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アイズオンリー
CGオペレーターの仁科縁はある事情から人と関わることを避けて生きてきた。ある日、上司であり叔父である訓の誘いを断りきれず参加した飲み会の席で縁は編集者の岩崎数真と出会う。数真には、子どものように何でも触って確かめる癖があった。それは子どもの頃、目が見えなかったことに起因すると告白する数真。その話を聞いた縁は過去に出会った「かず」のことを思い出す。縁が壊してしまった幸福な時間と共に──。一穂ミチが贈るオンリー・ワン ラブストーリー。 ※本作は過去に配信していた「アイズオンリー」に挿絵を加えたものです。ストーリーに変更はございません。
アイズオンリー 【イラスト付】
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紙の本アイズオンリー
2013/10/25 20:00
言葉選びが秀逸。
6人中、6人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:さぁーこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
読み友様からのオススメの一冊。幼少期に全盲だった攻め×ある視覚障害を抱える受け。見えなかった世界が見えるようになった戸惑いと、見えるのに見えない世界。普段私達が経験したことのない、理解は出来ても共感は出来ないそれぞれの視覚障害を非常に分かりやすく描く手腕にまず脱帽。人と関わることが出来ず、息をひそめるような孤独な日々が、攻めとの出会いでゆっくりと降り積もるように一緒に過ごせる喜びに変わっていく様子がとにかく心にグッとくる。最後のバリケード守る受けと攻めの攻防は怒涛の勢いで展開していき、想いの丈をぶつける場面はとにかく涙がとまりませんでした。幼い頃のエピソードもやさしいばかりではなく、辛い思いでであった分、どうしても忘れられない記憶として攻めを突き動かしていたんだと思う。とにかくすごく良かった!!
紙の本アイズオンリー
2015/09/12 15:02
希有な表現者、一穂ミチ。
4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:hike - この投稿者のレビュー一覧を見る
この作家の出している作品を全て読みたいと思わせてくれる。一穂ミチはそのように希有な表現者の一人である。アイズオンリー、この本もまた傑作だった。二十年近い時を経て運命的な再会を果たした二人、体の関係を結んでもなお打ち明けられない秘密を抱える主人公。そんな彼を保護者として見守る叔父の存在もとても良い。挿絵もやわらかく上品でぴったり。明日に向けて元気になれる物語である。
紙の本アイズオンリー
2017/05/31 18:51
よく書いてくれた!!
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:スグル - この投稿者のレビュー一覧を見る
相貌失認は人の顔や体つき、車、建物、といった諸々のものを記憶できない、形として視覚で捉えることのできない障害。
その障害を持つ受け縁、障害持つゆえのいじらしさや卑屈さがリアルだった。攻めである数真の愛情の深さや必死に好きな人を追いかける気持ちもすごく胸に迫るものがあった。
相貌失認ってなかなか人に理解されないんだ。
だから小説で取り上げられても、なんかピント外れな表現されがちだけど、縁が数真の笑顔を見た時「この眼差しを、留めておけないなんて。まるで一瞬の流れ星。消えるな。消えないで、俺の中から。こんなふうに見つめられたこと」で泣いた。そうなんだ。笑顔を覚えていられないのはすごくさみしいんだ。書いてくれてありがとう。
電子書籍アイズオンリー 【イラスト付】
2022/07/09 12:08
007シリーズの様な題名
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:Sota - この投稿者のレビュー一覧を見る
感動作だと聞き、読んでみました。
でも、肩すかしを食らうことも多いので、期待しすぎないようにしていましたが、今作に関しては、素直に感動しました。
まず、小椋さんの、子供のイラストが、めちゃくちゃ可愛い!
とくに、かずの、爪先立ちで、はにかんでいるだろう表情に、ゆかりちゃんとの手の繋ぎ方も絶妙で!
