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著者 北國浩二
プロをめざしているバンドマン・柏原省吾はある日、恋人の上野美月から別れ話を切り出された。省吾の幼馴染である桂木妙子の交際相手のエリート医師・篠塚と付き合うというのだ。その直後、省吾は不思議な能力があるといわれている少女・野原すみれとともに、篠塚が美月を殺しかけている光景を幻視する。嫉妬ゆえの妄想か、それとも……。 省吾は美月を守り、彼女との幸せを取り戻せそうとするのだが――読後感さわやかな、二転三転の長篇ミステリ。「2010本格ミステリ・ベスト10」ランクイン作品!
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電子書籍リバース
2021/06/07 16:09
練られたプロットが印象的
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投稿者:なのはな - この投稿者のレビュー一覧を見る
とてもよく練られたプロットの超常要素のある本格ミステリでした。二転三転する展開に、最後まで犯人当ての楽しみはありますが、それ以上に主人公省吾の人間臭さが際立った良い小説だと感じました。元恋人の美月の死を予知視したことで、美月を救おうと奔走する省吾。それは一種ストーカーじみた狂気さえ感じます。しかし、それは省吾の苦悩、葛藤する姿を生々しく表している結果となり、人間味あるストーリーの基礎となっている面もあると思いました。悲しい事件ではありましたが、ラストの読後感はけして悪いものではなく、未来につながる希望を持てる作品でとても良かったです。もちろん本格ミステリとしても高レベルの傑作だと思います。