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自分の頭と身体で考える
人はふとした時に“物事の本質”を考えることがある。この国、この社会、この時代……考えはめぐりめぐるもの。本書で刺激的な対論を展開しているこの二人も、同じように“物事の本質”を追究しているが、一味違う。われわれが日ごろ“当たり前”だとか“常識”だと思うことを、次々と突き崩していくのだ!例えば、甲野氏は「法律や規制よりも『自分の美意識』が大切だ」と語る。個人の「美意識」をもっとも尊重しなければならないものと位置付ける。それに対して養老氏は「『安全第一』と考えることがこの国のマザコン体質です」と語る。両者ともに、『安全』が行動原則となっている現代日本に疑問を投げかけているのだ。本書はそれぞれ“身体のしくみ”の専門家と“身体の動き”の専門家が、それぞれの視点で歴史、医療、教育、ことば、格闘技など多彩なテーマで語り合う。解剖学者の“メス”と古武術家の“刀”が火花を散らせる異種格闘対論である。
自分の頭と身体で考える
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紙の本自分の頭と身体で考える
2002/06/30 11:28
自分自身の頭で考えたい人向けの本
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:のらねこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
解剖学が専門である養老孟子氏と古武術の研究を実践なさっている甲野善紀氏との異種格闘技的な対談をまとめた本も、これで二冊めとなる(一冊めは「古武術の発見」)。
両氏とも、専門は違えど、普通なら教書を鵜呑みに覚えて済ませる「根源的な部分」への懐疑を持ちつづけ、「自分の頭と身体で考える」という本書のタイトルの通り、逃げずに探求する基本姿勢は共通している。両氏の対話はラディカルかつスリリングで、普段、いかに我々が多くの事物を「当たり前のこと」として見過ごしているのかを露にし、既成概念の「強固さ」と「脆弱さ」を容赦なく暴きたてる。
話題に上がるものも身体、共同体、学歴、日本と日本人、機会、それに老い、など、多岐に渡っているようで、根本ではひと連なりになっている。