岩崎くんの「、、、ゆかりちゃん」で、涙腺が崩壊しました。
電子書籍アイズオンリー 【イラスト付】
2022/03/06 05:17
とてもいい話でした
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:KoLe - この投稿者のレビュー一覧を見る
忘れた頃に読み返して、その都度じんわりさせられます。全体にカラッとしていますが、山場では主人公に同情して切なくなりました。
視覚が戻った後の日々を語ったくだりでは、五感の合計は同じなんだというところにはっとさせられました。
見えてなくても見える、というのがわかる気がします。
とにかくストーリーが素敵です。素晴らしい構想と練り込まれ方、さすがです。いいお話です。おすすめします。
電子書籍アイズオンリー 【イラスト付】
2019/05/26 16:47
子供のころから
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:かなぶん - この投稿者のレビュー一覧を見る
子供のころから結ばれてた、とか運命だったとか、
ファンタジーならいいけど、リアルさを求めるなら陳腐に感じます。
でも実際はマイナスな感情が絡んでいたり、うまくいかないことがあったり・・・
それがむしろリアルに感じられ、ロマンティックでした。
電子書籍アイズオンリー 【イラスト付】
2018/09/10 23:35
心が温まる素敵な話
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ふる - この投稿者のレビュー一覧を見る
編集者の数真×CGオペレータの縁。子供の頃、全盲だった数真と人の顔を覚えられない縁。子供の頃出会い、喧嘩別れした。再会後のお互いの苦悩やすれ違いが切なかった。
電子書籍【期間限定30%OFF】アイズオンリー 【イラスト付】
2016/08/28 18:40
E.Oの意味
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:nachi - この投稿者のレビュー一覧を見る
すごい好き。
この表紙は読んだら、すごく印象的に映る。
目を閉じた縁。
静かにキューと胸に痛みを感じるお話しです。
普段自分では感じることのないもどかしさに焦れます。
縁の障害については、ほんの少し程度ですがきいたことはありました。
見るだけでわかる障害ではない場合、それ故の苦しみって多くあると思いますが、縁の隠している孤独や不安を少々強引にも、数馬が開放していく過程が良かったです。タオルケットで包まれるみたいに、甘やかされれば良いと思う。
ずんずん内側に入ってくる人って、己がそういうタイプではない場合羨ましく思います。
色々な事を乗り越えてきた数馬だからこそっていうのはあるんでしょう。
そんでもって、訓さん良い人ですね。魅力的。
すごく失礼かもしれないけど、触れて確認するって、エロティックですよね(ほんとごめんなさい)
触れるって、指先の感覚を辿るって、存在っていうか生命を確認している、行為だなぁって思います。
電子書籍アイズオンリー 【イラスト付】
2014/05/16 00:09
他者と違うことの生き苦しさ。
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:アリス - この投稿者のレビュー一覧を見る
一穂さんの文章はとても静かで淡々としているのに、いつも言葉の奥に潜む情熱を感じる。それによって毎回心の奥の柔らかいところをグッと掴まれ、いやがおうにも感情を波立たせる。縁のような病気があることを初めて知り、もちろんその感覚をぜんぶ理解しきることはできないんだろう。でも、他者が当たり前にできて、“できる”ということさえ意識しないでやっていることが“できない”という劣等感は相当だろうなと思う。だからこその失敗してしまったときの恥ずかしさ…。失敗しないために人と接するときはいつも神経を集中させ、すり減らしていくことのしんどさ。それを思うと本当に切なくなる。。一方で、自分の目の見えない世界を受け入れ、自分はかわいそうなんかじゃなかった、自分の世界での美しさも、輝きもちゃんとあった、と言う数真。その心の力強さ。それでもどうしても他者とは“違う”数真の世界に自ら入ってきてくれた縁は数真にとって一等の輝きだったんだろうなと思う。他者と違うことは生き苦しい。でも不幸じゃない。
電子書籍アイズオンリー 【イラスト付】
2019/04/11 09:49
よかった
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:はまち - この投稿者のレビュー一覧を見る
子供の頃の思い出の人との奇跡の再会。どのような展開になるのか気になって、一気読みしました。
電子書籍アイズオンリー 【イラスト付】
2022/08/11 19:34
相貌失認と元全盲と
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:apple2 - この投稿者のレビュー一覧を見る
相貌失認という病気があることは知っていました。
軽度という症状があるなら、自分も当て嵌まるなと思っていたので。
「人の顔を思い浮かべるって、何処に浮かべるの?」と友人に聞いて、天然狙ってると笑われた事があるけれど、未だに本当に分からない。
人を把握するのは、全体的な雰囲気。
だからよく知らない人は間違えるし、あの人〇〇に似てるよね。
えっ、全然似てないよ。てこともよくある。
単なる忘れんぼなんだと思っていた。
もし軽度なんてもんじゃなく、まるっと誰だか分からない世界……それは怖い。
皆が能面付けているように感じるだろうか。
治る病気ではないらしいので(未来は分からない)、これからも二人は時にぶつかり、補い合いながら暮らすのだろうか。
電子書籍アイズオンリー 【イラスト付】
2017/01/20 03:02
作者らしい
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:mimimi - この投稿者のレビュー一覧を見る
相変わらず難しい題材をBLに持ち込んできますねぇ。
話の救いは、攻のひたすらに一途な気持ち。
自らもハンディキャップがあった事から、繊細且つ大胆に受との距離を近づけていく様はなかなか格好良ろしい。
でも、個人的に胸キュンがなかったのでちょっとマイナス。
電子書籍アイズオンリー 【イラスト付】
2018/08/31 20:44
障害のある受け
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:沢田 - この投稿者のレビュー一覧を見る
攻めの心情を知って再読したけれど、受け目線だからか焦っておたおたしているようには感じられないですね。
かなりぐいぐいと迫ってくるとは思っていたけれど…。
受けの障害に対する同調ということは相変わらずできないけれど、その苦しさや攻めへの感情への説得力というのは相変わらずすごい。
「認識できない自分が恥ずかしい」という受けの心情が苦しい。
そして、「見えるようになってよかったと、初めて心から思う」という攻めの優しさに涙。
あとがきや、一穂さんのサイトのSSも含め、大好きな本です。
紙の本アイズオンリー
2016/10/31 19:43
お互いハンデのある話
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:沢田 - この投稿者のレビュー一覧を見る
読み初めは、あーこんな感じね!なんて思っていたら、思いっきり裏切られました。
もちろん良い意味です。
お互いにハンデがあって、攻めの目が見えない事も大変だったけど、受けの目が見えても認知の関係で人の顔が覚えられないとういう障害が辛い。
最初、攻めがやけに軽い感じに見えてちょっとな、と思いつつ、最後の方で実は的な感じが素敵でした。