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挫折力
著者 冨山和彦 (著)
否定的なイメージの「挫折」ですが、それを経験した人間だけが、これからの不安定な時代を愉快に生き抜くことができます。なぜなら、「挫折」という極度のストレスにさらされることで、ビジネスで最も必要な「打たれ強さ」を手に入れられるからです。さらに、「挫折」を経験することで、「過去のリセット」「敗因の分析」「己を知ること」ができ、それこそが成長への近道となるからです。本書でいう「挫折力」とは、この「挫折を愛し、乗り越え、活かしていく力」を意味しています。本書は、数々の企業を再生させたプロフェッショナルが若い世代に贈る「希望の書」となっています。
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2011/01/26 18:18
「むしろ積極的に挫折せよ!」という著者の熱いメッセージを真っ正面から受け止めよう!
7人中、7人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:サトケン - この投稿者のレビュー一覧を見る
日本の大企業のいわゆる「学校エリート」がいかに安全地帯で挫折を避けているか、そしてその結果、修羅場のガチンコ勝負では決定的に弱いかをつぶさに観察してきた著者による「挫折力」のすすめ。
事業再生という修羅場で、当事者として再生対象の企業にかかわってきた著者は、歴史上の人物を引き合いに出しだけでなく、自らの豊富な挫折体験についても率直に語っている。
学校エリートが幅をきかせているのは日本の大企業であるが、守るのに汲々として捨てるのを怖がっているのは、大企業だけでなく、中堅企業のエリートも同じだろう。
しかし、すでに安定した時代は終わって「大競争時代」にあるのが、いまの日本社会である。グローバル競争のもと、不安定で不安定な状況は今後も終わることなく続き、それが当たり前の状態となる。
「一寸先は闇」といったら大げさと笑われるだろうが、著者と同世代で、同じく時代の荒波に翻弄されてきた私には、腹の底から共感できる内容である。私も、勤務先が破綻する経験や、数々の修羅場を経験して現在に至っている。
とくに私が共感したのは、「世の中のいわゆる「成功哲学」の欺瞞について」という一節だ。成功体験を語ったビジネス書があふれている現在の日本だが、後知恵で語った成功哲学など再現性に乏しく、成功物語はレアケースに過ぎないと断言する著者の発言には、まったくそのとおりだと強く同感した。
チャレンジしたら失敗するのは当然だ。失敗から学び、挫折から学ぶ。自分自身の体験から得た教訓だから、他人の説教やアドバイスよりもはるかに身にしみる。数々の失敗がまた人間を成長させる。挫折もまた同じだ。若いうちの挫折は人生の財産である。何よりも挫折に対する免疫力がつく。
本書には「挫折力」のポイントが50にまとめられている。いったん読み終えたあとも、このポイントをときどき読み返してみるといいだろう。
よく言うではないか、「若いうちには積極的に失敗しろ」と。
だから「むしろ積極的に挫折せよ!」という著者の熱いメッセージは、若者と若い心をもったすべての日本人への応援歌なのである。
悔いのない「ほんとうの人生」を送りたいと切望している人には、劇薬だからと敬遠することなく、ぜひ手にとって読むことを強く奨めたい。
電子書籍挫折力
2018/01/09 15:24
僻まないでエールを受け取ろう
1人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:hontoカスタマー - この投稿者のレビュー一覧を見る
あまり予備知識なく読んだ感想だが、書き手と読み手の意識のずれは否めない。著者はとにかく優秀。本人はそれだけではないこれまでの経験を経てそれ以上の存在なったということをさらっと言っているところが、率直に言って僻まれてしまうのだろう。あまり年齢の違わない凡人からするとどちらの思考回路もある程度理解できるので評価が難しい。
個人的な感想としては、非常に優秀な人だが最終的には金儲けに走らず、違った価値を人生に見出している人物で、決して悪い人ではないことは伝わってくる。いかんせん相手にしてきたのが企業の経営者が中心のため、目線を下げるのにも限度があるようだ。少なくとも本書では傲慢なことは言っていないので、読者は素直に参考にしていいと思う。自分を抑制する「優等生」の脆弱さは、的を射ていると思うし、将来指導者となりうるエリート層の課題であり、だからこそ、まあ凡人も隙間を狙えるのではと励まされた。自分の凡才ぶりを棚に上げてポジショニングする際の参考になる。
後輩への忌憚のないエールとして胸にしまっておいていい本。彼の優秀さにいかに僻まずにエッセンスを受け取るかがカギになるのだろう。
2016/01/31 18:52
挑戦意欲が湧いてくる
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:V-UP - この投稿者のレビュー一覧を見る
失敗は成功のもと。とは言うけれど、なかなか失敗しそうなシチュエーションに挑むことは勇気がいる。しかしこの本を読むと、いかに失敗が人生に大切か。ビジネスマンではなく人間として一流になるために必要かが学べる。