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万延元年のフットボール(講談社文芸文庫)
  • みんなの評価 5つ星のうち 4.1 4件

電子書籍

万延元年のフットボール

著者 著:大江健三郎

友人の死に導かれ夜明けの穴にうずくまる僕。地獄を所有し、安保闘争で傷ついた鷹四。障害児を出産した菜採子。苦渋に満ちた登場人物たちが、四国の谷間の村をさして軽快に出発した。万延元年の村の一揆をなぞるように、神話の森に暴動が起る。幕末から現代につなぐ民衆の心をみごとに形象化し、戦後世代の切実な体験と希求を結実させた画期的長篇。谷崎賞受賞。

万延元年のフットボール

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みんなのレビュー4件

みんなの評価4.1

評価内訳

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紙の本万延元年のフットボール

2003/11/20 00:15

合う、合わないはやっぱりある。「それでも読んで欲しい」というのは、私のわがままである。

4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:中堅 - この投稿者のレビュー一覧を見る

 「朱色の塗料で頭と顔を塗りつぶし、素裸で肛門に胡瓜をさしこみ」首を括って死んだ、ただひとりの友人や、「茶色の眼で穏やかに見かえすほかにいかなる人間的反応も示さない」赤ん坊、そして、障害児の出産によってアルコールから離れられなくなり、心の闇に怯える妻・菜採子。
主人公・蜜三郎もまた、死んだ友人を想い、夜明けの暗い穴ぼこに無気力にうずくまっていた。そんな時、アメリカから帰ってきた弟・鷹四に誘われて、蜜三郎は妻と共に希望の草の家を探しに故郷である四国の谷間の村へ出発する。
谷間の村で鷹四は、村の青年たちを集めフットボール・チームを結成し、万延元年に谷間の村で起こった一揆に重ね合わせて、100年後の今、スーパー・マーケットの天皇に対して一揆を起こそうとする……。

 この小説の魅力は「持続する緊張感」であると思う。主要な登場人物は全員が精神の危機に瀕しており、万延元年の一揆や、戦争直後におけるS兄さんの死についての蜜三郎と鷹四の論争は、まさにそれぞれの「identity」をかけた切迫したものとなっている。また他にも、鷹四の「本当のこと」に関する謎や、蜜三郎の菜採子との確執、谷間の民衆の狡猾さなど、緊張の糸が切れることがない。そのエネルギーは、最後の蜜三郎と鷹四の会話に向かって収束していくのである。
 さらに、小説世界の構造についていえば、蜜三郎を中心とした、「危機からの回復」というような、個人の物語の背景に、「六十年安保闘争」という大衆の寓話が織り込まれているために、読み直すことによって新しい意味を発見することもできるだろう。

 著者も認めるように、「他者を拒む」表現が冒頭に出てくるために、さらに、そもそもの著者の文体自身が硬いために、また「根所蜜三郎」や、「鷹四」などの登場人物の奇妙な名前によって、読むのを途中でやめてしまう人がいるかもしれない。しかし、純文学の旗手として前線で戦い続ける大江健三郎の臨界点といわれるこの小説をそれだけの理由で放り出すのはもったいない。

 私が今回読み直してみて感じることは、「この小説には感傷がない」ということである。それは、登場人物が人間らしくないということではなくて、主に蜜三郎に放たれる強烈な批判や、緊張関係の中に、感傷よりも「生きることへの意思」また、言い換えれば、「くそまじめに生きる意志」が強く含まれているということだ。逆にそれだけに、この物語がこれほど緊張感を保てているとも言える。冒頭の蜜三郎も無気力感の中にいながら「期待」の感覚を探すことから始まるし、友人の死もまた、心の暗闇と最後まで戦った結果である。
 私は、この小説には読者の中にある甘えを削りとってくれる効果があるのではないかと思っている。
辛い読書体験の先に、「期待」の感覚が待っている。多くの人に挑戦してもらいたい小説である。

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紙の本万延元年のフットボール

2001/03/03 21:28

百年間を描く

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:7777777 - この投稿者のレビュー一覧を見る

 『万延元年のフットボール』は「僕」の友人が朱色の塗料で顔をぬりつぶし、素裸で肛門に胡瓜をさしこみ、縊死したことからはじまる。この異様な死からはじまる作品は村を起点にして進んでゆく。
 なぜ弟の鷹四は自殺しなければならなかったのか?
 100年前と現在が交錯しながらマジックリアリズムで見事に描かれた傑作。 
 同じ時期に書かれたガルシア・マルケスの『百年の孤独』も視野にいれておくといいと思います。

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紙の本万延元年のフットボール

2001/02/22 23:53

密度の濃い時間を

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:桐矢 - この投稿者のレビュー一覧を見る

 エンターティメント系の作品を読み慣れていると、やはりこういうのは初めとっつきにくい。文章の間の密度の桁が違うのだ。
 それでも、途中からは一気に読めてしまった。翻訳家である「僕」と弟の「鷹」が、故郷である四国の村に帰る。近代的なスーパーマーケットの天皇に卑屈に接しながら、人種的な優越感を隠そうとしない村人達。閉鎖的な空間は、地続きで万延元年の百姓一揆の時代に繋がっている。
 話をひっぱるすじは、その百姓一揆の首謀者であった、曾祖父の弟の真実。彼は、卑怯者だったのか。それとも、鷹が切望する通り本当の英雄であったのか。
 幼児のように、内側に丸くこもってあくまで傍観者であろうとする僕にくらべて、鷹のキャラクターが魅力的だ。暴力的な自分を極限まで演出することで自らの中にある地獄の縁を乗り越えようと模索する。そのぎりぎりの危うさに結末まで読者は目が離せない。


 それにしても、大江健三郎の作品に繰り返し、同じような登場人物が出てくるのはなぜだろう?
 「頭を赤く塗って肛門にキューリを差し込んで縊死した」友人。こんなにインパクトのある人物を違う作品にも登場させている。その他にも、S兄さんや、ギー、少しずつキャラクターは違うが、やはり、他の作品に登場している。それから、大江健三郎の作品にいつも出てくる祖母。(今回は大した出番は無かった)「……ですが!」という方言がなんとも言えず、わたしは好きだ。

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紙の本万延元年のフットボール

2001/05/23 03:03

さまよえるイメージ

3人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:楠  - この投稿者のレビュー一覧を見る

 ノーベル賞受賞作家である大江健三郎のイメージを繰り返し喚起してやまないのは、故郷である四国の森である。この神話の森に、万延元年の村の一揆をなぞるかのように、突如として暴動が起きる。安保闘争の挫折、障害児の出産など、それぞれに苦しみを抱えた登場人物は、大江作品ではおなじみである。谷崎潤一郎賞受賞作。

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