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六百六十円の事情
著者 著者:入間人間
世の中には、いろんな人たちがいる。男と女。彼氏と彼女。親と子供。先生と生徒。そして爺ちゃんや婆ちゃんとか。その中には、「ダメ人間」と「しっかり人間」なんてのも。あるところに、年齢も性別も性格もバラバラな「ダメ」と「しっかり」な男女がいた。それぞれ“事情”を持つ彼らが描く恋愛&人生模様は、ありふれているけど、でも当人たちにとっては大切な出来事ばかりだ。そんな彼らがある日、ひとつの“糸”で結ばれる。とある掲示板に書き込まれた「カツ丼作れますか?」という一言をきっかけに。入間人間が贈る、日常系青春群像ストーリー。
六百六十円の事情
05/02まで通常671円
税込 336 円 3ptワンステップ購入とは ワンステップ購入とは
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紙の本六百六十円の事情
2010/06/07 11:03
『カツ丼は作れますか?』
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:成瀬 洋一郎 - この投稿者のレビュー一覧を見る
ビートルズネーチャン、単語3つをセットにする家出少女、万引き少年、ニート……社会の枠からはみ出しかけて宙ぶらりんな男女たち、それぞれを語り手にした前半は、よくある連作形式の青春群像劇かと思ったけれど、それぞれの物語に通りすがりの人間として登場していた老人が語り手になった途端、ばらばらに見えていた物語が一気に集約し、食堂のテーブルに置かれたカツ丼で話がまとまる構成に引きずり込まれて一気に読了。そのままもう1回読み直して、伏線やら登場人物の立ち位置を確認しながら新たな視点を楽しませてもらいました。
入間人間は、「社会の常識」と呼ばれるものからちょっとはみ出したヘンな人たちを描写するのが巧いのだけれど、そのヘンな部分をシニカルに暴き立てながらも、それを馬鹿騒ぎにせず、否定もしないのです。
仕事をしないで日々だらだら暮らしている姿を描写しながらも、頭からダメな生き方と否定はしない。その代わり、仕事ひとすじで家庭が疎かになっても否定はしない。
どちらにしろ困ったことではあるけれど、互いに否定せず、否定されないからこそ歩み寄れるというか、今よりももうちょっと良い立ち位置を考える余地があるのです。
紙の本六百六十円の事情
2010/05/29 09:05
一歩を踏み出す
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:くまくま - この投稿者のレビュー一覧を見る
中学生の時のモヤモヤを抱えたまま大人になり、いまも空き地で一人ギターを引き続ける三葉由岐としっかり者の彼氏の丹羽静、食堂の手伝いをする女子高校生北本と本屋で万引きをする同級生竹仲、ニートのカップル各務原雅明と中家ソウ、そして、家出小学生と人生の目的を失ったおじいさん。同じ街で暮らす彼らは自分たちの日常を生きながら、時にすれ違い、そしてインターネットの掲示板を通じて出会う。
モラトリアムな人たちが、相手に憧憬や嫉妬など様々な感情を感じながら、いまある自分から少しずつ前に進もうとするオムニバス・ストーリー。
紙の本六百六十円の事情
2015/03/17 00:17
それぞれの660円
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:オオバロニア - この投稿者のレビュー一覧を見る
「カツ丼 六百六十円」の帯文に惹かれて購入しました。
帯文の通り、物語の起点は660円のカツ丼ですが、小学生の660円、高校生の660円、大卒ニートの660円、老人の660円等、様々な660円が描かれています。
ライトノベルのような見た目ですが、突飛なキャラクターも設定もなく、ありふれていて、それでいて魅力的で、まさしくカツ丼のような魅力のある小説でした。