは、「稼働年齢層(10代から30代)を中心に形成される世代であり、貧困であることを一生宿命づけられた人々」とのこと。
 内容ですが、第1章は5つの事例を紹介し、「子育てはぜいたく」という若者の実態に迫ります。第2章は、5つの若者論(労働万能説、家族扶養説、青年健康説、時代比較説、努力至上主義説)の誤りを指摘し、「大人がわからない悲劇」として捉えます。第3章は、ブラックバイトや奨学金問題を深掘りすることで「若者が学べない悲劇」として捉えます。第4章は、家賃負担が重たいために家を借りられない、実家から抜け出せない「若者が住めない悲劇」と捉えます。第5章は、5つの政策提言(労働組合への参加と労働組合活動の復権、スカラシップの導入と富裕層への課税、子供の貧困対策と連携、家賃補助制度の導入と住宅政策の充実、貧困世代は闘技的民主主義を参考に声を上げよう)を行っています。

 私はどちらかと言うと貧乏な家庭に育ちましたが、終身雇用と安い賃料の公団に入居できたおかげで、何とか国立大学を卒業させてもらいました。しかし、今では終身雇用は崩壊し、安い住居も不足する中、親が教育費を十分賄うことができなくなっています。若者はブラックバイトを辞めたくても辞められず、仮に奨学金を借りても返すために結婚等を犠牲にしなければならず、さらに「子育てはぜいたく」とばかりに少子化に拍車がかかる始末。こうした若者の現状に愕然としました。日本の将来を占う上で、若者対策は避けて通れない問題だと、認識しました。
 大企業のために非正規雇用を積極的に推進し、終身雇用を潰した小泉こそが、「自民党をぶっ壊す」と言いながら「日本をぶっ壊した」張本人だと思いました。

 ところで、4月12日に開催された子供の貧困対策にかかる議員会合で、72歳の自民党議員が「高校も大学もみんなが援助するのは間違っている」と発言し、児童養護施設出身者の奨学金制度の拡充を一蹴。一方、私の妻に本書の内容を簡単に説明したところ「大変なのは分かったけど、奨学金給付はやりすぎ!」とこちらも一蹴。つまり、若者の貧困に対する世間一般の認識および理解は全く進んでいない中、行政や政治家の若者貧困対策への意識は低いと言わざるを得ません。
 まずは、若者の貧困の実態とその対策の重要性を、周知することが肝要かと思いました。

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日本の未来が不安

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:スーさん - この投稿者のレビュー一覧を見る

本当にこのままでは大変なことになる。本書を読んで日本の未来に不安を覚えた。昔はもっと大変だった、そういう感覚ではいけないということなのでしょう。高齢者対策も大切だが、それは所詮コスト。若者対策は投資という感覚で考えるべきと思う。

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日本の残酷な現状

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:絶望詩人 - この投稿者のレビュー一覧を見る

この本には、若者を取り巻く残酷な現状が書かれてある。
各世代間のギャップにも苛まれる若者の現状が明らかとなる。
この問題が、日本の将来にも深刻な影響を与えることだろう。
そして、若者に関する問題だけでは無く、今の日本の問題が明らかとなろう。

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